下町情緒あふれる街並みに、香ばしいソースの香りが漂う月島。ここは、もんじゃ焼きが今の形へと進化した「もんじゃ発祥の地」として知られる街です。メインストリートの西仲通り商店街、通称「もんじゃストリート」には、なんと80軒以上ものもんじゃ屋がずらりと軒を連ねています。せっかく訪れるなら、1軒で終わらせるのはもったいない。この記事では、昔ながらの味を守る老舗から、ここでしか味わえないユニークなメニューが自慢の店まで、食べ比べで巡りたい月島もんじゃの名店を8軒厳選してご紹介します。

月島もんじゃ食べ歩きの楽しみ方
もんじゃ焼きのルーツは、江戸時代に鉄板の上で文字や絵を描いて焼いた「文字(もんじ)焼き」にあるといわれています。それが月島の駄菓子屋の鉄板で、子どもたちのおやつとして親しまれるうちに、今のもんじゃの形へと発展しました。小麦粉を水で溶いて薄く焼き、醤油などで味付けして食べたのが始まりとされ、その素朴な食文化が、時代とともに具材豊かな現在のもんじゃへと育っていったのです。今では月島は名実ともに「もんじゃの街」として、年間を通して多くの人でにぎわっています。
数え切れないほどの名店が集まる月島だからこそ、おすすめは何軒かをはしごする「食べ比べ」です。まずは月島もんじゃの鉄板メニュー「もち明太チーズ(明太子・餅・チーズ)」を各店で頼み、出汁やソースの違いを味わうのが通の楽しみ方。1軒でお腹をいっぱいにせず、少量ずつ数軒を巡れば、それぞれの店の個性がはっきりと見えてきます。それでは、個性豊かな名店を見ていきましょう。
月島で食べ歩きたい、もんじゃの名店8選
近どう 本店
まず訪れたいのが、月島で現存する最古のもんじゃ店といわれる近どう本店です。創業は昭和25年(1950年)。名物女将が営んでいた駄菓子屋でもんじゃを焼き始めたのが原点で、まさに月島もんじゃの歴史そのものを体現する老舗中の老舗です。
看板は、店名を冠した「近どう特製もんじゃ」。生いか、生えび、たこ、牛肉、そば、コーンがたっぷり入った、具だくさんでボリューム満点の一品です。開業当初から守り継ぐ昔ながらの味を大切にしつつ、新しいメニューも取り入れているのが人気の理由。月島もんじゃを語るなら、まずはここから始めたい一軒です。
月島名物もんじゃ だるま 月島本店
レトロな雰囲気のなかでもんじゃを味わいたいなら、月島名物もんじゃ だるまへ。昭和初期の古民家を改装した店内は、窓や梁に当時の面影が残る趣たっぷりの空間です。
この店の特徴は、さっぱりとした海鮮系の「和風だし」と、後味濃厚な「鶏ガラだし」の2種類の出汁を用意していること。一番人気は、明太子が丸ごと1本のった「もち明太子チーズもんじゃ」です。ほかにも本店限定の「いかづくし」「えびづくし」など個性的なもんじゃがそろい、鉄板で作る「あんこ巻き」や「チョコ巻き」といったデザートも充実。希望すればスタッフが目の前で焼いてくれるので、もんじゃ初心者でも安心して楽しめます。
月島もんじゃ もへじ 本店
もんじゃストリートのほぼ中央、常に行列が絶えない超人気店が月島もんじゃ もへじ本店です。明治4年創業の老舗魚卸(株式会社加納)を母体とし、毎朝豊洲市場から新鮮な魚介を直入れしています。
看板メニューは、大ぶりの明太子が丸ごと1本のった明太子もちもんじゃ。さらに、生のネギトロを大葉で包んで鉄板で焼く「ネギトロ大葉挟み」や、魚屋ならではの具材をふんだんに使った海鮮アヒージョなど、鮮魚店直営だからこそのユニークな一品料理も見逃せません。もんじゃやお好み焼きといった粉ものだけでなく、旬の海鮮を使った一品料理が充実しているのも、市場直営店ならではの強みです。もんじゃと一緒に、月島の海鮮の実力を存分に味わえます。
えびすや

