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ニセコ町の新野菜ブランド「うまみちる」が札幌で初披露! 和食専門店「和田」×ミシュランシェフのコラボ料理を試食



2026年10月27日、北海道ニセコ町の野菜ブランド「うまみちる」のブランド説明&試食会が、札幌・円山の和食専門店「和田」で開かれた。今年8月に生まれたばかりのブランドで、札幌でのお披露目はこの日が初めてだ。料理を担当したのは「和田」の店主・和田勇人氏。パリのミシュラン二つ星「Hakuba」を手掛ける、ニセコ町出身の渡邉卓也氏とのコラボ料理も登場した。「和田」では今後、2人のコラボメニューを期間限定で店舗に出す予定だという。




一口ごとに旨味が満ちる! ニセコ野菜づくしのコースを実食




この日のコースは5品。そのうち先付けと甘味の2品が、渡邉氏とのコラボだ。和田氏にとって渡邉氏は、かつて店を託してくれた師匠にあたる。渡邉氏はフランスにいるため来場はかなわなかったが、2人でレシピを考えたという。







1品目の先付けは「ニセコ野菜のお浸し」。紅葉した山の葉から、少しずつ枯れていく草木へ。器の上から下へと、秋の山が描かれている。「上からどんどん召し上がってください」と和田氏はすすめた。







見た目はさりげなく、味付けもやさしい。それでいて、野菜の甘みにごぼうのほのかな苦み、かすかなだしの香りが重なり、素朴ながら深みがある。野菜ごとに歯ごたえが違い、口に運ぶたびに舌ざわりが変わる。その変化まで計算されているようで面白い。







続くのは野菜八寸「それぞれの野菜に合わせた調理で」。想像以上に横長で重厚な器で運ばれてきた。ニセコを含む北海道の野菜が20種類以上、それぞれに合わせた調理で並ぶ。派手な盛り付けではないのに一つひとつの色が際立ち、何から食べようかと、隣の席の人と思わず話がはずんだ。




ニセコのじゃがいもは北あかり、男爵、黄爵(とうや)の3種類、かぼちゃは栗かぼちゃと味平の2種類。基本は皮付きだが、まったく気にならない。ひと口でちょうど食べきれる大きさで、しっかりかみしめて味わえる。塩なしでも十分おいしいという和田氏の言葉どおり、何もつけなくても野菜そのものの味で満足できた。







ドリンクにもニセコの味がそろった。ニセコワイナリーのスパークリング「Blanc de Blancs」、ニセコ蒸溜所のジン「ohoro」、純米大吟醸「ニセコ蝦夷富士」だ。蝦夷富士をグラスでいただくと、あっさりした飲み口で、ぐいぐい進んでしまう。八寸の野菜にも、このあとの焼き物の豚肉にもよく合った。この酒には、うまみちるの生産者・大橋敏範氏が育てた酒米「彗星」が使われている。







焼き物は「ルスツ豚炭焼きと玉ねぎ丸焼き」。甘みの強いルスツ豚に、皮ごと焼いた玉ねぎが添えられる。玉ねぎは甘いのに、くたっとせず食感がしっかり残っていた。こんなにおいしかったかと驚くほどで、豚とのバランスもちょうどいい。添えられたしそ味噌は、これだけで箸が進む。







食事は北海道の新米・ゆめぴりかを炊き立てで。ご飯だけでいくらでも食べられそうなおいしさだ。







ふわふわの卵焼き、枝豆の古漬け、しその実の醤油漬けが添えられた。みそ汁の具はさつまいもとメークイン。さつまいもはびっくりするほど甘く、しっかりとした歯ごたえのメークインといい組み合わせだった。







締めの甘味は、渡邉氏とのコラボ2品目「かぼちゃのテリーヌと黒豆」。まず目を引くのは華やかな見た目だ。敷かれていたのは山ぶどうの葉。かぼちゃのテリーヌはプリンよりもむぎゅっとした食感で、味はあっさりしている。添えられた黒豆は、粒感がしっかり残る炊き上がり。もう何粒か食べたくなった。




延べ100人でつくった新ブランド「うまみちる」




「うまみちる」の名前は、ニセコの野菜の特徴である強いうまみが、口いっぱいに満ちていく様子から付けられた。キャッチコピーは「山の下、雪の下、うまみ育つ。」。ニセコは雪が多く、冬の間は農業ができない。そのあいだに土が休み、毎年生まれ変わる。羊蹄山とその湧き水が育てる土壌こそが、ニセコの野菜の強みだという。




