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カルピスは『濃いめのカルピス』より『カルピスウォーター』のほうが濃かった!?



『濃いめのカルピス』はどんだけ濃いのか?


飲んでみれば間違いなく濃い味わいだし、それで十分とは思うのですが、濃度計があるなら測ってみるか、と。


原液たる『カルピス』と定番の『カルピスウォーター』もあわせて、カルピスの濃さをチェックしてみました。



カルピスに含まれる成分濃度(Brix)を測ってみた



カルピスの濃度はアタゴ製濃度計『PAL-COFFEE(BX/TDS)』で計測しました(数回計測して安定した値を採用)。この場合の濃度は、カルピス100mlに含まれる全成分(可溶性固形分)の割合を指します。なお、濃度計における濃度はBrixという値(%)で表示。濃度計は光の屈折率を利用して濃度を算出しています。


いちばん濃いのは『カルピスウォーター』?



というわけで、濃度を測ってみたところ、『カルピスウォーター』が一番濃い(多くの成分が入っている)という結果に。



  • カルピス(5倍希釈時) …… Brix値 9.93%

    ※薄めるときの加減でかなり変動するので参考値。

  • カルピスウォーター …… Brix値 11.31%

  • 濃いめのカルピス …… Brix値 9.12%


……あら? 単純に『カルピスウォーター』より『濃いめのカルピス』のほうが濃度は高いのだろうと思っていましたが、逆なんですね。確かに、栄養成分表示の数字だけで判断すると、100mlあたりの成分重量は 11.37g と 9.07g で、『濃い目のカルピス』のほうが濃度が低くなるのは当然か……(ちなみに計測した Brix値とほぼ一致)。


塩分濃度の高さが味の違いに?

でも、飲んでみると、確かに濃い味がするのは『濃いめのカルピス』。『カルピスウォーター』の栄養成分と照らしあわせて、味に影響がありそうな点をピックアップすると、以下のような感じになりました。



  • 『濃いめのカルピス』の食塩相当量は『カルピスウォーター』の2.5倍

  • 『濃いめのカルピス』は甘味料(アスパルテームとアセスルファムカリウム)を使用


『濃いめのカルピス』は食塩の使用量が多いんですね。「風味全体を引き締め、すっきりした後味」にするために「宮古島の雪塩」を使っているそうですが、甘みを引き立てる塩のように働いている可能性もありそう? もうひとつ味に影響している要因は、甘味の強い人工甘味料を使っている点でしょうか。




▲『濃いめのカルピス』の原材料と栄養成分表示。




▲『カルピスウォーター』の原材料と栄養成分表示。


とりあえず『濃いめのカルピス』は原液を濃いめにしたもの……という単純な作りではないようですね(そんな単純なわけないだろ)。


最後に軽いまとめでも。



  • 『カルピスウォーター』の成分濃度は『濃いめのカルピス』より濃い

  • 『濃いめのカルピス』の食塩量は『カルピスウォーター』の2.5倍

  • 味的には『濃いめのカルピス』のほうが濃い(と感じる)

  • 成分の濃さと味の濃さはイコールではない

  • カロリーは『カルピスウォーター』より『濃いめのカルピス』のほうが低い


*    *    *


以上、カルピスの濃度をちゃちゃっと計測して「濃いめのやつがやっぱり濃かった!」という無邪気な結論で終わることを想定していたものの、逆の結果となったことで(想定できたはずだけど)、フワっとしたまとめとなってしまった企画でした m(_ _)m


※本企画で測定した濃度(Brix)は目安です。すべての商品で同様の結果になることを保証するものではありません。雑学ていどの感覚で認識しておいてもらえればと思います。


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