年々深刻化するPM2.5などの大気汚染問題。最近は、花粉症でない人でも、空気清浄機を設置している家庭が一般的になりました。ここ数年で日本においても普及・定着した空気清浄機ですが、お手入れが特に不可欠な家電製品の1つです。
以前にも「メンテしていない加湿器・空気清浄機は汚染物質バラマキ装置と同じ!」の記事で解説したとおり、お手入れが特に不可欠な家電製品の1つです。
というのも、空気清浄機は中に吸い込んだ空気を内部のフィルターにホコリや花粉、細菌、空気中に浮遊するその他の汚染物質をフィルターで捕集して、ろ過した空気を再放出するという仕組みです。決して"魔法の箱"ではありません。
まずはフィルター掃除を
そこで、まず大切なのはフィルターの掃除。製品により、フィルターは定期的なお手入れが必要なものと、使い捨てのタイプがあります。お手入れは取説に書かれている頻度を守り、使い捨ての場合には、交換時期の目安を必ず守るようにしましょう。
空気清浄機は正しいメンテナンスをしてこそ、初めて機能すると言っても過言ではありません。汚れたたまったフィルターは、次第に目詰まりしていくにつれ、吸い込む空気の量が減っていき、集塵効果もどんどん低下していきます。そうなると、空気を一切吸い込んでいないのに、中のファンだけが空回りしているだけの状態になります。空気清浄機としての機能はまったく果たしていないのに、ただ電気代だけをムダにしていることになります。
プレフィルターの掃除法
一般に空気清浄機のフィルターは、メーカーによって多少呼び名が異なりますが、外側からプレフィルター、集じんフィルターの順にセットされています。脱臭機能がある製品では、間に脱臭フィルターが備えられていることが多いです。
プレフィルターは粒子が大きなホコリなどを吸着するためのもの。お手入れは表面に着いたホコリを掃除機で吸い取るというのが一般的です。掃除機でキレイにならない場合には、水洗いや中性洗剤で漬け置き洗いをするのが効果的です。
集じんフィルターの掃除法
内側の集じんフィルターは、空気に含まれる汚染物質をさらに漉し取るために、より目が細かくなっています。多くは不織布を何層にも折り重ねたものです。
使い捨てタイプの集じんフィルターであれば、お手入れは不要。そのまま捨てて、新しいものに交換するだけで済みます。
一方、使い捨てではない場合に注意してほしいのは、カタログ等に書かれている「フィルターの交換不要」「フィルターは10年交換不要」の表記。メンテナンスが不要という意味ではないため、誤解のないようにしてください。
プレフィルターと同様にお手入れは、吸引側を掃除機で吸い取るのが基本。プレフィルターと違い、一般的に水洗いはNGです。また、お手入れをする際に、吸着した汚染物質を飛散させてしまうおそれがあるため、ベランダや浴室など居室外で行うのが無難。やむを得ず室内で行う場合には、マスクを着用し、下に新聞紙などを敷いた上で行い、お手入れ後は空気清浄機を一定時間ターボ運転するとよいでしょう。
お手入れをするペースは製品により異なりますが、多いのは2週間に1回程度です。詳しくは製品の取り扱い説明書の指示に従ってください。
お手入れが不十分な空気清浄機は、大きなただの箱と同じ。電気代をムダに消費するオブジェどころか、汚れた空気をまき散らすだけの存在にもなりかねません。フィルターが目詰まりすればするほど、性能は低下していく傾向にあり、効果を長く持続させるためにも、こまめなお手入れが重要です。