物価の値上がりや円安など、生活に厳しい影響を及ぼすトピックスが話題を集めています。そんな折に「資産運用」についても耳にする機会が増えてきていませんか?
資産運用は富裕層や投資家だけのものではなく、私たち一般人にとっても身近なものです。また、スタートするのには遅いも早いもなく、気になった今日から行動することが重要です。
今回の記事では、3級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP)が「初心者OK!気軽に始められるおすすめの資産運用3選!」を解説します。
しっかりお金について考えて、不安な気持ちをなくしていきましょう!
資産運用とは?初心者にもおすすめできる運用方法はあるの?
「資産運用」とは、自分が持っているお金(資産)を預貯金や投資に配分(運用)することで、お金を効率的に増やしていくことです。
なんとなく難しいと思われがちですが、投資などの資産運用は初心者でも簡単にできます。
預貯金で利息をもらうようなイメージでお金を増やせるものもあり、利率は預貯金より投資の方がはるかに高い場合が多いでしょう。
また、少額からコツコツ継続することもできるので、初心者の方でもリスク少なく始めることが可能です。
どんな資産運用があるの?
それでは、資産運用には、どんな種類があるのでしょうか。
・預貯金
・株式投資
・投資信託
・保険
・債券
・金投資
・FX
・暗号資産(仮想通貨)
・不動産
ざっと種類を見ても、上記の通り数多くの種類があります。
これだけあると、どこから手を付けていいのか迷ってしまいますよね。当記事では、初心者でも始めやすい資産運用について解説していきます。
初心者におすすめの資産運用の種類3選
初心者におすすめの資産運用は、次の3種類です。
・円預金
・株式投資
・投資信託(積立インデックス)
この3つは、数ある資産運用の中でも、初心者の方が簡単かつローリスクで始められる資産運用です。
資産運用にはリスクがつきものですが、運用の種類によって、ローリスクローリターンのものがあります。初心者の方はハイリスクハイリターンを狙わずに、着実に運用できるものを選びましょう。
上記3種類について、解説していきます。
円預金のメリット・デメリット
広い意味では、銀行にお金を預ける「円預金」も資産運用の1つです。
【円預金のメリット】
円預金のメリットは、よほどのことがない限りはお金が目減りしないことでしょう。
しかし、超低金利が続いている現在、メガバンクの定期預金の金利は0.002%しかなく、1,000万円を1年間貯金しても、わずか200円ほどの利息しか受け取れません。
投資に回したお金(預金額)が減らないことはメリットですが、現状の金利では「資産運用」と呼べるほどお金を増やすことができません。
【円預金のデメリット】
円預金のデメリットは、円の価値が下がると実質的に資産も減っていると同意になることです。
円の価値が下がり円安になると、インフレから物の値段が上がります。すると、相対的に資産価値も目減りしていくといえます。例えば、100円で買えたジュースが110円に値上がりした場合、同じ買い物をするのに10円分多くの円が必要になります。
現在、世界情勢から世界中でインフレが加速し、特に日本では急激な円安が進行しています。
そのため、資産運用を銀行への円預金だけでまかなうことは、資産が減っていく可能性の方が高いといえるでしょう。「円預金一本やり」だけでは、危険な時代に突入しているのです。
株式投資のメリット・デメリット
一般的に資産運用というと、この株式投資をイメージする方が多いのではないでしょうか。
【株式投資のメリット】
株式投資のメリットは、大きく3つあります。
・値上がり益(キャピタルゲイン)=株式の取得価格よりも高い価格で株式を売った譲渡益
・配当益(インカムゲイン)=企業が株主に対して年に1・2回、利益の還元として配る配当金
・株主優待=自社の商品やサービスの割引を提供する日本独特の利益発生制度
簡単に言うと、「買ったときより株価が高い状態で売れば利ザヤが儲かる」「株主として配当金が受け取れる」「株主として持ち株企業のサービスや商品を安価で購入できる」ということになります。
【株式投資のデメリット】
デメリットとしては、株価の値動きは上下が激しく、読むことは非常に困難です。買ったときより株価が下がれば、損失が発生します。
また、投資した企業が破綻した場合は、価値がゼロになる可能性もあります。さらに、銘柄選定や売買のタイミングの見極めなどの難しさがあります。
投資信託(積立インデックス)のメリット・デメリット
投資信託とは、投資家から集めた資金を機関の専門家が一括運用し、運用利益を分配する仕組みの投資商品です。
【投資信託のメリット】
投資信託のメリットは、運用を投資のプロに丸投げでお任せできる点です。
月次や週次など、決まった期間ごとに決まった金額を積み立てていくだけで、運用に頭を悩ませる必要はありません。
極論を言えば、毎月の入金額さえ決めてしまえば、あとは何も考えなくても自動的に資産運用がされていきます。
毎月少額からコツコツと積み立てることができるので、豊富な資金がなくても取り組めることもポイントになります。
【投資信託のデメリット】
デメリットは、一攫千金で大きなリターンを得ることは難しいことです。
さらに、もちろん元本割れのリスクもあります。
しかしながら、投資信託は短期的に利益を上げる性質のものでなく、長期間運用することで総合的なリターンを獲得していく商品です。
日経平均や米国株式など、市場と連動して値動きする商品が多いことから、一時的な浮き沈みはあるものの、長期的に見れば緩やかに右肩上がりになっている場合がほとんどです。
ちなみに、インデックスファンドも投資信託の一つになります。
初めての資産運用でおすすめなのは、積立インデックス!
