2020年5月、オンラインショップで発売されるや当日完売し、SNSを中心に話題沸騰となった無印良品の「コオロギせんべい」。10月14日より販売店舗が拡大され、現在は比較的入手しやすくなっています。従来の「昆虫食」のイメージを変えたといわれる話題のお菓子、さっそく購入して味を確かめてみました!
昆虫食は食糧危機の救世主となりうる!?
2050年には世界人口が100億人になると予想され、将来的に世界的な食糧難が起きることが懸念されています。
そうした状況に備え、栄養価が高く環境への負荷も少ない食材として国連食糧農業機関(FAO)が推奨しているのが昆虫食です。実は昆虫食の歴史は古く、日本各地でも「イナゴの佃煮」や「蜂の子の甘露煮」などが伝統食として親しまれています。
しかし、これらは昆虫の姿がそのまま残されているため、昆虫が苦手な人にとっては食べることに抵抗のある料理でもありました。
無印のコオロギせんべいは、虫の姿が見えない昆虫食
無印のコオロギせんべいは食べやすさを配慮し、コオロギをパウダー状にしてせんべいに練り込んでいます。そのため、外見は一般的なせんべいと同じで、昆虫食であることを感じさせません。昆虫嫌いの人でも手にとりやすい点も、人気の要因のひとつになっているようです。
コオロギせんべいで使用されている「コオロギパウダー」の原料となっているコオロギは、徳島大学の研究をもとに養殖された食用コオロギで、1袋に約30匹分のコオロギが使われています。
コオロギはわずかなエサで養殖できる上に、他の昆虫に比べて成長が早く、約35日で成虫になります。飼育するのに場所もとらず、効率よく生産できる点が決め手となり、原料としてコオロギが採用されているのです。
驚き!えびせんべいのような香ばしい味わい
それではいよいよ、コオロギせんべいを食べてみましょう!ちなみに筆者は昆虫が大の苦手ですが、見た目は本当に普通のおせんべいで、食べるのに全く抵抗感を抱きません。よく見るとコショウを振りかけたような黒い粒が見えますが、これが生地に練り込まれたコオロギパウダーなのでしょうか。いずれにしても、言われなければ見た目でこれが昆虫食と気づく人はいないでしょう。
実際に食べてみると「コオロギの味を活かすために余計な原料を使わず、シンプルな配合にしました」(無印良品のホームページより)とあるように、とてもあっさりとしており、えびせんべいのような香ばしさを感じます。まだあまり強い味を覚えさせなくない年齢の子どものおやつにも、大人の酒のつまみにもなりそうな、幅広い世代に好まれる味わいです。
そもそもコオロギを食べたことがないので比較はできませんが、実際に食べてみても「昆虫食っぽさ」を感じることはありませんでした。これなら普通のお菓子となんら変わらず楽しめそうで、なんとも不思議な感覚になります……!
ちょっと気になったポイントは……
実際に食べてみるとおいしいおせんべいで、特に不満に感じる点はなかったのですが、虫が苦手な著者としてはパッケージに付けられたコオロギのイラストがちょっとリアル過ぎました……。
また、取り扱い店舗が拡大されたとはいえ、まだ購入できる店舗は限られているので、どこでも気軽に買えるようになるとうれしいですね。
昆虫食の栄養価が高いとわかっていても、昆虫の姿がそのまま残った料理が出てくると、どうしても食べるのに勇気が必要です。しかし「コオロギせんべい」のように、外見からは昆虫食とは全くわからない食品であれば、昆虫食に対する抵抗も少しずつ薄れていくように感じました。皆さんもぜひ一度、手に取ってみてください!
【商品情報】
商品名:コオロギせんべい
内容量:55g
価格:190円(税込)