夏野菜の定番とも言えるゴーヤーですが、独特の苦さが苦手な人も多いはず。実は切り方によって、苦味の感じ方も違い、おいしく食べることができますよ。管理栄養士で沖縄料理研究家の筆者が、切り方や夏バテ防止のゴーヤーレシピを提案します。
スーパーマーケットなどでも買い求めやすくなった沖縄の伝統的島野菜「ゴーヤー」。前回は、案外と知られていないゴーヤーの歴史やゴーヤードリンクのレシピを「沖縄島野菜ゴーヤーの魅力と歴史をご紹介! 夏バテ予防のドリンクレシピも」で紹介させていただきました。おいしくゴーヤーを食べるためにも、今回はゴーヤーの選び方や切り方、ゴーヤーの栄養素を丸ごといただける炊き込みごはんをご紹介します。
ゴーヤーの選び方は"鮮度で"
ゴーヤーを選ぶとき、何を基準にしていますか? 選ぶときのポイントはやっぱり「鮮度」。表面のイボがしっかりしているのが新鮮な証拠です。ゴーヤーは乾燥に弱いため、ポリ袋や新聞紙などで包み冷蔵庫で保存しましょう。
すぐに使わない場合はゴーヤーを縦半分に切って、スプーンなどで種とワタを取り除くのがポイント! 種とワタ部分から傷んでしまうため、少し手間でも下処理をすると鮮度が保たれます。種とワタを取り除いたら、水気を拭き取り、ラップで包んで冷蔵庫で保存しましょう。
切り方で苦味の変化を楽しもう!
苦味が特徴のゴーヤーは、切り方で苦さの感じ方が異なります。苦さの好みや料理に合わせて切り方を変えてみるのもいいですね。下記に切り方をまとめました。切った後はそれぞれスプーンなどで、中の種とワタを取り除きましょう。
・【半月切り】ゴーヤーを縦半分に切ってから半月型に切る。チャンプルー(炒め物)やサラダなどに最適。
・【輪切り】ゴーヤーを端から切り、輪切りにする。天ぷらや卵焼きなど。
・【短冊切り】ゴーヤーを縦半分に切り、さらに横4等分にして、縦1㎝幅に切る。ピクルスや炒め物などに。
・【サイコロ切り】ゴーヤーを縦半分に切った後、(好みの大きさで)再び四角くなるように切って、サイコロ切りにする。炊き込みごはんやスープ、煮込み料理などに合います。
ゴーヤーは、品種により苦味が違いますが、苦味の好みは以下のポイントで調理すると変化を楽しめます。
苦味が苦手な方
ゴーヤーを薄く切って塩を振り、全体がしんなりしたら水気を絞ります。または、熱湯でさっと湯通しをしましょう。ゴーヤーのビタミンCは水に溶けやすい水溶性ビタミンのため、茹でるとビタミンCが流れ出てしまいます。そのため、茹でるより塩もみがおススメ。サラダや和え物には薄めにスライスすると良いですよ。
苦味が好きな方
ゴーヤーを1cm以上厚めに切ると、存在感があり苦味部分を存分に味わえます。またすりおろすと苦い香りが増して、ゴーヤーのフレッシュさを感じます。煮込み料理やスープにしても、苦味が引き出てゴーヤー本来の味を楽しめますよ。
今回は沖縄の家庭でもよく食される、定番家庭料理「じゅーしー」(沖縄炊き込みごはん)に、にホロ苦いゴーヤーを入れたレシピをご紹介します。夏バテ予防に必要なビタミンB1を含む豚肉入り! だし汁不要のレシピなのでぜひ作ってみてください。
ホロ苦がクセになる! 「ゴーヤーじゅーしー」(ゴーヤー入り沖縄炊き込みごはん)
材料(作りやすい分量、普通茶碗約6杯分)
ゴーヤー 1/2本(100g) / 米 3合(450g) / 人参 1本(100g) / 乾燥ひじき (乾)5g / 豚ひき肉 50g / えのき茸(瓶詰め) 小瓶1本(120g) / 小ねぎ 輪切り1本分(3g) / 塩 小さじ1(5g) 酒 大さじ1(15g) / ごま油 大さじ1(12g) /水 適量
作り方
1. ゴーヤーは縦半分に切り、スプーンなどで種とワタを取り除いき、1cm角のサイコロ状に切る。全体に塩をまぶして15分ほどおいたら水気を切る。
2. 米は水で洗って約30分浸水させ、ザルにあげて水気を切る。
3. 人参は1cm角の色紙切りにする。乾燥ひじきは約10分間水で戻して水気をきる。
4. フライパンにごま油をしき、強火で熱し豚ひき肉を加え炒める。肉の色が変わったら1を加えて炒め、粗熱をとる。
5. 炊飯器の釜に2と瓶詰めのえのき茸(汁ごと全部)と酒を加える。水は炊飯器の目盛りにある3合の線より1mm下まで加える。その後3と4を加えて、軽く混ぜて普通炊きで炊く。
6. 炊きあがったら、しゃもじで全体を軽く混ぜ、お茶椀に盛り、小ねぎを適量のせる。
白米をもち麦に変えるのもオススメです! もち麦は、食物繊維が豊富なので血糖値の急上昇を防ぎます。苦味が好きな方は、1で塩抜きにして作ると、苦味が増した仕上がりになります。
じゅーしーの栄養価
豚肉は炭水化物をエネルギーに変える時に必要なビタミンB1、人参には皮膚や粘膜を守ってくれるビタミンAが、えのき茸は腸内環境を整えてくれる食物繊維などがたっぷり含まれています。
ゴーヤーは塩で下ごしらえをしてから炒めているので、苦味が少なく子どもにも食べやすいレシピです。ぜひ作ってみてくださいね!