エジプトと言えば、ギザの三大ピラミッドやスフィンクス、ツタンカーメンのマスクなどが有名ですが、見どころはそれだけではありません。
今回はエジプトのもっと地方に足を延ばし、ナイル川周辺の古代遺跡を巡りながら、優雅な時間を過ごせるクルーズの旅をご紹介します。
ナイル川5つ星クルーズ船
日本からのエジプト旅行のツアーに組み込まれているほか、現地からオプショナルツアーとして参加することもできるナイル川クルーズ。
以前に何度か乗船したことのある、人気の5つ星クルーズ船についてご紹介していきます。
乗船した船は毎回違うのですが、 どの船も設備など大差なく、客室は3回建て、最上階にデッキがあるのがスタンダードな形 で、エレベーターはなく内側に螺旋階段があり、それぞれの階に行き来できる造りになっています。
毎日のスケジュールはエントランス付近に掲示され、観光スケジュールや食事の時間、イベントの時間などを確認することができます。
ナイル川クルーズのルート
メインとなるのが、 ルクソールから南下してアスワンに行くルート と アスワンから北上してルクソールに行くルート の2つ。船上から雰囲気の異なる街並みを眺めながら移動できるため、とても人気のツアーです。
食事、宿泊付きで3泊4日程の日程で観光することができます。
この ルクソール⇔アスワン間には数々の古代遺跡が点在 しており、遺跡のすぐ近くまで船で移動できるため、船から降りてスムーズに遺跡観光に向かえるのが大きな利点です。
また、ルート途中のエスナでは、川の高低差があるためにエスナの水門を通るのですが、水量を調整しながら通りすぎていくその工程は必見です!
https://www.veltra.com/jp/africa/egypt/ctg/6570:6570/?sid=1554
移動が楽、毎日荷造りの必要もなし!
バスや車、列車移動での旅行ですと、ホテルが変わるたびに荷造りも繰り返さなければなりません。
その点、クルーズならば一度チェックインしてしまえば最終日まで荷造りの必要もなく、乗船中は 好きなことをしてゆっくりと過ごせるのが最大の魅力 です。
また、特に地方では道が整備されていないところも多く、狭い車内でガタガタと揺られながら土埃が舞う中での長時間移動もありますが、船ではそのような ストレスもなく スムーズに進んで行けます。
遺跡の観光では、強い日差しの中を長時間歩くことが多いので、連日の移動や観光でどっと疲れが溜まってしまいますが、観光後すぐに客室に戻って休めるのは 体力的にとても助かります 。
船内での過ごし方
クルーズ船からは 移り行く景色を堪能 することができるため、移動中は部屋でくつろぎながら窓からの眺めを楽しむことができます。
デッキに上がって外の風を感じながら沈みゆく夕日を眺めたり、プールで火照った体をクールダウンしたりすることもできます。ナイル川はとても静かな流れなので 波もなく船が揺れる心配もほぼありません 。
また、お祈りの時間には辺りのモスクからコーランが響き渡り、人々が祈りを捧げる様子を垣間見ることができたり、行きかう漁船や河川敷の人々の生活の様子も船上から眺めたりすることができるので情趣があります。
船内は有料ですがWi-Fiも利用可能です。
客室にはそれぞれシャワーやトイレも完備しており、 ホテル同等の設備 やアメニティ、部屋の清掃も毎日行われるのでとても清潔に過ごせます。
冷蔵庫もあるので、日本から飲み慣れたお茶などを持参すると良いかもしれません。海外で売られているペットボトルのお茶は砂糖が入った甘いものばかりなので、日本人には抵抗があることが多いです。
エジプト人は愛嬌や遊び心のある人が多く、写真のようなベッドメイキングになっていたこともあります…観光後に部屋に戻ってきた時の衝撃は未だに忘れられません。
レストラン、カフェ、ラウンジ
船内にはカフェ、ラウンジやレストランもあり、食事の時間はツアーで決められていますが、ビュッフェ形式が主で毎日多彩な料理を楽しむことができます。
また、レストランなどで前菜として、主に中近東で食べられるフムスやゴマの他、色々な野菜のペーストがパンとともに提供されることがあるのですが、これらのペーストは日本人の口にも合いやすく絶品です。
カフェやラウンジは別料金ですが、滞在中自由に利用することができます。
エジプトに来たらぜひ本場の ミントティー を飲んでみて下さい。ミントの葉をたくさんグラスに詰め込み、砂糖もたくさん入れて飲むのがエジプト流です。
ちなみに、エジプトはイスラム教ですが、観光客は船内でもアルコールの注文が可能です。飲水はミネラルウォーターをおすすめします。
乾燥する地域でもあり、 特に暑い季節は熱中症対策のためにもこまめに給水することが大切 です。
船内イベント
船会社主催でティーパーティー、ガラベーヤパーティーやベリーダンスショーを行ったイベントが行われます。
ティーパーティーは船上のデッキ でお茶がふるまわれ、ツアー客の交流の場ともなり、ナイルの風を感じながら穏やかな時間を過ごせます。
ガラベーヤとはエジプトの民族衣装 のことで、足首辺りまである長いゆったりとしたワンピースのような服で、観光中にあちこちで目にすると思います。
普段男性たちが来ているものはシンプルな色やデザインのものが多いですが、カラフルな色や艶やかな装飾が施されているものまで様々です。
各地のお土産屋さんや船内でも販売されていますので、お気に入りを見つけたらぜひ、ガラベーヤを着てパーティーに参加してみて下さい。
