多くの人が、子どものころから何度も食べたことがあるであろう、山崎製パンの「コッペパン」。ここ最近のコッペパンブームの後押しもあり、再び注目されている商品だそうです。そんなコッペパンですが、実は「地域性」が顕著に表れているということをご存知でしょうか。東と西でカタチが変わる、その境界線とは?
関東と関西では「おなじみコッペパン」が違う
山崎製パンの超ロングセラー商品として上の写真のコッペパンがあります。ジャム&マーガリンのほかに、「つぶあん&マーガリン」「ピーナッツクリーム」バージョンも展開。発売は1986年で、30年にわたり愛され続けています。
実はこれら3つの商品、全国販売されていますが、東日本での売り上げが全体の7割を占めるそう。関西でもこれらのコッペパン商品は販売されているものの、関西では上面に縦に切り込みを入れるパンが人気で、以降に紹介する5商品が特に人気となります。
「ソフトフレッシュ」
ほんのり塩気のあるマーガリンがたっぷり詰まったパン。販売地域である関西の人にとっては定番の商品です。軽くトーストしてマーガリンをとろけさせるのが通の食べ方だそうです。
「メロンクリームサンド」
こちらも関西地区限定商品。メロンの果肉入りクリームがサンドされています。冷蔵庫で冷やしてスイーツ感覚で食べる方も多いとか。
「ミルクコーヒーサンド」
こちらは中国地方限定です。ほんのりビターなコーヒークリームがサンドされています。
「バナナクリームサンド」
岡山県以西でのみ販売されているこちらには、バナナクリームがイン。しかも見えない部分にあんずジャムも入っているため、バナナの甘さとあんずの甘酸っぱさがダブルで味わえます。
「スペシャルサンド」
「スペシャルサンド」のみ関西以西(※九州を除く)に加え、関東地方でも販売されています。ミルククリームの真ん中にピンク色のゼリーが置かれたかわいいルックスも目を引きますね。このゼリーは、サンドが完全に閉じないようにするための役割もあるそうです。
浜松を境に東と西でサンド法にも違いあり
ご紹介した東西の商品、見た目の違いにお気づきでしょうか。東では「腹割り」といってパンの側面に切り込みを入れて具をサンドし、西ではパンの上面に縦に切り込みを入れる「背割り」が人気となっています。また、東で好まれるコッペパンのほうがパンの焼き色が薄めという特徴も。そして、その東西の境界は静岡県浜松市付近にあるといいます。
山崎製パンによると、東ではサンドしている具が見えないことで「見た目を裏切る重層的な味わい」が受けるのに対し、西では「具がはっきりと見えることで食欲をそそること」に軍配が上がるという違いなのだとか。
たびたび話題になる「東と西の地域性」が、コッペパンの形状にも! 長きにわたって多くの人に愛され続ける理由は、そんなところにもあるのかもしれません。