焼肉屋さんやスーパーの和牛コーナーでみる様々な部位。カルビやタンなどはよく耳にしますが細かな部位の名前やその特徴を把握している人は少ないのではないでしょうか。今回は牛肉の部位の中でもよく聞く「トモサンカク」について、その特徴やおすすめの食べ方を解説します。
「トモサンカク」はどの部位?
トモサンカクは、牛の部位としてはもも肉にあたります。
牛のもも肉は大きく分けて「外モモ」「内モモ」「ランイチ(ランプ・イチボ)」「シンタマ」の4種類。
「トモサンカク」は後ろ足の付け根にある「シンタマ」をさらに4種類に分けた部位の1つになります。「シンタマ」には「トモサンカク」のほかに「マルカワ」「カメノコ」「シンシン」という部位が存在します。
名前の由来は?
牛の足の内側のことを「トモ」とも呼び、トリミング(商品用にカットすること)すると三角形の形をしているため「トモサンカク(友三角)」と呼ばれています。また火打ち石にも形が似ていることから関西の方では「ヒウチ」と呼ばれています。
牛一頭から取れる分量
牛1頭あたり約2〜3キロ程度しか取れない、非常に希少な部位です。赤身肉が多めなもも肉の中では珍しく、最もサシ(脂身)が入りやすい部位となっています。
美味しいお肉の選び方
トモサンカクは赤身とサシのバランスが非常によい食べやすい部位。美味しく食べるためにはできるだけ切り分けたばかりのものを選びたいです。お肉の色が鮮やかで、サシがキレイな白色をしているかどうかチェックしましょう。
トモサンカクのプロフィール
・サシの量:少ない←☆☆☆☆★→多い
・柔らかさ:硬い ←☆☆★☆☆→柔らかい
・スジの量:多い ←☆☆★☆☆→少ない
・うまみ :少ない←☆☆☆★☆→多い
・希少価値:低い ←☆☆☆☆★→高い
・価格帯 :低い ←☆☆☆★☆→高い
特徴の似た部位は人気の「イチボ」
トモサンカクは同じもも肉の一部である「イチボ」と同じくらい人気の部位。イチボは「ランイチ」と呼ばれる、お尻まわりの非常に柔らかいお肉です。サシがほどよく入っており、ステーキや焼き肉でよく出されます。
「イチボステーキ」という言葉も目にするような人気部位で、トモサンカク同様、肉の旨味とサシのバランスが絶妙!
トモサンカクの美味しい食べ方
トモサンカクのおいしい焼き方・食べ方を焼肉のたれでお馴染みの「エバラ食品」担当者に聞いてみました。
定番のおいしい食べ方 「焼肉」
<材料>2人分
トモサンカク(焼肉用)・・・・・・200g
焼肉のたれ(フルーツベース)・・・適量
サラダ油・・・・・・・・・・・・・適量
<作り方>
(1) 牛肉は焼く30分くらい前に常温に戻しておく。
(2) ホットプレート(またはフライパン)に油を熱し、牛肉を焼いて出来あがり。
(3)たれにつけて食べる。
<焼き方のポイント>
最初は片面を強火焼き、お肉の周り部分に肉汁がうっすら見えだしたら裏返します。裏面は軽く焼く程度にし、表面に焼き色が少し付いたら、出来あがりです。
レアで肉の旨味を堪能するのがおすすめ!
見た目はサシがかなり入っているように見えるトモサンカクですが、実際食べてみると意外にもあっさりとした口当たり。もも肉ならではの肉の旨味をしっかりと感じられます。
焼肉用でない場合は、薄切り肉であればサッと炙る程度でOK。厚切り肉であれば焼き加減はレアのステーキがおすすめ。
やわらかジューシーなもも肉「トモサンカク」
希少部位でありながら人気のためなかなか目にすることがないトモサンカク。脂もしつこくなく、旨味が溢れて非常に美味しいです。見かけたらぜひ食べてみてください。