來宮神社(きのみやじんじゃ)は、熱海温泉の氏神様として信仰されている約1,300年前に創建された神社です。祭神は日本武尊(やまとたけるのみこと)、五十猛命(いたけるのみこと)、大己貴命(おおなもちのみこと・大国主命[おおくにぬしのみこと]ともいう)で、縁結びスポットとして人気があります。
境内奥にあるご神木の大楠は樹齢2,100年以上で、幹の周りを一周すると寿命が1年伸びるといわれているものすごいパワーの持ち主です。
縁結び、招福の神様が祀られている來宮神社の総本社
まずは本殿で招福・縁結び祈願
來宮神社 は、JR東海道本線来宮駅のすぐ近くにあり、鳥居をくぐって左側に手水舎(てみずしゃ/ちょうじゅしゃ)があります。手水舎の反対側に大きな楠(くす)の老木があります。この木は目指す樹齢2,100年の大木ではありませんが、それでも1,300年ほどの樹齢があるといわれています。
短い階段を2か所上ると正面に立派な本殿が鎮座しています。まずは神社のご祭神にご挨拶。 縁結び ということは 福を呼び寄せてくれる神様 なので、誰でもご利益を授かれます。 運が良ければ落ち葉で神職さんが描いたハートに出合えるかもしれません。
樹齢2100年超。大地に根を張る大楠
大楠 は本殿左側の通路を入ったところに根を張っています。樹齢2,100年以上といわれていて、その生命力にすごみを感じます。健康長寿のシンボルなのは間違いなく、 幹回りを一周すると1年寿命が伸びる という伝説にも納得です。幹回りは24mあり、国の天然記念物に指定されています。
出世したければ必祈願。芸の道も応援してくれる弁財天
本殿の右側には 弁財天 が鎮座しています。創建は江戸時代で、弁財天を奉納した武家は老中まで出世したと伝わっています。ご利益は 立身出世 と弁天様の神徳である 芸能上達 などです。
無病息災の願いを込めた来福スウィーツ
來宮神社には古くから“麦こがし”という食べ物がお供え物として奉納されています。麦こがしとは、大麦や裸麦を煎って粉にしたものです。7月15日に行われる例大祭では、天狗に扮した厄年の男性が、観客に向かって麦こがしをまき散らします。そのためこの祭りを“こがし祭”と呼んでいるのです。
麦こがし には 無病息災 のご利益があるといい、來宮神社や近隣の商店街では“来福スウィーツ”と銘打って、麦こがしを使った饅頭やおしるこ、ソフトクリーム、シフォンケーキなどさまざまスイーツが提供されています。最もオーソドックスでおすすめなのが“こがし饅頭”。麦こがしの中にあんこが入った饅頭で、1個100円。
來宮神社では招福・縁結び、健康長寿、出世・芸事上達それに無病息災と一度にたくさんのパワーをいただけます。さらにここは熱海温泉のまっただ中。参拝ついでに、地下から湧き出す温泉のパワーで心身ともに癒やされましょう。
來宮神社
- 住所:静岡県熱海市西山町43-1
- 電話番号:0557-82-2241
- 散策自由
- アクセス:[車] 東名高速道路厚木ICから小田原厚木道路、西湘バイパス、真鶴道路経由約55分/[公共交通機関] JR伊東線来宮駅下車すぐ、または東海道新幹線・JR東海道本線熱海駅から元箱根または西山方面行きバスで約15分、来宮神社前バス停下車
東日本最大の温泉リゾート熱海温泉
熱海温泉の温泉湧出量は1分間で1万1,000リットル
熱海温泉は、 源泉数300か所 以上、温泉の 総湧出量毎分1万1,000リットル 以上(熱海温泉・伊豆温泉・網代温泉など熱海市全体で源泉数525、湧出量1万9,825リットル/分・令和4年度熱海市統計)を誇る日本有数の温泉地です。
熱海温泉の宿泊施設はおよそ300軒で、宿泊客および観光客の総数は700万人ほどです(平成30年度熱海市統計)。泉質は塩化物泉、硫酸塩泉、単純温泉など、ほとんど無色透明、弱塩味、微苦味、無臭、アルカリ性の温泉で、カルシウムやナトリウムなど含有物の割合は各源泉(各施設)によって変わります。効能も各泉質によって多少の違いはありますが、基本的には 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進 などです。
