伊豆半島は東京からのアクセスも良好な人気のリゾート地です。
年間を通して多くの観光客が訪れますが、梅雨の季節である6月は「下田のあじさい」がおすすめです。
あじさいの絶景を見ると、きっと梅雨の嫌な気分を吹き飛ばしてくれますよ。
今回は「下田のあじさい」や周辺のおすすめスポットなどもあわせて紹介していきます。
下田の花の歴史とアクセス方法
下田の「あじさい」の始まり
伊豆半島の最南端にある下田市は江戸時代には教科書でも出てくる港町でしたが、「天城越え」でも有名なように、険しい山々に囲まれ道路も鉄道も整備されていない、 まさに陸の孤島 でした。
戦後、昭和28年に「縄地有料道路」、昭和36年に「伊豆急行線」が開通し、ようやく東京方面からの陸路がつながり、多くの観光客が訪れるようになりました。
その頃、自然を活かして客を喜ばせようと、地元の有志たちによって 「下田花いっぱい運動」 が立ち上がったのが、下田の花の観光の始まりです。
手つかずの山に桜や梅を植樹したが上手くいかず、そこで元々群生していたあじさいに目を付け、下田市が協力して植樹を行い「下田のあじさい」として多くの観光客が訪れる花の名所へとなっていきました。
先人たちの長年の努力によって、下田はあじさいや水仙などで有名な「花のまち」へと発展していったのです。
下田までのアクセス
車の場合
伊豆の最南端にある下田市へ行くルートは 東伊豆・中伊豆・西伊豆から向かう3ルート があります。
最も早いルートは中伊豆ルート で、東名高速道路・新東名高速道路からつながる伊豆縦貫道~伊豆中央道~修善寺道路と途中有料道路を経由していきます。
2023年3月19日には交通の難所でもある、天城越え区間の一部に河津下田道路の河津七滝IC~河津逆川ICの約3km区間も開通しさらに時間が短縮されました。今後もさらに延伸予定で、より便利になっていきそうですね。
東伊豆・西伊豆ルートはいずれも海岸線を通るルートで、 海を眺めながらのドライブ を楽しみながら行くことができます。東伊豆は道幅も広く運転しやすいですが、西伊豆は途中道幅が狭い個所もあるので注意しながら運転を楽しんでください。
時間に余裕がある方は、海岸線をドライブしながら行くのがおすすめです。東京から向かう場合は東伊豆ルートがアクセスしやすいです。
電車の場合
下田までは伊豆急行線が開通しています。 東海道新幹線熱海駅から伊東線・伊豆急行線に乗り換えて下田駅まで約90分 で行くことができます。東京からは約2時間30分かかります。
また東京駅からは 特急「踊り子号」や「サフィール踊り子号」 が出ており、乗り換えなしで行くことができます。こちらも所要時間は約2時間30分です。詳しくは時刻表をご確認ください。
下田公園あじさいまつり
下田のあじさい祭りは 毎年6月1日~6月30日の1か月間 、静岡県伊豆半島の最南端にある下田市で開催される、あじさいの花の祭典です。
会場は高台にある「下田公園」で、眼下には下田市街や下田港、その先には広大な太平洋を眺めることができる、風光明媚な場所にあります。
下田公園は元々、戦国時代の北条氏が水軍の根拠地であった場所です。昔は敵軍に備えていたこともあり、市街地や海を見渡せる場所にあります。
下田公園には見頃の時期になると、 15万株300万輪のあじさい が約8万坪の広大な園内の敷地を埋め尽くします。園内には 100種類以上 のあじさいがあり、梅雨の時期に鮮やかに咲き誇ります。
広大な敷地を散策すれば、あじさいの群生と太平洋広大な海を眺望しながら、静寂なひと時を過ごすことができます。
https://www.shimoda-city.info/ajisai
ペリーロード
下田市は「花のまち」の他にも「開国のまち」という側面もあります。
江戸時代末期に黒船でやってきたペリーの艦隊が、1854年に日米和親条約を締結し日本で最初の開港場となったのが下田です。
その後ペリーが日米下田条約締結の際に、下田の了仙寺まで 約300人の部下を引き連れて行進した とされる小径を 「ペリーロード」 といい、平滑川沿いに約700m続いています。
石畳の小径には、古民家風のカフェやアンティークショップ、伊豆ならではの「なまこ壁」、石造りの建物が並び、異国情緒あふれるレトロな空間となっています。
この小径沿いにはしだれ柳とあじさいが植えられていて、レトロな雰囲気にマッチした風情ある景観を生み出しています。
https://www.city.shimoda.shizuoka.jp/category/100100midokoro/110766.html
あわせて行きたい周辺スポット
道の駅開国下田みなと
