ゴールデンウィークの旅行、お盆や年末年始の帰省など、家族での長距離移動の際に新幹線をはじめとしたJRのきっぷを購入する機会はありますよね。これらはもちろん、JRの駅で販売しています。最近は長距離きっぷや指定席券を購入できる券売機も登場しました。機械の操作は不安、面倒……という人は窓口での購入も可能で、JRの指定席券、特急券の販売所は「みどりの窓口」です。これはJRの駅であれば全国共通です。
みどりの窓口が相次いで閉鎖している!
ところが最近、みどりの窓口が次々に閉鎖されています。JR東日本ではみどりの窓口を取りやめて、指定券券売機のみ設置する駅が増えているようです。JR西日本は、約180カ所のみどりの窓口を2030年までに段階的に減らし、30駅程度にします。つまり、約150の駅でみどりの窓口が廃止されます。
そのかわり、定期券などにも対応した「高機能券売機」をすべての有人駅に設置します。そのうち、さらに高機能な「みどりの券売機プラス」の設置駅は、現在の50駅から100駅に増やします。
こうした「指定席対応の券売機」は、表示された手順を追っていけば、意外と簡単に希望のきっぷを購入できます。しかし、ふだん鉄道で旅行しない人にとっては「どの路線にどんな特急列車が走っているかわからない」と不安になりがちですね。そして、券売機は正しく操作すれば「希望」通りのきっぷを買えるけれども、窓口のような「提案」はありません。
人が対応してくれるならではの良さも……
例えば、東京と秋田を新幹線「こまち」で往復するとしましょう。旅行期間は3泊4日とします。この場合「東京の券売機で行きのきっぷを買い、秋田の券売機で帰りのきっぷを買う」という方も多いかと思います。でも、もし東京でみどりの窓口で買う場合に、気の利いた係員なら「お帰りのきっぷはどうされますか。こちらで帰りのきっぷも買えば往復割引になります。乗車券は8日間有効なので、滞在を延期しても大丈夫。特急券は1度だけ無料で変更できますから」とアドバイスをくれるでしょう。
みどりの窓口で相談すると、同行者が多ければ座席指定できる特急回数券をオススメしてくれるかもしれません。時期によってはフリーパスなどおトクなきっぷを紹介してくれる場合もあります。また、寝台特急サンライズは、指定席扱いの「ノビノビ座席」は自動券売機で購入できますが、寝台券は有人窓口だけの扱い、という特殊例もあります。
旅行会社でも損することなくJRきっぷが購入できる!
「ああ、機械相手にきっぷを買うよりも、やっぱり人間の窓口のほうがいいなあ。でも、駅のみどりの窓口はなくなっちゃったな。遠くの駅まで買いに行かなきゃ」。
そんな風にお考えのあなた! ちょっとまって。その前に、自宅最寄り駅や勤務先の周囲に旅行会社はありませんか。旅行会社の窓口でもJRのきっぷは購入できます。旅行会社はパッケージツアー商品や海外旅行を買うところ。宿泊を組み合わせなくてはいけない、団体扱いにしないときっぷを買えない、と思いがちです。しかし、大手旅行会社はJRのきっぷだけでも販売します。
大手旅行会社はショッピングモールなどにも支店がありますから、わざわざ駅に行かなくてもJRのきっぷを買えます。筆者は私鉄沿線に住んでいるため、近所にみどりの窓口がありません。なので、駅前のショッピングセンター内の旅行会社できっぷを買っています。
大手旅行会社には、みどりの窓口と同じJRネットワークのオンライン端末があります。この機械を導入した旅行会社はみどりの窓口の出張所のような扱いになります。旅行会社はJRから手数料を受け取り、利用者からは手数料を取りません。
小規模の旅行代理店では手数料がかかる場合も
ただし、小さな旅行代理店でみどりの窓口と同じ端末を持っていない会社は、大手旅行代理店に依頼して発券してもらうため、購入金額の20%以下、最低で1,080円の手数料がかかります。これは旅行業界が定めた正規の手配手数料です。また、大手旅行会社でも、私鉄や航空会社など、JR以外の乗りもののきっぷは手数料がかかります。
話を戻します。「大手旅行会社でもJRのきっぷを買える」。これは覚えておいてほしいテクニックです。問題は、駅の窓口よりも営業時間が短いこと。また、休日などは混雑する傾向があるので、平日の日中に時間を取れるのであれば、旅行会社を利用するのが便利です。
たった「一言」がおトクきっぷ購入のコツに
最後に購入の際のコツを。駅の窓口でも旅行会社でも、対応する係員によっては特に提案もなくこちらが言った通りのきっぷを発券して終わりかもしれません。なので、「この日程でおトクなきっぷはありますか」と聞いてみるのが良いでしょう。宿泊込みのおトクなフリータイムツアーがあるかもしれませんし、本来の目的地以外にも楽しそうな旅のパンフレットがみつかるかもしれません。旅行会社を活用しましょう。