アマゾンでiPhone用Lightning(ライトニング)ケーブルを物色していると、自社ブランド「Amazonベーシック」製品がプッシュされますよね。
かなりお安いですし、MFi認証品なので買って問題はないと思います。でも、黒ケーブル(型番HL-007368)と白ケーブル(型番L6LMF001-CS-R)の2種類があって、微妙にお値段が違うんですよね。どっちを選べばいいのでしょう。
……まぁ、正直な話、心底どうでもいい事案ではあるのですが、なんとなく気持ちが悪いので両者の性能をガチ検証してみました!
2製品の違いはほぼナシ! ならちょっとお安い「黒ケーブル」がおすすめ
Amazonベーシック製ライトニングケーブルは『Apple認証 ハイクオリティー ライトニングUSB充電ケーブル 小型ヘッド設計』という商品名で販売されている。ラインナップは白と黒の2色。90cmタイプの通常注文価格を確認すると、白ケーブル(型番L6LMF001-CS-R)が702円、黒ケーブル(型番HL-007368)と648円と微妙な差がある。黒のほうが安い。※価格は2017年4月3日時点のもの
品質的に両者の違いはないと思われるが、念のため検証してみると、芯線構成など中身はほとんど同じのようだ。抵抗値に生じた差はおそらく個体差によるものだろう。
中身は同じ、価格はわずかに違う。よほどケーブルの色に対してこだわりでも持っていない限り、少しでも安価な黒ケーブル(型番HL-007368)を買うほうがお得と言えよう。
ちなみに、両者は包装パッケージが異なる。
↑黒ケーブル(型番HL-007368)はこのような簡易包装。
↑白ケーブル(型番L6LMF001-CS-R)は専用箱で発送される。このパッケージの差が価格差にあらわれているのかもしれない。
Amazonベーシック製ライトニングケーブル ホワイト(L6LMF001-CS-R)
コネクタ部分
ケーブル断面
仕様・検証まとめ
- 価格 702円
- 仕様 ストレート90cm
- MFi認証 ◯
- 用途 充電◯ 通信◯
- 抵抗値 191.0mΩ
- 電圧降下V(2A) 0.38V
- 電源芯線 0.07mmΦ × 44本
- シールド 編線 + アルミ箔 + GND線1
総合評価 ★★★☆☆
MFi認証品であり、アップルが規定する基本性能をクリアしているので問題なく使用できる。線材の構成、工作精度などはアップル純正品と比較すると落ちるが、欠点のない作りで702円(90cm)はお買い得だろう。ほぼ同じ構成の黒ケーブル(HL-007368)に対し抵抗値がやや高いものの、これは個体差によるものと思われる。
Amazonベーシック製ライトニングケーブル ブラック(HL-007368)
コネクタ部
ケーブル断面
仕様・検証まとめ
- 価格 648円
- 仕様 ストレート90cm
- MFi認証 ◯
- 用途 充電◯ 通信◯
- 抵抗値 163.0mΩ
- 電圧降下V(2A) 0.37V
- 電源芯線 0.07mmΦ × 44本
- シールド 編線 + アルミ箔 + GND線1
総合評価 ★★★☆☆
過去にも本製品を検証しているのだが、そのときとは線材の構成や組立てが多少変更になっているようである。以前の線材は0.10mmΦ × 26本、現行モデルは0.07φ x 44本の細い線で束を増加させている。わずかに曲げに強い仕様となった。MFi認証製品であり、性能面での問題はない。
検証項目について
検証① 導通抵抗の低さ
抵抗が低いほど電流が流れやすい。つまり低抵抗のケーブルならば安定して短時間で充電できるわけだ。充電用ケーブルではもっとも重要な指標となる。抵抗値が低ければロスなく電力を供給でき、大容量機器でも安定して急速充電できる。2.0A充電など高電流対応機器が登場しても、ケーブルの抵抗が高ければ、本来のメリットは薄まってしまう。
検証② 2A充電時の電圧降下V
ケーブルの抵抗によって発生する電圧降下。ここでは2A充電時のロスを抵抗値から算出している。
検証③ 充電専用かどうか
充電専用のケーブルはデータ線が接続されていない。PCと接続してデータをやり取りするような用途には使えないことに注意してほしい。
検証④ シールドの有無
通信ケーブルを覆ってノイズを遮断するための機構。充電性能には関係がないが、通信ケーブルとしても使用するならばあったほうがよいだろう。
測定方法について
導通抵抗の測り方
各ケーブルのライトニングコネクタ側の分解後に+-
電圧降下Vの計算
ケーブルの抵抗値と電流をオームの法則(V=I・R)に当てはめると、電圧降下(V)が算出できる。例として、ケーブルの抵抗値が200mΩで、10W充電(2.0A)するケースを想定してみよう。この場合、ケーブル(抵抗の両端)に発生する電圧降下は、0.2[R]×2.0[I]=0.4[V] となる。なお、エネルギーロスについては、2.0[I]^2×0.2[R]=0.8[W] が熱となって消えることになる。
※本企画の検証結果はすべての商品で同様の結果を保証するものではありません。個体差等により結果が異なる可能性を踏まえたうえで、購入する際の一材料として参考にしていただければと思います。また分解等の検証は専門知識を持つ者が行なっております。真似しないようご注意ください。