1年を通してリーズナブルな価格で手に入るエリンギは、毎日の食卓で活躍してくれる食材です。きのこ類のなかでも比較的たんぱくな味わいですが、どのような栄養があるのでしょうか？今回はエリンギの栄養や期待できる効果、他のきのこと比較した際の栄養価の違いなどについて、管理栄養士が解説します。
エリンギに含まれる栄養素と期待できる効果
エリンギには食物繊維が豊富なだけでなく、ビタミンDなどのさまざまな栄養素が含まれます。100gあたりの含有量は以下の通りです。
出典：文部科学省「日本食品標準成分表2020年版（八訂）」
これらの栄養素に期待できる効果を詳しく解説します。
食物繊維
食物繊維には整腸作用があり、腸内環境を整えるのに欠かせません。ほかにも脂質や糖、ナトリウムなどを吸着して体外へ出す働きもあり、生活習慣病対策にも役立ちます。
エリンギをはじめとしたきのこ類は、野菜に比べると食物繊維の量が多い傾向にあります。毎日の食事に、野菜とあわせてきのこ類も積極的に取り入れたいものです。
カリウム
カリウムはナトリウムを体外に排出する働きがあり、体内の水分バランスを保つ働きがあります。塩分の摂りすぎの調整に役立ち、高血圧の予防やむくみの対策として摂りたい栄養素です。
カリウムは水に溶け出る性質があるため、煮汁ごと食べられるスープなどにして食べることでムダなく摂ることができます。
ビタミンD
ビタミンDはカルシウムの吸収を促進する働きがあります。骨の健康づくりには、カルシウムだけでなくビタミンDも十分な量を摂ることが大切です。
ビタミンDは脂溶性ビタミンといい、油と一緒に摂ることで吸収率が高まります。ビタミンDをムダなく摂るなら、油やバターで炒めるなどの工夫をしましょう。
※参照：文部科学省ホームページ「日本食品標準成分表2020年版（八訂）」，厚生労働省「日本人の食事摂取基準（2020年版）」
エリンギはきのこの中でもバランスよく栄養素が含まれている
エリンギはきのこの中でも「ずば抜けて栄養豊富」とはいいにくいですが、きのこから摂りたい栄養素をまんべんなく摂るのに役立ちます。
以下の他のきのこの中では、ビタミンDは舞茸に次いで多く、カリウムもぶなしめじに次いで2番目に多い含有量です。
きのこ類における100gあたりの栄養素の量は以下の通りです。
出典：文部科学省「日本食品標準成分表2020年版（八訂）」
他のきのこと同様、たっぷり食べてもカロリーを抑えやすいので、ダイエットにも取り入れやすいでしょう。
エリンギの栄養がムダなく摂れるおすすめレシピ
エリンギの栄養素をムダなく摂れる、おいしくて簡単なレシピを紹介します。
チキンときのこのグラタン
カリウムは水に溶け出てしまうので、栄養をムダなく摂るなら煮汁ごと食べられるメニューがおすすめ。グラタンにすれば溶け出た栄養素もしっかり摂ることができます。
チキンときのこのグラタン
鶏もも肉、エリンギ、マカロニ、ホワイトソース缶詰、パルメザンチーズ、ドライパセリ(あれば)、塩、こしょう、バター
調理時間:20分
きのことシーフードのソテー
脂溶性であるビタミンDは、バターと調理することで吸収率が高まります。肉類に比べると低カロリーなシーフードミックスを使っており、カロリーも控えめなのがうれしいメニューです。
きのことシーフードのソテー
エリンギ、シーフードミックス、バター、塩・こしょう、○洋風スープの素(顆粒)、○酒、○にんにくチューブ
調理時間:15分
きのことベーコンの和風パスタ
食物繊維が不足しがちになる炭水化物メニューに、エリンギの食物繊維をプラス。こちらもバターを使っているので、ビタミンDの吸収を高めてくれます。
きのことベーコンの和風パスタ
ブロックベーコン、エリンギ、青じそ（あれば）、スパゲティ、○めんつゆ（3倍濃縮）、○バター、塩・こしょう
調理時間:20分
エリンギをさまざまなメニューでたくさん楽しもう！
エリンギには食物繊維やビタミンDなど、きのこから摂りたいさまざまな栄養素が含まれています。クセのない味わいでどんな料理にも使いやすいので、毎日の食事にぜひ取り入れてくださいね。
