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天才パティシエのヤジッド・イシュムラエン来日 辻口博啓と日仏2大共演 好きな日本のスイーツは「どら焼き」


左から辻口博啓さん、ヤジッド・イシュムラエンさん
左から辻口博啓さん、ヤジッド・イシュムラエンさん

パティシエのヤジッド・イシュムラエンさんが2月27日、都内で行われた自伝的映画『パリ・ブレスト〜夢をかなえたスイーツ〜』(3月29日公開)の上映後トークセッションに、パティシエ・ショコラティエの辻口博啓さんとともに登壇した。来日を果たした心境などを語った。

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ヤジッドさんは、モロッコ生まれの両親を持つも父親は不在で、母親はアルコール依存症だったため2歳半からホストファミリーに預けられる。ホストファミリーの息子がパティシ エだったことで、お菓子作りと他者から認められることを初めて経験。8歳で里親のもとを離れ、養護施設で暮らす。14歳の時にパティシエとして見習いからキャリアをスタートする。2014年、22歳の時、仏チームのリーダーとして参加した「冷菓世界選手権(Gelato World Cup)」で世界チャンピオンに。現在、世界各地の最高級ホテルのコンサルタントやルイ・ヴィトンなど高級ブランドとのコラボレーションを務め、南仏アヴィニョンにやギリシャ、スイス、カタールなど世界各地に店舗を持つ人気パティシエ。同映画は、そんなヤジッドさんの自伝を実写映画化した。

壇上でマイクを手にしたヤジッドさんは「実はこの作品は5年越しのプロジェクトだったんですよね。フランスのプロデューサーの方が、僕の自伝は映画化できる、それだけの価値がある、と思ってくださったから、この作品ができ上がった。5年前に『君はこの作品をたずさえて日本に行くよ』なんて言われても、まったく信じられなかった。それぐらい今は夢のようなことです」と話した。

辻口さんは、ヤジッドさんと同じく、洋菓子の世界大会で数々の優勝を経験。現在は後進育成やスイーツ文化の振興に取り組む他、能登半島地震で大きな被害を受けた石川県七尾市の出身で、ふるさと・能登地方への支援を続ける。

同作について「この映画を見たときにすごく感動した。ちょうど僕も18の頃に、実家が倒産してしまって、本当にゼロからのスタートだった」と述懐。世界大会を優勝し、自身の店を持つ反省が「ヤジッドさんの人生と重なるところがあった」と言い、「2人でこういう形で話ができて夢のような感じです」とほほ笑んだ。

ヤジッドさんは来日5回目。好きな日本のスイーツを問われて「日本のどら焼きがとても大好きなんです。朝ご飯でよく食べて好きなのは、日本風のパンケーキです」とニッコリ。それを聞いた辻口さんが「そうなの?」と目を丸くし、会場の笑いを誘う一幕も。ヤジッドさんは「日本風のパンケーキは、薄っぺらくなくてちょっとぶ厚い」と解説した。

すると辻口さんは「僕の家は薄かった。うちの家庭は混ぜすぎてるのかわからないけど、うちの母親のパンケーキはめちゃくちゃ薄かった(笑)」と強調した。「だからどっかのね……(良い店などの)パンケーキなんでしょうね」と意味深にコメントし、再び会場の笑いを誘った。

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