日本でむかしから愛されている「おにぎり」。
梅、鮭、ツナマヨネーズなど定番の具材だけでなく、スパムやえびなどを使ってアレンジをきかせた具材まで、さまざまな種類が登場しています。
ひとくちにおにぎりといっても、具材によってカロリーにはばらつきがあります。ダイエット中の方にとっては気になるところですよね。
そこで今回は、さまざまな種類のおにぎりに含まれるカロリー・糖質の量と、ダイエット中に取り入れるポイントを管理栄養士が解説します。
おにぎりのカロリー(エネルギー)・糖質の量
おにぎりは、お店やご家庭によってサイズが大きく変わってきます。
ここでは、おにぎり1個に使われるごはんの量を100g(一般的なコンビニおにぎりと同じサイズ)と想定し、解説します。
まずは、具材やのりを使わないシンプルな塩おにぎり1個(100g)あたりのカロリーと糖質の量をみていきましょう。
塩おにぎり1個(100g)には、カロリーが170kcal、糖質が38.9g含まれています。
お茶碗1杯分のごはんを約150gとすると、塩おにぎり1個の重さはお茶碗3分の2杯分ほどに相当します。
※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
コンビニで買えるおにぎりのカロリー・糖質の量
セブンイレブンやローソンなど、コンビニでは多くの種類のおにぎりが売られています。
よく利用しているという方も多いでしょう。
ここでは、コンビニおにぎりの具材別のカロリーと糖質の量について紹介します。
定番具材のおにぎり
梅、鮭、ツナマヨネーズなど、定番の具材を使ったおにぎり1個あたりのカロリーを比較したのが以下の表です。
表中のカロリーと糖質量は、セブンイレブンとローソンの商品の平均値を使用しました。
それぞれ1個あたりのカロリーを比較してみると、梅おにぎりは168kcal、辛子明太子おにぎりは170kcal、昆布おにぎりは174kcal、鮭おにぎりは175kcal、おかかおにぎりは177kcalです。
この5種類のおにぎりには、カロリーにそこまで大きな差はありません。
しかし、ツナマヨネーズおにぎりは1個あたり243kcalと、もっとも低カロリーな梅おにぎりよりも75kcalほど高いカロリーを含みます。
ツナマヨネーズおにぎりには脂質の高いマヨネーズが使われているため、ほかのおにぎりよりもカロリーが高くなります。
一方で糖質は、おかかや昆布といった甘辛い味付けの具材だとやや多くなりますが、具材による大きな差はないといえるでしょう。
そのほかのおにぎり
最近では、ポークランチョンミート(スパム)とたまごを合わせた「ポークたまご」や、えびや明太子などの具材をマヨネーズであえたものなど、さまざまなおにぎりが売られています。
一部をピックアップし、1個あたりのカロリーと糖質の量を比べてみました。
鶏五目・ポークたまごのカロリーと糖質量は、セブンイレブンとローソンの商品の平均値を使用しました。
明太子マヨネーズとえびマヨネーズはセブンイレブン、いくらはローソンの商品のカロリーと糖質の量を使用しています。
具材にマヨネーズを使った明太子マヨネーズおにぎりは209kcal、えびマヨネーズおにぎりは260kcalと、200kcalを超えるカロリーを含んでいます。
また、近ごろ人気の高いポークたまごおにぎりは、1個あたり383kcalです。
ポークランチョンミートも脂質が多い食品であるため、ほかのおにぎりよりもグッとカロリーが高くなります。
また、ポークたまごおにぎりは糖質の量も多いことがわかります。
これは、おもにごはんとたまごやきの糖質の量が影響していると考えられるでしょう。
自宅で作るときは、ごはんの量やたまごやきに加える砂糖の量を控えると、糖質の量を抑えることができます。
もち麦を使ったおにぎり
コンビニでは、食物繊維が豊富な穀物「もち麦」を使ったおにぎりも販売されています。
もち麦には「β-グルカン」とよばれる水溶性食物繊維が含まれており、食後の血糖値の上昇をゆるやかにしたり、腸内環境を整えたりする効果が期待されています。
このβ-グルカンのはたらきから、もち麦は「健康によい」「ダイエットにおすすめ」といわれることも。
そんなもち麦が使われているおにぎりのカロリーはどのくらいなのでしょうか。
セブンイレブンとローソンで販売されているもち麦おにぎり1個あたりのカロリーを、以下の表にまとめました。
セブンイレブンの「梅こんぶおむすび」は159kcalと、今回比較したおにぎりの中でももっとも低カロリーです。
ローソンの「枝豆と塩昆布おにぎり」(173kcal)や「梅しそごはんおにぎり」(182kcal)も、定番具材のおにぎりのカロリーとそこまで大きな差はありません。
※参照:セブンイレブン「商品のご案内 おにぎり」,ローソン「おにぎり」
おにぎりのカロリーと糖質の量はほかの主食と比べるとどのくらい?
