横浜市泉区の相鉄いずみ野線ゆめが丘駅前に7月25日開業する大規模複合商業施設「ゆめが丘ソラトス」。そのプレス説明会・内覧会が7月22日に行われ、施設の一部が公開された。延床面積約9.7ヘクタールに129店舗が集まる新スポットは、「Dear Life, Dear Local」のビジョンのもと、ゆめが丘、ひいては神奈川県の魅力が節々に反映された地元愛に満ちた施設になっている。ここでは実際の館内の様子を交えながら本施設の特徴を紹介しよう。
従来の商業施設とは一線を画す、“お客様に外にも出てもらえる”仕組みづくり
相鉄いずみ野線ゆめが丘駅および横浜市営地下鉄ブルーライン下飯田駅周辺で進む「ゆめが丘開発プロジェクト」の一環として2022年末から工事が行われ、ついにこの度開業を迎える「ゆめが丘ソラトス」。ゆめが丘駅直結の施設は、127店舗が出店する地上3階建ての「ゆめが丘ソラトス1」を中心に、家電量販店のヤマダデンキ テックランドが入居する「ゆめが丘ソラトス2」と地域交流の場となる公園を擁する「ゆめが丘ソラトス3」の3館からなり、JRや東急線との相互直通運転開始など、暮らしやすさの向上著しい相鉄沿線の魅力をさらにアップさせる充実の新スポットが誕生する。
開業に先立って行われたプレス説明会で「ゆめが丘開発プロジェクト」全体の概要説明を行った株式会社相鉄アーバンクリエイツ 事業開発部の山本栄一課長は、「Dear Life, Dear Local」というゆめが丘ソラトスのビジョン、そして「ゆめが丘から生まれるローカルライフ、住まう・働く・訪れる。すべてのひとに届く、自分らしい“毎日”と深まる“満足”」というコンセプトを述べながら、本施設が「ローカル」をテーマに、従来のショッピングセンター等とは一線を画す施設になっている点を強調。
その上で「商業施設というのは来館されたお客様に館内で消費していただきたいという考えのもとでデザインされていることが一般的ですが、ゆめが丘ソラトスはゆめが丘のハブ的な役割を持たせ、お客様に外にも出てもらえる仕組みづくりを行いました」と述べ、施設の具体的な特徴として次の点を挙げた。ここからはその4つのポイントをもとに、実際に歩いた「ゆめが丘ソラトス1」の施設内を紹介していこう。
① ローカルの魅力を発信する吹き抜け空間周辺
メインエントランスから向かって左手に進むと、1階から3階までを見通す吹き抜け空間になっている。陽光ふりそそぐ心地よい空間は、施設名のもとである「ゆめが丘の広大な空」を意識させてくれるスポットだ。
また、本スペース1階周辺の「FOOD CIRCLE(フードサークル)」には、神奈川のローカル食を売りにしたショップが集合している。
そのうち「YYYard(ヤード)」は、食料品を中心に神奈川の地産品を揃えるショップ。横浜市内や県内で採れたこだわり野菜を販売するほか、横浜市産の青みかんを使ったドレッシングや丹沢山麓で育てられたハーブを使ったコーラなど、きっと横浜で暮らしていても今まで知らなかったような発見のある商品が並ぶ。
一方で「YUMEGAOKA SUNDAY brewing(ユメガオカサンデーブルーイング)」は、ビール醸造所を併設しているビアスタンド。文字通り“製造所直送”のクラフトビールが味わえ、醸造所の見学ツアーなども行う。地元、泉区産の小麦を使った「ゆめがおかウィートエール」など最大10種類の銘柄を揃え、ラインナップは時期によって変わるとのこと。
また、向かいにあるベーカリー「goût goût YUMEGAOKA(グーグーユメガオカ)」では、この醸造所で発生した麦芽かすを活用し、神奈川県産小麦「ぼくらの小麦」を使ったパンを販売する。
② 「そうにゃん」が迎えてくれる屋上広場ほか、親子にうれしい施設が充実
授乳室、ベビー休憩室、キッズトイレを各階に設けた館内には、小さな子を持つファミリーが嬉しい施設が充実。その象徴的なスポットが、屋上に造られた「そうにゃんぱーく そらの広場にゃん」だ。
