お弁当の定番メニュー、おにぎり。いろんな具材を使ったレシピもメディアで紹介され、夜のうちに作って次の日の朝ごはんに…という家庭もあることでしょう。しかし、愛情をこめて手で握ったおにぎりは、「食中毒」と切っても切り離せない関係にあります。頑張って作ったおにぎりで体調が悪くなった…なんてことにならないように食中毒対策をしっかりと行いましょう。
おにぎりに潜む食中毒
おにぎりは愛情を込めて手で握る。という方も多いのではないでしょうか。おにぎりの食中毒では「黄色ブドウ球菌」と「セレウス菌」が要因になる場合があります。
「黄色ブドウ球菌」は人の皮膚や、口の中、髪の毛など身近に存在する菌です。食中毒予防のためには菌が付かないように調理することが重要となります。
「セレウス菌」は、土や河川、農産物、水産物などの食料に広く分布する細菌。そのため米や小麦などの農作物や穀物を原料とする食品が原因となり、食中毒が発生する場合があります。食中毒予防には細菌を増やさないことが重要です。
おにぎりの食中毒を予防するポイント
ポイント1: 握るときには「ラップ」を使う
家族のおにぎりだからと素手でおにぎりを握っていませんか。「黄色ブドウ球菌」は人の手にもいる細菌です。ラップを使って菌を付きにくくすることはもちろん、髪の毛の付着にも気を付けましょう。おにぎりを握るときに話をしていると、唾液がついてしまうことも考えられるので、注意して調理をしましょう。
ポイント2: 氷を入れて炊飯器予約
夜のうちに炊飯器のタイマーセットをして、翌日のお弁当や朝食のごはんにする家庭も多いことでしょう。夏の間は、夜間でも室温が上がります。また、夏の前後も、閉め切ったキッチンや室温が上がりがち。そうすると、炊飯器内の温度も上がり、菌が増殖することも。
対策としては、炊飯器に「氷を入れる」。そうすることより、炊飯器内の温度が上がりにくくなります。また、炊飯の予約時間は13時間以内にし、傷みやすい炊き込み御飯は避けましょう。
ポイント3: 常温で長期保存しない
炊いたお米は、加熱調理した後でも室温など細菌が増える環境で放置することで、菌が増殖します。おにぎりはなるべく早く食べ、食べるまでの間は涼しいところで保管しましょう。また、抗菌作用のある大葉や梅干しをご飯に混ぜ込んで握るのもおすすめ。余ったご飯を保存する場合には、速やかに冷蔵庫や冷凍庫などに入れることも重要です。
身近な菌が要因となることもある食中毒。楽しいレジャーが辛い思い出にならないよう、家族のために食中毒対策をしっかりと行いましょう。
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監修: 管理栄養士 尾花友理