もんじゃストリートの参番街、その入り口に大きな提灯を掲げて佇むのがえびすやです。昼も夜も下町情緒あふれる提灯が目印で、昭和レトロな広々とした店内は、どこか懐かしくアットホームな雰囲気。慣れた手つきで店員さんが目の前で焼いてくれるので、初めての人でも安心して楽しめます。
名物は、店名にちなんだ「恵比寿もんじゃ」。イカやタコ、ホタテ、エビ、アサリなど、海の幸をこれでもかとふんだんに使った海鮮もんじゃで、そのボリュームに驚く人も多いのだとか。大人数で訪れるお客さんにも人気の一品です。長い歴史のなかで磨かれてきた味わい深いもんじゃは、どれも実力派ぞろい。デザートには、あんこクレープのような「あんこ巻き」も用意されています。気さくな店員さんとの会話も楽しみながら、下町の温かなもてなしを味わえる一軒です。
月島もんじゃ こぼれや
いつもの下町もんじゃとは一味違う、上質な一皿を求めるならこぼれやがおすすめです。もんじゃ発祥の地では後発ながら、「下町割烹もんじゃ」という新しいスタイルで人気を集め、短期間で店舗を増やしてきた実力店です。
こだわりは徹底した素材選び。京都の老舗乾物店から仕入れた煮干しや昆布など10種以上を5時間かけて煮込んだ出汁に、築地仲卸直送の海鮮、ミシュラン掲載の天ぷら店による最高級の天かすを使うという贅沢ぶりです。看板の「こぼれや」もんじゃは、器から海鮮がこぼれ落ちそうなほどの盛り付けが圧巻。江戸と現代が融合した和モダンな空間は半個室が中心で、デートや会食にもぴったりです。
もん吉 本店
もんじゃストリート三番街の中ほどにあるもん吉本店は、有名人や芸能人、海外の映画スターも訪れるという月島屈指の名店です。毎日築地から仕入れる厳選素材と、おかみさんが毎日味をチェックする秘伝の出汁が、変わらぬおいしさの決め手になっています。
王道のもんじゃで満足したあとは、名物のデザートもぜひ。もんじゃやお好み焼きの締めの定番「あんこ巻き」に、いちごアイスを合わせた「いちごアイスあんこ巻き」は、ほかではなかなか出会えない一品です。熱々の鉄板料理で火照った口を、ひんやり甘いデザートで締めくくる。その流れまで含めて、月島もんじゃの醍醐味を味わえます。
おしお

変わり種のもんじゃで冒険したいなら、月島に複数の店舗を展開する人気店おしおへ。伝統の味を受け継ぎながら、店舗ごとにオリジナルメニューを打ち出しているのが特徴で、店を巡る楽しみがあります。
たとえば「誠」店のオリジナル「カルボナーラもんじゃ」は、熱々の鉄板でまろやかに仕上げる洋風の一品。「和(なごみ)」店限定の「ごまラ~もんじゃ」は、ごまとラー油の香りが鉄板から立ちのぼる食欲そそる味わいです。定番のもんじゃに飽き足らない人でも、新しい発見がきっと見つかります。もんじゃの自由な進化を楽しめる一軒です。
もんじゃ バンビ

ユニークなメニューの締めくくりにご紹介したいのが、参番街にある「もんじゃ バンビ」です。月島駅から徒歩3分ほど、明るくおしゃれな雰囲気で、開放感のある1階席と、落ち着いた2階席を備えています。店の前には、なんと冷凍もんじゃの自動販売機まで設置されている、遊び心あふれるお店です。
このお店の魅力は、ほかにはない個性的なもんじゃの数々。名物の「塩バターもんじゃ」は、塩味とバターの香りが後を引く、まさにオリジナルの一品です。イカ墨で真っ黒に仕上げる「いか墨もんじゃ」も人気で、見た目のインパクトとともに深い旨みが楽しめます。地元・月島のクラフトビール「月島ビール」と合わせれば、変わり種もんじゃの魅力を存分に堪能できます。定番のもんじゃに親しんだあとの、冒険の一軒にぴったりです。
締めのデザートと、月島さんぽもあわせて
月島もんじゃの楽しみは、食事だけにとどまりません。ご紹介した通り、多くの店で「あんこ巻き」に代表される鉄板デザートが用意されているので、はしごの締めにひんやり甘い一品を味わうのが月島流です。
お腹が満たされたら、下町情緒あふれる街並みをそぞろ歩くのもおすすめ。もんじゃストリートから少し足を延ばせば、隅田川沿いの佃には古い町並みや路地が今も残り、レトロな風情を楽しめます。もんじゃの香りに包まれた商店街と、静かで懐かしい下町の風景。そのコントラストこそ、月島さんぽならではの魅力です。
月島もんじゃ食べ歩きを楽しむコツ
名店を効率よく、心ゆくまで楽しむためのポイントをまとめました。
食べ比べを楽しむなら、1軒でお腹いっぱいにせず、少量ずつ数軒をはしごするのがおすすめです。定番の「もち明太チーズ」を各店で頼めば、味の違いがよくわかります。
週末や夕食どきは行列ができる人気店が多いため、事前予約や、時間帯をずらしての来店が安心です。
もんじゃ初心者は、スタッフが焼いてくれる店を選ぶと失敗なく楽しめます。焼き方を教えてもらえる店も多いので、気軽に声をかけてみましょう。
はしごの締めには、各店自慢の「あんこ巻き」などの鉄板デザートを。熱々のあとの甘味は格別です。
店舗によって営業日やメニューが変わることもあるため、確実に訪れたい場合はおでかけ前に確認しておくと安心です。
食べ比べで巡る、月島もんじゃの奥深い世界
昭和から続く老舗の伝統の味から、魚屋直営の海鮮もんじゃ、和モダンな割烹もんじゃ、そして工夫を凝らしたユニークなデザートまで。月島には、一軒ごとにまったく違う顔を持つもんじゃの名店がひしめいています。何軒かをはしごして食べ比べれば、同じ「もんじゃ」でもこんなに個性が違うのかと、きっと驚くはず。下町情緒あふれる街歩きとあわせて、月島でしか味わえないもんじゃの奥深い世界を、心ゆくまで堪能してみてください。
YOKKA編集部
余暇プランナー
気軽に始められる趣味さがしや休日の過ごし方など、余暇の時間を充実させる情報を発信する体験発信メディア「YOKKA」の編集部です。新たな挑戦のスタートをそっと後押しし、日々の暮らしを豊かにするアイデアをお届けします。