ニセコ町農政課の藤澤佳穂氏





ブランドが生まれた背景には、農家の単価の問題がある。ニセコ町農政課の藤澤佳穂氏によると、ニセコは土地が限られ、いろいろな野菜を少しずつ作る産地。量がそろわないため、大きな企業との取引につながりにくいという。資材や燃料の値段が上がっても、農家は野菜の値段を上げられずにいた。




株式会社Connec.t代表の小口潤氏





ブランドづくりに携わった、株式会社Connec.t代表の小口潤氏は、「10円でも20円でも高く売れるものを目指した」と話す。直売所だけでなく、飲食店や宿泊施設に使ってもらえる野菜にするのがねらいだ。2025年6月から12月にかけて、農家や直売会の関係者、町の職員らが4回のワークショップを開き、延べ約100人でブランドをつくり上げた。




生産者は「LIVE FARM ニセコ」というチームを組み、最初の5人がうまみちるの野菜を届けている。酒米も育てる大橋敏範氏、トマトやアスパラなどを減農薬で育てる増原政行氏、メロンで野菜ソムリエサミット金賞を受けた高橋悠太氏、元半導体エンジニアでサツマイモを3〜4か月寝かせて甘くする中村大佑氏、弱アルカリ性のお米を作る猪狩一郎氏と、顔ぶれはさまざまだ。




酒米「彗星」も育てる大橋敏範氏





会場で流れた紹介動画では、大橋氏が「やっぱり水ですね」と、ニセコの水のよさを挙げた。中村氏は鎌倉野菜を例に挙げて、こう語った。「その名前を聞いただけで、『あ、美味しいやつだよね』と。そんなイメージ付けを、消費者に作ることができたらなと思っています」




ニセコ町長の田中健人氏も、メッセージを寄せた。「ニセコは観光の町である以前から、農業の町でもあります。本日の主役は、私たち行政ではなく、実際に畑に立ち、おいしい農作物を育てている農家の皆さんです」と伝えた。




師弟がつないできた、土地の風景が浮かぶ料理







この日の料理を手がけた和田氏と、レシピでコラボした渡邉氏。2人のつながりは、「和田」の前身「TAKU 円山」にさかのぼる。渡邉氏は札幌で「田久鮓」「TAKU 円山」などを展開したあと、パリへ渡った。2013年に開いた鮨店「JIN」は翌年ミシュラン一つ星を獲得し、現在手掛ける「Cheval Blanc Paris」内の「Hakuba」は2026年に二つ星を獲得している。




パリへ拠点を移すとき、渡邉氏が店を任せたのが和田氏だった。奥尻町生まれの和田氏は、「TAKU 円山」の料理長を経て2016年に店主となり、2024年2月に店名を「和田」に変えた。地産地消の考えも受け継ぎ、今もニセコの野菜を使い続けている。




和田氏が料理で大切にしているのは、その土地で今とれている野菜を素直に使うことだ。「そうすることによって、お皿の上や、あるいはお弁当箱の中で、その土地の風景が浮かび上がってきます」と和田氏は語った。この日の先付けにも、秋の山の風景が描かれていた。




幸せになれる野菜を、ニセコから日本中、世界へ




ロゴ入りの麻袋とブランドカード。店頭や飲食店で使えるグッズも作られている。





今、うまみちるが買えるのは、道の駅「ニセコビュープラザ」の直売会にある専用の棚だけだ。今後は飲食店や宿泊施設にも広げていく。藤澤氏によると、今年は北海道でPRし、来年は東京での展開も考えている。ブランドとしては、その先の全国や海外も見すえているという。




派手なものを売りたいわけではなく、農業を続けていくための取り組みだと藤澤氏は言う。目指すのは、鎌倉野菜や京野菜のように「買っただけで幸せになれる」野菜だ。うまみちるを食べた人に、いつもの何倍もうまみを感じて、幸せになってほしいと願っている。




ニセコを訪れたら、まずは道の駅の棚で「うまみちる」を手に取ってみてはいかがだろうか。







和食専門店「和田」
住所:北海道札幌市中央区北1条西27丁目1-7
公式サイト:https://wada-maruyama.com/
※コラボメニューの提供時期・価格については公式サイトなどで確認を


ニセコ町野菜「うまみちる」
公式サイト:https://niseko-umamichiru.jp/



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