しじみの味噌汁は、しじみから溶け出たうまみと栄養をたっぷり摂れ、健康づくりにも役立つメニューです。
初めてしじみの味噌汁を作る場合でも、ポイントを知れば失敗なく、簡単に作れますよ。
今回の記事では「しじみの味噌汁の作り方」や「しじみの栄養」について、管理栄養士が解説します。
しじみの栄養や効能とは?【味噌汁でも摂れる?】
しじみには、肝臓によいといわれるオルニチンやタウリン、また鉄やカルシウムなどのさまざまな栄養素が豊富です。
煮汁ごと食べられるしじみの味噌汁は、これらの水溶性の栄養素をムダなくたっぷり摂れる栄養満点のメニューです。
まずはしじみの栄養や期待される効能を見てみましょう。
肝機能をサポート
しじみが肝臓によいといわれるのは、オルニチンとタウリンという成分を含むことが理由です。
オルニチンは、肝臓で毒素を分解する際に必要であり、肝機能改善の効果が期待されています。
また、タウリンという成分は、肝臓の働きをスムーズにすることも知られています。
貧血の対策に
しじみは、貧血の予防に大切な鉄、亜鉛、ビタミンB12を豊富に含みます。
特に鉄の含有量はあさりの2.2倍であり、効率的に栄養補給ができます。
骨を強くする
しじみには骨の健康づくりに必要なカルシウムが含まれます。
これもあさりの3.6倍の含有量であり、不足しがちなカルシウムの補給に役立ちます。
※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」,厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
しじみの味噌汁を作る際のポイント
栄養豊富なしじみの味噌汁ですが、おいしく失敗なく作るために、以下のポイントを知っておきましょう。
砂抜きはしっかりと行う
しじみは「砂抜き済み」と書いてあるものは不要ですが、何も書かれていなければ砂抜きが必要です。
砂を噛んでいると口当たりが悪くなるため、のちほど紹介するやり方を参考に、必ず行いましょう。
火にかけるときは水から
しじみを火にかけるときは「水から」が基本です。
水から火にかけることで、しじみのうまみがじっくりと溶け出し、絶品の味噌汁を作れます。
だしは昆布を使うのがおすすめ
しじみの味噌汁のだしは、昆布を使うのがおすすめです。
しじみのうまみであるコハク酸と、昆布のうまみであるグルタミン酸が相乗効果となり、味わい深い味噌汁にしてくれます。
昆布がなければ、市販の顆粒だし、またはだしを使わずにしじみから出るだしだけでもOKです。
具はシンプルが基本
しじみの味噌汁の具は、しじみのうまみを楽しむために、シンプルなものがおすすめです。
薬味として、小ねぎや三つ葉などを入れるのもよいでしょう。
シンプルがよいとはいえ、ほかの具材を入れてはいけないわけではありません。
白菜、えのきたけ、しいたけ、わかめ、豆腐など、クセのない具材をあわせるとよいでしょう。
白味噌か赤だし味噌かはお好みで
しじみの味噌汁に使う味噌は、白味噌、赤だし味噌、どちらでもお好みで問題ありません。
もし、どちらがよいか悩んだときは、以下の特徴を参考にしてみてください。
・白味噌…やさしい風味であるため、しじみのうまみをより感じられる。
・赤だし味噌…深いコクがあり、うまみのある具材と相性がよいため、しじみともよく合う。
赤だし味噌で作る場合は、しじみにも塩分がありしょっぱくなりやすいため、味見をしながら少しずつ入れてくださいね。
しじみの味噌汁の作り方
今回は、シンプルだからこそおいしい、しじみの味噌汁の作り方を紹介します。
しじみの砂抜きさえしてしまえば、あとは簡単!10分ほどで完成しますよ。
食事の一品としてはもちろん、お酒のシメやお酒を飲んだ日の翌日に取り入れるなど、さまざまなシーンで楽しんでくださいね。
<材料(2人分)>
しじみ…1パック(100~150g)
水…300ml
昆布…1枚(5cm)
味噌…大さじ1~1と1/2
小ねぎや三つ葉(お好みで)…適量
<作り方>
下準備)しじみの砂抜きをする。ボウルに水600ml、塩2g(小さじ1/3)を入れ(分量外)、しじみを入れたザルをつける。アルミホイルなどでフタをして、夏は3〜4時間、冬は4〜5時間おく。
1.鍋に分量の水300ml、昆布を入れ、よく洗ったしじみを入れる。弱めの中火にかけ、沸騰する直前に昆布を取り出す。
2.アクを取り、しじみがすべて開いたら、味噌を溶かし入れて火を止める。お好みで小ねぎや三つ葉を散らす。
しじみの味噌汁に関する疑問
しじみの味噌汁に関する「どうしたら?」という疑問について、丁寧にお答えします。
冷凍や真空パックのしじみでも作れる?
冷凍や真空パックでも、しじみのうまみが逃げないように加工されているため、十分おいしい味噌汁ができあがりますよ。
作り方は先ほど紹介したとおりでOKです。
砂抜きされているため砂抜きの工程を省略し、水洗いして、水から火にかけてください。
冷凍のものは、解凍するとしじみの旨みが流れ出てしまうため、凍ったまま調理するようにしましょう。
しじみの身は食べる?
しじみの身は小さいため、食べない方もいるかもしれません。
また「栄養がすべて流れ出て、身には残っていないのでは?」と思う方もいるのではないでしょうか。
しかし、食べないのはもったいない!
しじみの身の部分にもタンパク質、カルシウム、鉄などの栄養素が残っています。
またプリっとした食感もおいしいものですよ。
食べ物をムダにしない意味でも、ぜひ身までしじみを楽しんでくださいね。
しじみの味噌汁でおいしく健康づくりをしよう
今回の記事では「しじみの味噌汁の作り方」や「しじみの栄養」について、管理栄養士が解説しました。
しじみの味噌汁は、栄養をたっぷり摂れるメニューです。
おいしい作り方をマスターし、ぜひたくさん楽しんでくださいね。