ポケットのティッシュに気づかず洗濯機を回してしまった……誰もが一度は経験したことがあるであろうこのトラブル、どう対処するのが正解なのでしょうか?この記事では洗濯マニアのライターが、衣類についたティッシュの効率的な落とし方をはじめ、洗濯槽のお掃除方法を解説します。
洗濯機で回してしまったティッシュ、どうしてこんなに取りにくいの?
誰もが経験したことがあるであろう、うっかりティッシュを衣類と一緒に洗ってしまうトラブル。洗濯機で回してしまったティッシュは、どうしてこんなにもとれにくいのか……と途方に暮れてしまう人も少なくないでしょう。
とりにくくなる理由には、次の2つが挙げられます。
・ティッシュが衣類に絡まりやすい性質である
・摩擦によって静電気が発生する
ティッシュの原料は木材(パルプ)です。トイレットペーパーのように水に溶けるタイプのものは繊維の短い広葉樹が使われており、水に濡れるとその繊維が解けやすい性質を持っています。
一方、鼻をかんだり濡れたものを拭き取ったりするティッシュの原料には針葉樹が使われています。針葉樹は広葉樹に比べて繊維が長く、繊維同士がよく絡み水に濡れても解けにくい性質があります。
洗濯機でティッシュを回すと、そんな長い繊維が衣類にも絡み合って取れにくくなるのです。
また、洗濯機の中で衣類とティッシュが擦れ合うことにより静電気を帯びやすくなり、絡んだ繊維が静電気により強固にくっつきます。これら2つの原因により、衣類についたティッシュはとても取りにくくなってしまうのです。
衣類にこびりついたティッシュは「柔軟剤」を使って対処!
さて、原因がわかればそれを解消すればOK。つまり、衣類と繊維をほどき、静電気を除去できればティッシュを衣類から取り除くことができます。
「衣類についたティッシュは柔軟剤を使えば落とせる」と聞いたことがある方もいるのではないでしょうか?これは、柔軟剤には静電気を防止する効果があるためです。
うっかりティッシュを洗濯機で洗ってしまった場合でも、慌てずに柔軟剤に浸け込むことで比較的楽にティッシュを取り除くことができます。やり方を詳しく解説しますので、ぜひ試してみてください。
※参考:花王「Q.柔軟仕上げ剤には静電気防止効果もあるの?」
準備するもの
・柔軟剤
・粘着ローラー(カーペットクリーナー)
手順(縦型洗濯機の場合)
1. 洗濯機の糸くずフィルターについたティッシュを取り除く
2. 洗濯槽に衣類と規定量の柔軟剤を入れ、「つけおきコース」で洗う
柔軟剤は、柔軟剤の投入口ではなく洗濯槽に直接入れます。水量に対してパッケージに記載されている通りの分量でOKです。柔軟剤の投入口に入れるとすすぎの最後に柔軟剤が投入され、つけおきできないためご注意ください。
時間設定ができる場合は、「つけおきコース」の最も短い設定で洗ってください。「つけおきコース」がない場合は洗濯槽に水をはり、衣類と柔軟剤を入れて5〜10分ほどおきます。
つけおきの途中でティッシュが浮かんできたら、ゴミ取り用ネットなどでティッシュをすくい取りましょう。洗濯機への負担が減りますよ。
3.つけおきが完了したら、すすぎ1回、脱水1分の設定で洗濯を完了させる
4. 洗濯槽から衣類を取り出して干し、乾いたら粘着ローラーで残りのティッシュを取り除く
写真は柔軟剤でつけおき洗いした際のビフォーアフターです。これだけでもほとんど見た目は気にならなくなりますが、乾いた後に残ったティッシュを粘着ローラーなどで取り除くとより綺麗に仕上がりますよ。
手順(ドラム式の場合)
1. バケツに衣類が浸かる程度の水を張り、衣類と柔軟剤を規定量入れて5~10分ほどつけおきする
2. ティッシュが浮いてこなくなるまで水を入れ替える
3. 洗濯機に衣類を入れ、すすぎ・脱水をしてから乾燥機にかける
乾燥機を使うと遠心力と風で衣類に残ったティッシュを吹き飛ばすので、一気に大量の衣類をケアすることができます。
4.残っているティッシュを粘着ローラーなどを使って取り除く
スポンジやゴム手袋、排水溝用ネットでもティッシュは取り除ける?
仕上げで残ったティッシュを取り除く際、スポンジやゴム手袋、排水溝のネットなどを衣類にスライドさせて払う方法もありますが、あまりおすすめしません。
実際にやってみると、せっかく柔軟剤に浸けて取り除いた静電気が復活して、払い落としたティッシュが衣類に再び付着してしまい効率がよくなかったです。
粘着ローラーを使う方法がもっとも処理時間が短く、キレイに仕上げることができました。床やベランダにティッシュの残骸が散らばることもないので掃除の手間もはぶけますよ。
ティッシュまみれになった洗濯槽の掃除方法
続いて、洗濯槽の掃除方法を解説します。洗濯機でティッシュを洗ってしまった場合、洗濯槽の掃除も欠かせません。これを怠ると排水管が詰まってしまったり、次に洗う衣類にまで残ったティッシュがついたりする恐れがあります。
手順(縦型洗濯機の場合)
1. 糸くずフィルターにティッシュが残っていたら取り除いておく。排水ホースも一度取り外し、中が詰まっていないか確認する
排水ホースが詰まっていたら、長い棒などを使って取り除きます。バケツにオキシクリーンなどの漂白剤をいれてホースをつけ置きしてもOKです。
詰まりが解消できないようなら無理で自分で対処しようとせず、業者の方に修理を依頼してくださいね。
2. 洗濯槽にティッシュが残っていたら、濡れタオルなどで拭き取る
3. 洗濯物を入れずに、最大水量に設定して「通常コース」で洗濯機を回す(「洗濯槽洗浄コース」がある場合はそちらを選択する)
4. 洗濯が完了したら、糸くずフィルターに残っているティッシュを取り除く
手順(ドラム式洗濯機の場合)
1. 糸くずフィルターにティッシュが残っていたら取り除いておく。排水ホースも一度取り外し、中が詰まっていないか確認する(詰まっていたら長い棒などを使って取り除く)
2. 洗濯槽内にティッシュが残っていたら、乾燥機を使った場合は掃除機で、そうでない場合は濡れタオルなどで拭き取る
3. 洗濯物は入れずに「洗濯槽洗浄コース」の一番長いコースで洗浄する
4. 洗浄が完了したら、フィルターを掃除する
洗濯機でティッシュを洗ってしまっても慌てないで!
うっかり洗濯機でティッシュを洗ってしまっても大丈夫。柔軟剤に浸け込んで衣類の静電気を除去し、粘着ローラーでケアすればティッシュは綺麗に取り除くことができます。
乾燥機があれば遠心力と風を使って、衣類についたティッシュを一気に取り除くことができますが、自宅にないからといってコインランドリーを利用するのは避けましょう。ティッシュが少なからず乾燥機の中に散乱するわけですから、お店にも次に使う人にも迷惑がかかってしまいます。
記事で紹介したやり方を実践すれば十分に綺麗になりますので、ぜひ試してみてくださいね。