もちろんガラベーヤ着用は必須ではありませんが、エキゾチックな音楽やダンスとともに夜のひと時を楽しむことができます。
また、古代エジプトで発祥されたとする ベリーダンスショー なども滞在中に観賞する機会があります。
ルクソール⇔アスワン観光 必見の遺跡群
たくさんの遺跡が点在していますが、ここではいくつか見どころをピックアップしてどんな遺跡を見学できるのかをご紹介します。
ルクソール
かつて古代テーベと呼ばれエジプトの都とした栄えたルクソール。 「古代都市テーベとその墓地遺跡」として世界遺産に登録 されている遺跡で、見どころがとても多い街です。
ナイル川を挟んで東岸と西岸の2つのエリアに分かれており、古代エジプト時代では太陽が昇る東側は「生」を、西側は「死」を象徴すると考えられており、来世への旅のために西側に死者が埋葬されています。
東岸にはルクソール神殿、アモン神を祀った壮大なカルナック神殿、両神殿を結ぶスフィンクス参道などの見どころがあります。
一方、西岸では壮大なハトシェプスト女王葬祭殿や古代エジプトの新王国時代の王たちが祀られている王家の谷、ツタンカーメン王の墓などが有名です。
王家の谷はほぼ日影がないので、特に夏場は日よけ対策が必要です。
https://www.veltra.com/jp/africa/egypt/ctg/170846:%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%AB%E7%A5%9E%E6%AE%BF/?sid=1554
エドフ
ルクソールとアスワンの中間に位置し、馬車が行き交う光景も見られるエドフの町。古代に栄えたギリシャ都市で、かつて アポリノポリス という名前で広く知られていました。
ハヤブサ神ホルスに捧げられたホルス神殿は、エジプトに現存する中で最も高い37メートルの塔門があり、 古代エジプトとギリシアの建築様式が取り入れられている ので、他の神殿と比べて少し雰囲気が異なります。
とても保存状態の良い神殿で、かわいらしいハヤブサ神の像が迎えてくれます。
アスワン
砂漠のイメージが大きいエジプトですが、アスワンはエジプト南部のヌビア地方に位置し、ヤシの木なども見ることのできるため南国の雰囲気を感じられる町です。
ここでは ファルーカと呼ばれる帆掛け船に乗ってのクルーズが人気 です。
アガサ・クリスティが『ナイルに死す』を執筆したと言われているホテルがあるのもここアスワン。
巨大なアスワンハイダム、切りかけのオベリスク、ナイルの真珠とも呼ばれる世界遺産のイシス神殿などの見どころがあります。
https://www.veltra.com/jp/africa/egypt/ctg/8012:8012/?sid=1554
アブシンベル
古代エジプト史において有名なラムセス2世によって建造された、アブシンベル大神殿と妻ネフェルタリに捧げられた小神殿。 ナイル河岸の岩山をくり抜いて造られた、迫力のある巨大な4体の像 が印象的です。
アスワンハイダムの建設でナセル湖への水没の危機に陥ったものの、移設され救われたというエピソードのある神殿でもあります。
遠くから見ると気づきにくいのですが、移設の際にその巨大さゆえ、いくつかに分解されて運ばれたために、間近で見るとその時にできた切断跡が見えます。
https://www.veltra.com/jp/africa/egypt/ctg/3625:3625/?sid=1554
観光中の注意点
遺跡巡りの際には 場所によっては写真撮影が不可 なところもありますので、ガイドの案内などをよく聞いておく必要があります。
各遺跡には、大概見張りの人がいるのですが、「写真撮ってもいいよ」「案内するよ」などと、声をかけてきて後々チップちょうだいと言ってくるような人もまれにいるので、旅行中トラブルにならないようにご注意下さい。
遺跡巡りでは、広い神殿内などを 歩く時間が結構長い ので歩きやすい靴を選びましょう。また、 砂が舞う ことも多いので、砂埃をかぶっても差し支えない服での観光をおすすめします。
なお、極端に露出が多い服などは宗教上控えておくのがマナーです。また日差しが強いので、帽子やサングラス、スカーフなどを持っていくと重宝します。
露店のお土産物屋では値段のついていないものがほとんどで、 値段交渉 により決まります。このやりとりが醍醐味でもあるのですが、ふっかけられる事がほとんどなので、あらかじめこの金額なら買うと自分の中で予算を決めておき、毅然とした態度で交渉に挑むとスムーズに進むと思います。
エジプト旅行では エジプトポンド での支払いの他、アメリカドルも使えることが多いので、 細かいお札のドル札を準備 しておくと何かと便利です。露店などでなければクレジットカードを使えるところも多いです。
悠久のナイル川、古代エジプト文明に触れる旅
遺跡巡りでは数々のファラオが眠る王家の墓や巨大な神殿に圧倒され、古代エジプト時代に築かれた神殿の精巧さや緻密に描かれたレリーフなど、高度な文明に驚かされることでしょう。
悠久のナイル川でゆったりと流れに身を任せ、古代エジプトに思いを馳せるクルーズの旅はいかがでしょうか。
出典・参考
yuriname
余暇プランナー
元添乗員、元旅行会社勤務 国内・総合旅行業務取扱管理者 日本47都道府県&海外37か国の渡航経験があります。 バックパッカー、個人旅行、団体旅行、クルーズ旅行、短期語学留学、ホームステイ、ワーキングホリデー、インターンシップなど様々なかたちで海外旅行・海外滞在を経験してきました。 現在はギリシャ在住です。いろんな視点から旅行の楽しさをご紹介します!