仕事や勉強など疲れた時に欠かせないエナジードリンクですが、どんな成分がどんな効果に関係しているかは知らない人も多いことでしょう。
何気なく飲んでいるエナジードリンク、期待できる効果と含まれている成分についてもしっかり理解しておきたいですよね。
また、飲みすぎるとどうなるか、どのくらいであれば適量なのか正しく知っていますか?
今回の記事では、「エナジードリンクに期待できる効果と含まれている成分の関係」「適量の目安」について、現役薬剤師が解説します。
エナジードリンクの効果と含まれる成分の関係
エナジードリンクは様々な種類がありますが、どのような効果があるのかよく分からないことが多いですよね。
エナジードリンクに含まれている主な成分から、どのようなことが期待できるのか確認してみましょう。
エナジードリンクに含まれている主な成分
エナジードリンクの種類にもよりますが、砂糖類、L-カルニチン、クエン酸、L-アルギニン、カフェイン、ナイアシン、着色料(アントシアニン)、イノシトール、ビタミンB6、ビタミンB2、ビタミンB12、高麗人参根エキス、ガラナ種子エキスなどが含まれています。
それぞれの成分はどんな効果に関係してる?
エナジードリンクに含まれている主な成分には、それぞれ次のような効果が期待されています。
上記の表でも分かるように、エナジードリンクで実感する覚醒作用のほとんどは「カフェイン」の影響といえるでしょう。
カフェインはほかの飲み物などにも含まれていますが、エナジードリンクの含有量はほかと比べてどのくらいなのでしょうか。
コーヒーやお茶などに含まれるカフェイン量との比較
100mlあたりどれくらいのカフェインが入っているのかまとめました。
エナジードリンクは種類によって含まれているカフェイン量が違うので、確認してから摂る必要があります。
カフェインの一日摂取許容量(ADI)は設定されていませんが、不眠、胃腸障害、血圧上昇、頭痛の原因になることがあるので注意しましょう。
また、目安にしたいカフェイン摂取量は、一度に摂取するなら50~100mg、1日合計でも200mg程度に収めるようにしましょう。
※参考
食品安全委員会 https://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/factsheets_caffeine.pdf
厚生労働省HP https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.htm
飲み過ぎると効果はどうなる?エナジードリンク適正量の目安とは
エナジードリンクには、カフェインや各種成分だけでなく「糖質」も多く含まれています。
糖質は日頃から摂り過ぎてしまうと、肥満だけでなく糖尿病などの生活習慣病につながる可能性があります。
また、体の代謝が落ちるだけでなく、肌荒れ、冷え、アレルギー疾患にもなりやすくなります。摂取し過ぎには注意しましょう。
エナジードリンクの適正量
エナジードリンクは、種類によって含まれている成分量が異なります。
カフェインなどの成分が多いものは1日1本まで、その他は1日1〜2本までを目安にしましょう。
エナジードリンクを飲みすぎると起こりうる危険性は
エナジードリンクを飲み過ぎると、急性カフェイン中毒になる可能性があります。
前述の通り、エナジードリンクにはカフェインが多く含まれています。
カフェインは耐性ができる成分なので、摂れば摂る程効果を感じにくくなるのです。
日本では2015年に、エナジードリンクを毎日飲んでカフェイン中毒になり、20代男性が死亡する事故がありました。
海外でもそのような報告が多数あります。
もし、毎日エナジードリンクを多く飲む習慣のある方は、カフェイン中毒にならないように少しずつ減らすように心がけましょう。
また、海外のエナジードリンクは日本の物よりカフェインが多く含まれている場合があるので、海外製品を摂る場合は注意が必要です。
エナジードリンクの効果的な飲み方【含まれる成分を活かすには】
エナジードリンクは、疲労を感じた時やもうひと頑張りが必要な時に適度に飲むことが大切です。
通常の飲料のように、日常的に飲むことはお勧めできません。
また、エナジードリンクに含まれている成分は主に肝臓で代謝されます。
適度に飲む分には大丈夫なのですが、毎日、また多量に飲むと肝臓に負担をかけることがあります。
肝機能が普段からあまり良くない方は、エナジードリンクを飲む際気をつけるようにしましょう。
エナジードリンクの成分や効果は様々!適量を守って飲むようにしよう
今回の記事では、「エナジードリンクに期待できる効果と含まれている成分の関係」「適量の目安」について、現役薬剤師が解説しました。
エナジードリンクには健康に良い面と悪い面があることがわかりましたね。
適量を守り、健康的に飲めるように気を付けていきましょう。