パクチーはコリアンダーやシャンツァイ(香菜)ともいい、独特な香りが特徴で、その香りにやみつきになる方も多い野菜です。
パクチーには優れた栄養がさまざまあり、ぜひ知ってほしい効能がたくさんあります。
また栄養を効率的に摂る食べ方も知っておきましょう。
今回の記事では「パクチーの栄養」について、管理栄養士が解説します。
パクチーの優れた栄養と期待される効能
パクチーは野菜の中でも栄養豊富であり、ビタミンCやβ-カロテン、食物繊維など、美容や健康づくりに役立つ栄養素がたっぷり含まれています。
具体的に、100gあたりと1株あたりのパクチーの栄養成分値を確認してみましょう。
栄養豊富なイメージのあるほうれん草と比べると、カルシウムは1.7倍、ビタミンCは1.1倍、食物繊維は1.5倍の量となっています。
それぞれの栄養成分ついて、具体的に詳しく解説していきます。
美肌づくりをサポート「ビタミンC」
ビタミンCはコラーゲンがつくられる際に必要であり、健やかな肌をつくってくれます。
また紫外線によるメラニン色素の生成を抑える働きもあり、シミの対策としても取り入れたい栄養素です。
さらに、抗酸化作用によるアンチエイジング効果も期待されているなど、ビタミンCは美肌づくりには欠かせません。
抗酸化作用のある「β-カロテン」
パクチーは、ほうれん草や小松菜などと同じ緑黄色野菜に分類され、色素成分であるβ-カロテンが豊富です。
β-カロテンには抗酸化作用があり、動脈硬化やがん、免疫機能の低下などの原因となる活性酸素を取り除いたり、働きを抑えたりしてくれます。
腸内環境を整える「食物繊維」
パクチーは野菜の中でも食物繊維が豊富であり、腸内環境を整えたいときにぴったりです。
食物繊維には、便のかさを増やす役割や、腸内の善玉菌を増やす役割があります。
むくみや高血圧対策に「カリウム」
カリウムはむくみや高血圧の対策に欠かせません。
カリウムは、むくみや高血圧の原因となるナトリウムを排出してくれる働きがあります。
鉄欠乏性貧血の予防に「鉄」
鉄は鉄欠乏性貧血の予防に必要です。
血液中のヘモグロビンは全身に酸素を運搬する働きがありますが、材料となる鉄が不足することで貧血となり、頭痛や疲労感、倦怠感、めまいなどの症状を起こすことがあります。
強い骨をつくる「カルシウム」
カルシウムは強い骨をつくる材料となります。
子どもの成長のためにはもちろん、大人は骨粗しょう症予防として取り入れたい栄養素です。
※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」,厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
パクチーの栄養を効率的に摂る食べ方
栄養豊富なパクチーは、効率的な食べ方を知ることで、栄養素をムダなく摂ることができますよ。
生で食べる
パクチーに含まれるビタミンやミネラルは水溶性のものが多いため、ぜひ生で食べましょう。
料理のトッピングやサラダにすると、効率的に栄養が摂れるでしょう。
油と組み合わせる
パクチーに含まれるβ-カロテンは、油と一緒にとることで吸収率が高まります。
β-カロテンをムダなく摂るなら、肉や魚などの脂質を含む食べ物と組み合わせたり、油の入ったドレッシングを使ったりしてみましょう。
茎は加熱調理がおすすめ
パクチーは茎の部分も栄養豊富であるため、ぜひ捨てずに食べましょう。
小さく刻めば生でも食べられますが、加熱調理すると食べやすくなります。
炒め物やスープの具材として、取り入れてみるのはいかがでしょうか。
栄養たっぷりのパクチーを食べる際の注意点
栄養たっぷりのパクチーですが、取り入れる際は食べすぎに気をつけましょう。
食物繊維が豊富であるため、食べ過ぎてしまうと腹痛や下痢などのお腹の調子を壊してしまうことがあります。
適量は1日10~50gの範囲で
パクチーの適量をお伝えするのは難しいのですが、1日10〜50g(1〜4株程度)の範囲であれば、食べすぎの心配が少ないのではないでしょうか。
料理のトッピングであれば10g程度、パクチーのサラダであれば50g程度使うのが通常です。
パクチーなどの色の濃い野菜は、1日120gほど食べるのを目標とされているため、パクチー以外のブロッコリーやほうれん草などの野菜を取り入れることも大切です。
好きだからといってパクチーばかりでは栄養が偏ってしまうため、さまざまな食べ物を取り入れるようにしましょう。
パクチーは美容や健康にうれしい栄養がたっぷり!
今回の記事では「パクチーの栄養」について、管理栄養士が解説しました。
独特の香りのパクチーは、さまざまな栄養素が豊富です。
ぜひパクチーの香りを楽しみながら、健康づくりや美容に役立ててくださいね。