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Hakuhodo DY Matrixが巣鴨に「100年生活者研究所」を設立 3月21日にはお客さんから100年人生にまつわる話を“聴くカフェ”もオープン


“人生50年”といわれてきた時代も今は昔。今や日本人の寿命は100年の大台を迎えているという。そんな人生100年時代を、当の日本人たちはどう捉えているのか。そして、自分はどう生きていきたいのか。これら実際の声を調査・研究する「100年生活者研究所」を、Hakuhodo DY Matrixが国際幸福デーの3月20日、巣鴨に設立した。

100年生活者研究所 所長の大高香世氏。博報堂で30年間に渡りマーケターとして新規事業開発などを手掛け、また1000回以上の様々なワークショップでファシリテーターとしての実績も持つ。2013年には生活者共創マーケティングを専業にした株式会社VoiceVisionを博報堂の子会社として起業し、代表取締役社長に就任。2023年より現職。

Hakuhodo DY Matrixが昨年10月、全国の20代から80代の2800人を対象に実施した調査によると、「100歳まで生きたい」と回答した人は約28%。思った以上に少ない割合だが、その理由はやはり歳を重ねるごとに増大する健康や生活費への不安によるものが大きいようだ。しかし、100歳まで生きるかもしれないのは、もはや現実の話。1963年にわずか153人だった100歳以上の人口総数は、2022年には90526人と約600倍に増加したことからもわかるように、望もうが望むまいが、よほどのことがない限り生きてしまうのだ。そこでHakuhodo DY Matrixは、こんなネガティブな要素を排除し、100歳まで“生きたい”という明確な意思に変えることをミッションに掲げた「100年生活者研究所」を設立した。

100年生活者研究所の活動は、一般的なシンクタンクがこれまで行ってきた“滝型”のリサーチ方式ではなく、“渦型”のリビングラボ方式で行われる。これはどういうことかというと、まず従来の滝型リサーチ方式は「仮説→分析→発表」の直線的な流れで、その中には生活者の声が入らず、結果として机上の空論的な結末を迎えやすい。それに対し、100年生活者研究所が行う渦型リビングラボ方式は、一人ひとりの生活者の声に耳を傾けてリアリティにこだわり、オープンな対話を通して共創することでクリエイティブな解決策へと導くことが可能となる。そして、生活者の声を聴くために100年生活者研究所が行うのが、カフェの運営だ。

研究所開設の翌日、3月21日に「シニアの原宿」といわれる東京・巣鴨でオープンしたのが、お客さんの話を“聴くカフェ”がコンセプトの「100年生活カフェ」。100歳予備軍の高齢者が集う巣鴨には、100年生きるヒントがたくさん眠っている。だからこの街の住民や商店街の人たち、そして巣鴨を訪れる人々と対話し、それを通じて新たな発見を見つけようというのだ。また、先に行われた調査では、スマホを使いこなしている人ほど人生100年時代を前向きに捉えている結果が出ていることから、「100年生活カフェ」ではスマホやSNSの使い方もレクチャーするという。

お客さんの話を“聴くカフェ”がコンセプトの「100年生活カフェ」の店内。対話にふさわしい長いカウンターが特徴。

カフェメニューは幅広い年代に人気のものを用意。

3月20日に開催された「100年生活者研究所」お披露目説明会には、東京大学の秋山弘子氏(右)とシニアインフルエンサーの大崎博子氏も駆けつけた。

東京大学未来ビジョン研究センター客員教授、東京大学高齢社会総合研究機構客員教授、東京大学名誉教授の秋山弘子氏は、長寿時代の新しい生き方と社会のあり方について鎌倉リビングラボの実例を交えて解説した。

昨年11月に90歳を迎えた大崎博子氏は78歳でパソコンに出合い、やがてスマホを使いこなすように。2011年3月から始めたTwitterでは、若者から同年代の人々まで幅広い支持を集めている。

100年生活者研究所では、日々のヒアリングやアンケートで得られた発見を記事にまとめ、オウンドメディアでの週1回のニュース配信、月1回の本格調査レポートの発信などを行うという。日本に生きる我々にとって、人生100年時代は他人事ではない、すごく身近なこと。時間の経過とともに誰しもが平等に年齢を重ねていくのは当たり前のことだが、では自分はこれからをどう生きていくべきなのか、100年生活者研究所の調査・研究を参考に、100歳になるまでの生き方を見つけておいたほうがよさそうだ。

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