日ごろ漫画やゲームで慣れ親しんでいるファンタジーの世界。魅力的なキャラクターがたくさん登場しますよね。
そんなファンタジー世界観のイラストを描くためのコツを、イラストレーターの天野英さん(Twitter)にレクチャーしてもらいました。
第3回は「自然なマントの描き方」。数多くのゲームに携わってきたプロの考え方、技、ご参考にどうぞ!
※本企画は新刊『萌え絵の教科書 vol.5 ゲーム絵師が教える! ファンタジーイラストの基本ルールと魅せるテクニック』(天野英 著)から一部を抜粋したものです。
自然なマントの描き方
マントをなびかせるときは、風がどちらから吹いているか、布のアウトラインがどうなっているかを考えると、なびき方のコンセプトを考えやすくなります。派手になびくマントは、キャラクターのシルエットや構図をダイナミックに見せることができますので、カッコイイ布のシワのでき方や、風のはらみ方を考えてみましょう。
①通常の状態
動きがない状態では、体のラインが浮き彫りにならず、ほぼ垂直に落ちています。裾部分を円に描くとより静的に見えます。
②吹き上げた状態
吹き上げたときの裾のラインのポイントとしては、上下の不規則な曲線を描くことです。曲線の間隔が広いほど強風が吹くイメージです。
③逆風の状態
逆風のなびき方の場合、吹き上がる場合とは違い一定の方向になびかせます。シチュエーションとしては、「強靭な敵に立ち向かう」などに向いています。
④追風の状態
後ろから吹くマントは、体のラインがある程度くっきりわかります。表情や服装が隠れても、マントのなびきで雰囲気が出せます。
正面からのデザインパターン
①肩に留め金で留める
肩に留めることで、首のうしろにたわみができます。胸部に被ることがないため、服飾を目立たせることができます。
②首元に巻きつける
マントの裾を破くなどをすると、キャラクターの歴戦感が出ます。また、少し貧相に見える効果も。密使など、公に行動しないキャラクターに向いた羽織り方と言えます。
③首元で留める
マントの留め方としてよく見られると思います。飾りで留めるのでゴージャス感が出しやすいです。
④立て襟
貴族、ドラキュラ感が出ます。襟を立てることによって小顔効果や首を長く見せることができます。
⑤片マント
軍服のようなオシャレ感のあるデザインです。アンシンメトリーによって個性や美しさを出せます。
カーテンのなびき方を参考にしよう
マントのなびき方の資料としては、カーテンのなびきが非常に参考になります。画像検索をするのも良し、実際に写真を撮ってみるのも良いでしょう。風によって変化する膨らみ方や、裏地のラインも観察してみるのもリアルな描写の勉強になりますよ。
萌え絵の教科書 vol.5 ゲーム絵師が教える! ファンタジーイラストの基本ルールと魅せるテクニック
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コンシューマ・モバイルを問わず多くのゲームに関わってきたイラストレーターが、そのノウハウを活かして、印象的なキャラクターの作り方を伝授! 剣や鎧・魔法の杖・ドラゴンなど、ファンタジーの世界観を盛り上げる小道具・モンスターを描くテクニック。それっぽく見せるためのルールも大公開!
著者|天野英(あまの・はな)
元ゲーム制作会社所属のイラストレーター。ライトノベルなど小説の装丁、TCG やゲームのキャラクターイラストを中心に活動中。
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