コンビニには、サンドイッチや惣菜パン、肉まんなど、主食(炭水化物が多い食品)の選択肢がおにぎり以外にもたくさんあります。
これらと比べてみると、おにぎりのカロリーや糖質の量はどのくらいになるのでしょうか。
梅おにぎり、ツナマヨネーズおにぎり、サンドイッチ、惣菜パン(ウインナーパン)、肉まん1個(1袋)あたりのカロリーと糖質の量を比較し、カロリーの低い順に並べ替えたものが以下の表です。
表中のカロリーと糖質量は、セブンイレブンとローソンの商品の平均値を使用しました。
おにぎりは、コンビニで手に入る主食の中でも1袋あたりのカロリーが比較的低いことがわかります。
また、サンドイッチもおにぎりと同じように、選ぶ具材によってカロリーや糖質量にばらつきがあります。
コンビニで主食を選ぶときの参考にしてみてくださいね。
※参照:セブンイレブン「商品のご案内 おにぎり」,ローソン「おにぎり」
「おにぎりは太る」ってホント?【カロリーだけじゃない?】
おにぎりは炭水化物を多く含むため「食べると太るのが心配……」という方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ダイエット中だからといって無理におにぎりを避ける必要はないでしょう。
たしかに、おにぎりのような炭水化物を多く含む食品は、食べすぎると体脂肪として蓄積し、体重が増える原因になるおそれがあります。
しかし、炭水化物には身体や脳のエネルギー源となったり、脂肪をスムーズに燃やすサポートをしたりする重要な役割もあります。
また、炭水化物を控えるとその分おかずの量が増えてしまい、栄養がかたよったり、かえって摂取カロリーが増えてしまったりすることも。
そのため、炭水化物は極端に制限するのではなく、適量摂るのが大切です。
普段の主食(ごはん・パン・麺類など)をおにぎりに置きかえるのであれば、太りすぎを気にしすぎる必要はないので、安心してくださいね。
おにぎりをダイエット中に食べたい!カロリーなど注意するポイントは?
ダイエット中の食事におにぎりを取り入れたいときは、どのような点に気をつければよいでしょうか。
ここでは、ダイエット中に意識してほしいポイントをいくつか紹介します。
1食2個までを目安に
厚生労働省と農林水産省が公表している「食事バランスガイド」を参考にすると、18歳~69歳の女性の場合、おにぎり(1個100g)の目安量は1食あたり1.3個~2.3個となります。
大まかにはなりますが、おにぎりを食べるときは「1食につき2個まで」を目安にするとよいでしょう。
量に物足りなさを感じる場合には、もち麦を使ったおにぎりを選ぶのもおすすめです。
もち麦入りおにぎりはプチプチとした食感で自然と噛む回数が増え、カロリーを抑えながら食事の満足感を得られやすくなります。
高カロリーな具材に要注意!
おにぎりは具材の選び方で、カロリーは大きく変わってきます。
先ほど紹介したように、脂質の多い食材が使われていると高カロリーになりがちに。
からあげや天ぷらなどの揚げ物が入ったおにぎりも、カロリーは比較的高くなります。
コンビニおにぎりを食べるときは、商品のカロリー表示を参考にしながら選んでみるとよいでしょう。
手作りするときも、できるだけ具材には脂質の少ないものを意識してみましょう。
高カロリーなおにぎりが食べたいときは、その後の食事で調整しよう
「ツナマヨネーズ」や「ポークたまご」など、高カロリーのおにぎりを食べたくなったときは、無理にガマンしなくてもかまいません。
ガマンのしすぎは、ダイエットが続かずにリバウンドするきっかけにもなってしまいます。
高カロリーなおにぎりを食べるときは、以下のことに気をつけるようにしましょう。
・毎日続かないようにする
・おにぎりをもう1個食べる場合は、できるだけ低カロリーなものを選ぶ
・次の食事の主食の量を少し減らす
・次の食事では脂質の少ない調理法・食材の料理を選ぶ
ダイエット中に高カロリーなものを食べたり、ついつい食べすぎたりしたときは、数日のうちにリセットできると安心です。
ほかの料理もプラスできると◎
おにぎりは「ごはん+具材+のり」が基本の組み合わせです。
炭水化物はしっかり摂りやすいですが、たんぱく質やビタミン、ミネラル、食物繊維など身体に必要な栄養素が不足しやすい側面もあります。
健康的にやせるには、「主食」だけでなく、肉や魚、卵、大豆製品などの「主菜」、野菜や海藻、きのこなどの「副菜」を、できるだけ毎回の食事でそろえることが大切です。
忙しい日はついついおにぎりだけで済ませがちですが、できるだけ主菜や副菜も組み合わせてみましょう。
コンビニで買えるものでいえば、主菜に卵焼きや豆腐、副菜にサラダやミネストローネ・野菜が多く入ったスープなどを添えるのはいかがでしょうか。
低カロリーな具材のおにぎりはダイエット中の強い味方!
今回の記事では、「さまざまな種類のおにぎりに含まれるカロリー・糖質の量と、ダイエット中に取り入れるポイント」について解説しました。
いろいろな具材でアレンジが楽しめるおにぎりは、選ぶものによってカロリーにばらつきがあります。
脂質の多い調味料や食材を使うとカロリーが高くなりやすいため、ダイエット中には量や頻度に気をつけましょう。
市販のおにぎりであれば、パッケージの栄養成分表示も参考にしながら選んでみてくださいね。