帰省や旅行で飛行機を利用したら、座席の選び方を間違えて窮屈な思いをしてしまった……という人はいませんか。機内でより快適に過ごすためには座席選びも大切だ。どの座席を選べばいいのか検証しつつ、前もってチェックインして“いい席”を押さえておきたい。
足元は広いが……最前列にも難点が
近年、同じクラスでも足もとが広めの座席を指定するのは有料というケースが増えてきました。特に非常口近くの席やパーティションのすぐ後ろのような席は、前の座席の背もたれが倒れてくる心配がなく、また足元も少し広めなことが多くて人気が高くなっています。しかし、それゆえにこういう座席を事前に指定する場合は有料であることも。
また、最前列の席では離着陸の際に手荷物を必ず頭上のコンパートメントに収納せねばならず、機内誌などが入っているラックに入れられる程度の小さな身の周りのものしか手元に置くことができません。また、スクリーンやテーブルをひじ掛けのところに収納していることが多く、隣に誰もいないような時でもひじ掛けを上げることができないのが残念ポイント。
ちなみに、国際線、特に外国のエアラインの場合、非常口横の席に座るには非常時に乗務員を手伝って乗客を誘導することを約束せねばならないエアラインがあり、英語をしっかり理解でるかどうかを確認されることもあるので注意が必要です。
窓側or通路側?
フライト時間の短い国内線や韓国や台湾といった近場ならばあまり問題がありませんが、ロングフライトでは窓側か通路側かでずいぶん快適度に差が出ます。
どうしても外が見たい! という人ならばもちろん窓際がおすすめ。冬場、ヨーロッパからの帰りの北回りのフライトでは運がよければオーロラが見えることもあって、なかなかお得感が高いのも事実。注意ポイントとしては、翼の上の席だと外の眺めが翼によってさえぎられてしまう点。外を眺めたい場合は、その点に気をつけましょう。しかしながら、トイレに立つときにいちいち隣の人に声をかける必要があるため、気を遣ってしまうかも。ロングフライトの場合はその点考えて、窓側の席を指定しましょう。
反面、通路側の席では自分がトイレに行く際には気を遣う心配はありませんが、眠っている時でも奥の座席の人に起こされる可能性があることを覚悟しておきましょう。また、通路を通る人の足音や気配をストレートに感じるので、神経質な人はあまりリラックスすることができないかも。左右の席の人に挟まれてしまう真中の座席が不人気なのは言うまでもありません。
前方or後方?
事前にオンラインなどでチェックインしてある人以外、座席は前の方から埋まっていきます。満席でなければ後方の座席は空きが多く、隣に誰もいないなど運が良ければ1列を全部自分一人で占有できてしまうこともあるでしょう。ひじ掛けを上げてしまえばのびのびと横になって眠ることもできます。
ただ、最後列の座席はシートのリクライニングができない機材があるので、最後列を押さえたはいいが満席、なんていう場合にはかなり窮屈な思いをするかもしれません。また、トイレが近くにあるので常に人が行き来し、トイレを流す吸引音が漏れ聞こえてしまうことも。さらにいえば、機内食は前方から配られるので後方の座席ではチョイスがないことも多くなります。後方の座席でメリットを得られるかどうかは、前述の通り混み状況にもよるのでちょっとした賭けではあります。
前方の座席では機内食や飲み物などのサービスが先に受けられる他、着陸後早く降りることができるという利点も。乗り継ぎ時間が短い場合などはなるべく前方の座席を予約するのが安心です。
もうひとつ、前方か、後方か、という議論の中でよく言われるのが、航空事故があった場合の生存率。これまでに起こった深刻な墜落事故の生存者は機内後方の真ん中あたりの座席に座っていた人が多いということから、後方の座席が良いという人もいます。ただ、飛行機の墜落事故はそう頻繁に起こることではないので、そこまで考えるときりがないような気もしますね……。
座席の並び方や状況は航空会社や機種によっても違うので、もっと細かな"ポイント"はあるものの、「どの席が"いい席"か」は人によって異なる、というのが答えでしょう。そして、どんなに"いい席"を予約できたとしても、搭乗してみたら隣に座った人次第でトホホな状況に陥る可能性もあることは理解しておきたいところ。実際、筆者はこの原稿を機内で書いていますが、それをまさに体験しているところですから。