伊豆急下田駅から徒歩10分の海沿いにある道の駅で、 下田観光の拠点 となる場所です。下田ならではの海の特産品や、海鮮料理のレストラン、施設内ミュージアムでは下田の歴史を貴重な映像や復元模型で紹介しています。
https://www.city.shimoda.shizuoka.jp/category/100100midokoro/110763.html
下田海中水族館
あじさいの名所下田公園から海側へ向かった場所にある水族館で、 和歌の浦という天然の入り江を利用 して海上に浮かんでいながら、水の生物たちと触れあえる人気の水族館です。
なかでも人気なのは、イルカやアシカのショーとイルカと一緒に泳いだり、遊んだりできる体験イベントです。
その他船内に設けられた600tの水槽では、伊豆近海の魚の生態を観察することができます。
下田ロープウェイ・寝姿山自然公園
寝姿山自然公園は、下田市街と太平洋を一望できる眺望の良い公園で、 伊豆三景の一つ ともいわれてます。
園内は整備された遊歩道で自然散策を楽しめ四季折々の花々を楽しむことができます。一番奥にある山頂には愛染明王が安置されている 「愛染堂(あいぜんどう)」 があり、 縁結び のご利益があるといわれています。
また、寝姿山自然公園までは「下田ロープウェイ」で向かうことができます。
伊豆急下田駅から徒歩1分のところにロープウェイ乗り場があり、 全長540m、高低差156mを約3分30秒 で一気に登ることができます。
ゴンドラは2019年にリニューアルされ、デザイナーの水戸岡鋭治氏がデザインした、伊豆の海を彷彿させる ロイヤルブルーのおしゃれな乗り物 に生まれ変わりましたので、ぜひ一度は乗ってみてください。
https://hellonavi.jp/detail/page/detail/2234
龍宮窟
伊豆急下田駅から車で15分ほど行った海岸の場所にある、直径50mほどの天然の洞窟です。
洞窟下から見上げると、ぽっかりと天井部分が穴が開いた天窓になっています。
注目すべきポイントは洞窟上の遊歩道から見下ろした洞窟の景色で、 洞窟がハート型の形 になっており恋愛のパワースポットとして多くの観光客が訪れています。
https://www.shimoda-city.info/ryugu
石廊崎
下田市の隣町である南伊豆町は伊豆半島最南端にあります。 石廊崎はその最南端に位置 する、リアス式海岸の断崖絶壁にある岬です。
岬に立つと右手に駿河湾、左手に相模灘の海の大パノラマを眺めることができ、晴れた日には伊豆大島や新島などの伊豆七島を望むことができます。
岬には 白亜の灯台「石廊崎灯台」 、伊豆七不思議の一つにも数えられている 「石室(いろう)神社」 、岬の突端には「お静と幸吉」の伝説が残り、縁結びの神様といわれる 「熊野神社」 など見所がたくさんあるパワースポットです。
https://www.surugawan.net/guide/14.html
あいあい岬
伊豆半島最南端の石廊崎からさらに奥に進んだ 奥石廊崎にある海の絶景スポット です。
展望台からは海岸線の力強い断崖絶壁と岩礁が連なる絶景を見ることができます。険しい断崖に打ち寄せる波や、点在する岩礁の島々の景色は、海の力強さを実感できることができます。
また 伊豆屈指の夕日のビュースポット でもあり、夕方になると駿河湾に沈む夕日と美しい海岸の風景を楽しむことができるのでおすすめです。
https://www.surugawan.net/guide/33.html
白浜海岸
下田市にある屈指の人気海水浴場です。700mもの広大な砂浜で、 伊豆半島で最大のビーチ です。
日本でも有数の透明度を誇る エメラルドグリーンの透き通った海と、白い砂浜 は、海岸散策にもおすすめで、まるで南国に来た気分になります。
6月は伊豆の絶景で癒されよう
東京からもアクセスが良いことから日本でも屈指の人気観光地である伊豆半島ですが、6月は梅雨の季節でもあり海水浴にはまだ少し早いです。
梅雨の時期に伊豆へ行くなら、季節にぴったり合う下田のあじさい鑑賞がおすすめです。見渡す限りのあじさいの景色に梅雨のじめじめした嫌な気分を吹き飛ばしてくれるでしょう。
6月は下田のあじさいの絶景で癒されに行ってみてはいかがでしょうか。
nonta
余暇プランナー
元旅行会社勤務で今は山の中の観光施設で働きながら旅ライターを行っています。元々旅行好きで大学も地理学専攻と根っからの地理マニアです。大自然の絶景と寺社仏閣などの歴史建築が大好きで、連休などあればすぐに車中泊で出かけてしまいます。その他登山やランニングなどとにかく家に引きこもっていることが苦手で、常に自然の中で過ごしていることが私の癒しになっています。