江戸時代には湯を江戸まで運んでいた
熱海温泉は、およそ1,300年前に発見されていたといわれる温泉です。江戸時代には、徳川家康がふたりの息子を連れて湯治に来た(1604年)という記録が残っています。三代将軍徳川家光は、側室の品川御前(しながわごせん)ために『熱海御殿(あたみごてん)』を造りました。
4代将軍家綱以降、熱海の温泉は江戸城に運ばれるほど歴代の徳川将軍お気に入りの湯で、記録に残っている数だけでも4,000樽ほどにもなっています。江戸にあった銭湯『熱海庵』にも熱海温泉が運ばれていて、庶民に大変な人気だったそうです。
熱海温泉を象徴する熱海七湯
熱海温泉にはかつて7つの自噴する温泉がありました。「大湯間欠泉(おおゆかんけつせん)」「河原湯(かわらゆ)」「佐治郎の湯(目の湯)(さじろうのゆ・めのゆ)」「清左衛門の湯(せいざえもんのゆ)」「風呂の湯・水の湯(ふろのゆ・みずのゆ)」「小沢の湯(平左衛門の湯)(こさわのゆ・へいざえもんのゆ)」「野中の湯(のなかのゆ)」の7つで『熱海七湯(あたみななゆ)』と呼ばれています。
『熱海七湯』は現在どこも自噴しているところはありませんが、昔ながらに再現されています。
【大湯間欠泉(大湯間歇泉)】
時間をおいて定期的に噴出する温泉(間欠泉)で、その勢いは世界3大間欠泉といわれていたそうです。現在は一定の時間ごとに機械的に温泉が噴き出るようになっています。
[所在地] 熱海市上宿町3(ニューフジヤホテルアネックスと湯前神社の間)
【河原湯】
昔は河原だったところに湧いていた温泉で、村人たちの入浴場でした。
[所在地] 熱海市銀座町12(国道135号線上り沿い、熱海商工会議所近く)
【佐治郎の湯(目の湯)】
佐治郎宅の敷地内にあったといわれる源泉で、火傷や眼病に効くので「目の湯」と呼ばれていました。
[所在地] 静岡県熱海市銀座町10(銀座通り、スルガ銀行横)
【清左衛門の湯】
大昔に清左衛門という農民がこの熱い源泉の中に落ちて死んでしまったことから名付けられました。怖い話です。
[所在地] 熱海市東海岸町1(古屋旅館玄関前)
【風呂の湯・水の湯】
「風呂の湯」は、傷によく効くといわれていた温泉です。湯気が多かったので饅頭を蒸したり、酒を温めたりして販売していました。「水の湯」は明治時代に「風呂の湯」近くに湧いた温度の低い温泉です。
[所在地] 熱海市咲見町1(福島屋旅館前)
【小沢の湯(平左衛門の湯)】
民家の庭にあった温泉で、小沢(おさわ)と呼ばれる地にあったので「小沢の湯」と呼んでいました。現在の「小沢の湯」は高温の温泉が湧き出していて、卵を持参すればゆで卵を作れます。
[所在地] 熱海市銀座町14
【野中の湯】
現在は「熱海温泉」の中心街、銀座通り近くにある野中山(のなかやま)の麓にあった温泉で、泥の中に湧いていました。
[所在地] 熱海市咲見町7(中銀ライフケア咲見 入口付近)
古代の人々は、海岸近くに湧き出すこれらの温泉に浸かり、疲れを癒やし、病を直していました。7つの温泉にはそれぞれいわれがあり、大切にしていたことがうかがわれます(怖い伝説もありますが…)。
現在では温泉に入ろうと思えば、多くの温泉宿や日帰り温泉施設があり簡単に温泉のパワーを享受できます。温泉街を散策するついでに7つの温泉を巡って、古代に思いをはせてはいかがでしょうか。
熱海市観光協会
電話番号:0557-85-2222
norijun
余暇プランナー
雑誌などの取材や撮影で日本全国まわっていたら、いつのまにか47都道府県制覇してました。取材して歩く中で必ず行くのが神社。というのも祖父が仏式から神式に変えたため、行事はいつも神社か神主が来て祝詞を上げるという家柄、お寺には縁がなく、どうしても神社に親しみを感じてしまいます。参拝すればやはりお願い事は必須です。でも神様だって得手不得手はあるので、その神社の神様が一番叶えてくれそうなお願いをすることにしています。