秋に旬を迎える魚の代表、さんま。近年は不漁が続き価格が高騰していて、今年のさんまもなかなかの価格になる予感……。でも、やはり旬の時期のおいしさは格別ですよね。せっかく買ったさんまのおいしさを堪能できるよう、さばき方や焼き方をマスターしましょう! 鮮魚店を営む3代目店主に教えてもらいます。
※今回は生のさんまを使いながら紹介しますが、もし手に入らない場合は冷凍さんまもおすすすめです!
おいしいさんまの選び方
調理をする前に、まずはおいしいさんまの選び方をお教えします。
さんまのここをチェック!
- クチバシの先端が黄色いもの
- 目が黒々と澄んでいて落ち窪んでいないもの
- 首の付け根がこんもりと盛り上がっているもの
- 魚体の背が黒々とし、腹側が銀色に輝くもので胴体が太いもの
調理前の下準備
家庭の魚焼きグリルだと、さんまの身が長くてうまく焼けないことも。丸々一本焼くことができる"フィッシュロースター"があれば良いのですが、ないご家庭も多いですよね。その場合は半分に切って魚焼きグリルに入れるのがおすすめ。焼きムラも少なく取り出しも簡単です。
焼く際に内臓を取っておくか、つけたまま焼くかも好みが分かれるところ。今回はどちらの方法についてもご紹介します。
さんまの切り方[1](内臓ありの場合)
背中の中心あたりから右斜め下に切ればOK。
さんまの切り方[2](内臓を取る場合)
1. 丸魚のまま包丁の先端を胸ビレ近くにあてる。
2. 腹皮を残したまま中の骨まで切る。内臓まで切ってしまわないように注意。
3. さんまの頭をつかみ、少しひねりながら引っ張る。こうするとつながっていた腹皮が切れ、内臓が出てくる。
4. 焼きムラがないよう、半分に切る。
ここまでこれば、あとは塩をふって焼くだけ。続いておいしく焼くポイントをお伝えします。
さんまのおいしい焼き方
ポイント
- 味付けと生臭さを抑えるためを兼ねて、焼く前に塩をふる。
- 塩をふった後に出た水分はしっかり吸い取る。これにより身が引き締まり、うま味が流れ出すのを防止できる。
- 水分を吸い取る際は、拭かずに吸い取ることを意識する(塩を拭き取ってしまわない)。
- さんまの皮が網にくっつくのを防止するため、魚焼きグリルはしっかりと加熱する。網にサラダ油などを塗っておくのもおすすめ。
- 魚焼きグリルでさんまを焼くときは、効率よく火があたる両端に置く(最新式、上位モデルの魚焼きグリルはどこに置いても綺麗に焼くことができる)。
- 形が崩れるのを防ぐため、焼く際は何度もひっくり返さず、あまり触らないようにする。
焼き方
1. さんまを焼く15分~20分前に、塩を3つまみずつほど高い位置からふる。できれば天然の粗製塩や並塩がおすすめ。
2. 身から出た水分をペーパータオルでしっかりと吸い取る。
3. 魚焼きグリルを予熱して温める。
4. 魚焼きグリルの両端にサンマを置いて焼く。
5. 両面焼きの場合は中火〜中強火で8分前後、片面焼きの場合は片面を6分、ひっくり返してもう片方を、5〜6分を目安にして焼く。さんまの大きさや魚焼きグリルによって焼き時間は調整してOK。
フライパンで焼く場合
魚焼きグリルが家にない場合、フライパンを使って焼くことも可能です。焼き方は以下を参考にしてください。
1. フライパンを用意する
※フッ素樹脂加工のフライパンはこの後の工程で加工がはがれてしまう可能性があるため、新しいものを使うのではなく、すでに加工が剥がれたものを捨てずに1つ常備しておくと便利。可能であれば鉄製のものが好ましい。
2. フライパン用シートをフライパンに敷く。専用シートを使えばきれいに焼ける。
※使用する際はフライパンやフライパン用シートの注意書きをしっかり確認すること。
3. 片面を6分ずつ中火〜中弱火で焼き上げる。
魚焼きグリルやフライパンで焼いたさんまは、すだちや大根おろしと器に盛り付けて完成!
おいしく食べるためのポイントは押さえられましたか? 旬のさんまの味は格別。ぜひ実践してみてくださいね。