相鉄の人気キャラ「そうにゃん」の像が迎えてくれる広場は、特別な手続きなく無料で利用可能。屋上のフリースペースをほぼ丸ごと活用した面積約3000㎡の場内には、横浜市に隣接する大和市の公園「大和ゆとりの森」にインスパイアされた遊具を設け、子どもたちをくぎ付けにする人気の遊び場をショッピングエリアの屋上に再現している。大きな滑り台のある複合遊具をはじめ、遊具の豊富さはパパママ感激のレベルで、この日はリアルそうにゃんも駆けつけて場の空気を盛り上げてくれた。
そのほか、3階には室内アミューズメントパークの「ASOBLE(アソブル)」がオープン。シネコンの「109シネマズ」に遊び場併設の「KIDS CINEMA(キッズシネマ)」があったり、フードコート内に64席のファミリーコートを設けられていたりと、小さな子と一緒でも安心して過ごせる環境が整備されている。
③ 地域の交流を生み出すコミュニティスペースの充実
地域とのつながりは、「ゆめが丘のハブ」を目指す施設にとって欠かせない要素。館内には地域の人が集まり、連携し、地域の魅力を発信するための空間も広く設けられている。
例えば、先ほど紹介した吹き抜け空間には、交流空間の「SORATOS Room(ソラトスルーム)」を設置。ログハウスのような空間は2階の「SORATOS Room 201」と3階の「SORATOS Room 301」とに分かれ、催事、展示、セミナーなど幅広い利用を想定しており、館内の中心にゆめが丘らしいにぎわいが生み出される。
また、1階の「Live Kitchen SORATOS(ライブキッチン ソラトス)」は食のコミュニティスペース。プロ仕様のキッチンを備えた空間では、生産者によるレシピ紹介などのイベントが予定され、例えば横浜以外の出身者で、「地域の食についてもっと知りたい」という人には見逃せない企画が期待できそうだ。なお、両スポットは地元組織7者によって組織される「ゆめが丘エリアマネジメント協議会」による活用も予定され、地域のサードプレイスとして機能していく。
そのほか、相鉄線が行きかうゆめが丘駅のホームを望む「station view terrace(ステーションビューテラス)」をはじめとする休憩スペースが点在し、まさに地域の人がコミュニティとしてつながり、ここから何かが生まれる場所になることを予感させた。
④ 循環型社会への先進的な試み
地元愛は、環境に配慮した取り組みにも表れている。
まず、施設全体に三千枚の太陽光パネルを施設。館内で使用される電力の7.5%がここの自家発電で賄われ、残りの電力も再エネ事業者の「はまっこ電気」が供給するCo2フリーの電力を利用するとのこと。
一方で、ゆめが丘駅方面の入り口には、IoT機能を持つ衣料回収ボックスを設置している。こちらはスマホアプリと連動し、不用になった衣料を持ち込むとポイントやクーポンが授けられる仕組み。資源再利用の面で環境面にやさしいだけでなく、消費者にとってもメリットのあるサイクルが築かれる。
この日はバックヤードの環境設備も特別に公開され、館内で発生する廃棄物を活用した生ごみの堆肥化やSAF(Sustainable Aviation Fuel/持続可能な航空燃料)の取り組みを見学。飲食店やスーパーで発生した生ごみから作られた堆肥は、将来的には地域の農家への配布も予定し、循環型社会の構築に寄与していくという。
以上4つの特徴で、「ゆめが丘ソラトス」が良い意味で“普通の商業施設”ではないということが、きっとお分かりいただけたことだろう。「ゆめが丘ソラトス」は、相鉄いずみ野線ゆめが丘駅前に7月25日開業。横浜市民はもちろん横浜市民ではない人もぜひ一度足を運んで、地元愛あふれる施設を体感してほしい。
【「ゆめが丘ソラトス」公式サイト】
https://www.yumegaoka-soratos.com/