資産運用の初心者に始めやすくおすすめなのが、インデックス投資の積み立てです。
インデックス投資とは、投資信託の中でも市場の値動きを示す指数(=インデックス)の値動きに連動を目指す投資方法です。
毎月定額で積み立てていくことで、値が高いときは量を少なく、値が低いときは量を多く買い付ける効果(ドルコスト平均法)があり、その市場を構成する複数の銘柄に分散投資ができます。
代表的なものでは、日本株式では「日経平均株価(日経225、日経平均)・東証株価指数(TOPIX)」、米国株式では「NYダウ(ダウ平均株価)・S&P500指数・ナスダック総合指数」などです。
ニュースで聞いたことのあるワードではないでしょうか?
積立インデックスがおすすめの理由
インデックス投資は、時間をかけて値動きを味方につけ、長期運用(長期保有)することで、安定的なリターンの実現を可能にします。
さらに、インデックス投資の商品を買うだけで、1社だけでなく市場全体に分散投資ができることも魅力の1つです。
100円単位で少額から始められる商品も多いことから、無理のない範囲でコツコツと預金感覚で気軽に始めることができることが大きなポイントです。
そのうえ、円預金よりもはるかに大きなリターンに期待できます。
積立インデックスにはどんな商品があるの?
積立インデックスの商品には、株式型の中でも国内・全世界・先進国・新興国などがあり、また、バランス型やアクティブ型と呼ばれるものがあります。
たくさんあって、何を選べばよいのか迷ってしまいますね。
【結論3選】全世界・米国株式・S&P500関連商品がおすすめ
たくさんあるインデックスファンドの中から、何を選べばよいのか悩んでしまう場合は、下記に連動した商品がおすすめです。
・全世界株式
・米国株式
・S&P500
全世界株式は、文字通り世界中の株式に投資する商品です。
全世界株式のファンドをひとつ購入するだけで、世界中の企業に投資できます。世界中にリスクが分散されているため、リスク回避ができるのです。
米国株式は、米国の証券取引所に上場している株式のことです。
米国株式市場は、好パフォーマンスの実績があります。もちろん、短期間で見れば下がっている時もありましたが、 長期で見れば右肩上がりの好成績が窺えます。
米国の代表的な株価指数であるS&P500は、GAFA(米国のIT関連企業大手4社の頭文字)を中心とした代表的な500銘柄を時価総額で果汁平均し指数化したものです。
そのため、S&P500に連動するファンドに投資すれば、アメリカの主要企業500社へ投資していることと同じ効果が期待できるのです。
資産運用で失敗しないためのおすすめポイント
「資産運用」や「株式投資」と言葉が持つイメージだけで意気込むと、短期間で大きく増やしたい!とついつい思いがち。
もちろん、ハイリスクハイリターンの運用方法もありますが、初心者が手を出すと失敗して大切な資産を失ってしまう可能性が高いでしょう。
資産運用で失敗しないポイントは、家計の負担にならない小額をコツコツと積立ながら円預金の利息よりも大きなリターンを得ていくことです。
長期的な資産運用になりますが、過去においても右肩上がりの成績である場合が多く、おすすめです。
資産運用をお得に始める方法で賢くお金を増やそう
資産運用を始めるなら、よりお得に賢くお金を増やしたいですよね。
実は、国が「NISA」や「iDeCo」などの制度を整え、非課税枠などを設けています。
国の制度を活用し、税金の軽減などで出ていくお金を減らせば、よりお金がたまります。
iDeCo
iDeCoとは、任意加入の「個人型確定拠出年金」のことで、確定拠出年金法に基づいて実施されている私的年金の制度です。
iDeCoでは、「掛金の全額所得控除」「運用益が非課税で再投資」「年金資金受取時の所得控除」の3つの節税ができます。
iDeCoの運用商品にも投資信託があるので、チェックしてみて下さい。
積立NISA
NISAとは、「少額投資非課税制度」のことで、税制が優遇され、節税できる仕組みです。
簡単にいうと、少額の投資が非課税になる制度で、投資で得た利益に税金がかかりません。
今のところNISAは2種類あり、投資の目的などに合わせて、「一般NISA」か「つみたてNISA」を選ぶことができます。
中でも、「つみたてNISA」は購入した一定の株式投資信託やETFの分配金および売買益などが非課税になり、年間40万円まで購入が可能で、20年間投資ができます。
最大800万円(年間40万円×20年間)の非課税投資が可能になるので、コツコツと長期的に積立てるにはぴったりの制度ですね。
今からでも間に合います!おすすめの資産運用から始めてみましょう
今回の記事では、3級FPが「初心者向けの資産運用のおすすめ」について解説しました。
社会情勢が気になる昨今。誰もが少しでもお金を増やし、経済的に余裕を持ちたいと思っています。
「我が家はお金に余裕がないから…」、「投資は怖いから…」と臆病にならず、小額からコツコツと資産運用を始めてみませんか?
まずは、失敗が少なく初心者でも簡単に始められる「ほったらかし」でOKな「インデックス積立投資」から始めましょう。全世界株式、米国株式、S&P500などに連動した商品を選べばOKです。
詳しい知識がなくても運用できるので安心ですね。この記事を読んだあなたが、明日から不安の解消に向けて行動できることを願っております。