世界観にこだわりコンテンツとストーリーを作る
株式会社ビジュアルアーツ提供
――本日はよろしくお願いします。
――天雲様はシナリオライターとして現場で活躍をされていらっしゃったとお伺いしております。経営トップとなり、今のお気持ちはいかがでしょうか。
天雲「まだ、就任後、間もなくて、実感は湧いていないというのが本音です。ビジュアルアーツの強みや、魅力を最大限に生かして、経営マネジメントを進めていくということに、プレッシャーを感じています。」
天雲「ですが、今のところ大規模な方針転換などは考えていません。現状でのビジュアルアーツの立ち位置を守りつつ、ビジュアルアーツや『Key』ブランドの強みをブラッシュアップしていきたいと考えています。」
――ビジュアルアーツ様は今年7月にテンセントグループに株式譲渡されました。こちらと併せて、今後の展望について詳しくお伺いしたいです。
天雲「我々ビジュアルアーツは、物語作りに自信があり、一方でテンセントグループは開発力、資金力において非常に強い力を持っています。ですので、双方の強みを通じてシナジーを生み出せるような関係性を目指していきたいと考えています。」
天雲「物語や世界観を大事にしつつオリジナルコンテンツを育てていく、ビジュアルアーツの方針は変わりません。ただそうしたテンセントグループの強みを活かし、世界へ打って出る機会を今後増やしていきたいと考えています。」
天雲「世界に日本、そしてビジュアルアーツのコンテンツの良さを広めていきたいと志しています。」
――日本のコンテンツを、さらに広めてもらえる事を期待しています。
最大の価値は「物語の創造」
――天雲様の考える、ビジュアルアーツの強みについて詳しくお伺いしたいです。
天雲「私たちの強みは、創業以来一貫してきた、物語・世界観を大事にしたオリジナルコンテンツ作りです。」
――直近で行われたSteamのセールでも、keyブランドの作品がランキングに入られていましたよね。
――物語を主軸としたビジュアルノベル方面でビジュアルアーツ様の右に出るゲーム会社はなかなかいないと感じています。
天雲「複数のクリエイターを軸に物語や原作作りをしっかりやれる会社というのは日本でも希少な存在であると思っています。」
天雲「例えば出版業界ではものすごく魅力的なコンテンツを持っている会社はたくさんあります。ですが、世界観やキャラクター、物語作りに特化してオリジナルコンテンツ作りを行える会社は、多くはないのかなと思います。」
――2022年には、keyブランドがシナリオを手掛ける『ヘブンバーンズレッド』がGoogle play ベストゲームに選出されました。
――コンシューマー向けビジュアルノベルを主に手掛けてきたkeyブランドがソーシャルゲーム領域でも活躍していることからも、そうしたオリジナルコンテンツを作る実力の高さは伺えると思います。
――そのような強みが生まれた理由はどのような点にあると考えていますか?
天雲「ビジュアルアーツでは、元々シナリオライターが開発の中心となって企画・運営する流れがありました。」
天雲「シナリオをどのようにユーザーに届けるか、という点を重視した開発環境が作られることで現在の世界観や物語を重視する社風が根付いていったと考えています。」
自分で作り、自分で売る|一気通貫の開発体制が成長を支える
ビジュアルアーツ公式Xより引用
――ビジュアルアーツ様は今年で創業33周年を迎えますが、今もなお成長し続けている要因はどのようなものだとお考えでしょうか。
天雲「自社で大部分のコンテンツ展開を行えている点と、根強いコアファンに支えられている点が大きいと思います。」
――コンテンツ展開については、アニメや音楽などマルチに展開されている印象があります。
天雲「そうですね。コンテンツからキャラクター、アニメーション、音楽、イベント、商品グッズまで自社で一気通貫で行っています。コンテンツに合わせたアウトプットを柔軟に行えている点は非常に大きいと思います。」
――確かに、ビジュアルアーツ様の作品は特に音楽に力を入れているケースが多いように感じます。作中アーティストが作品外で新曲やアルバムを展開するケースはそうした体制により生まれているものなのですね。
天雲「音楽を自分たちで制作してライブやイベントを開催して、多角的に世界観を拡張してユーザーに届けていくことは意識していますね。それが、結果として成長に繋がっていると感じています。」
――一気通貫の体制が開発の自由度だけでなく、ユーザーの満足度の向上にも繋がっている点は非常に面白いと思います。
天雲「そうですね。色々なユーザーにコンテンツの魅力を広め遊んでもらいたいという意識も根底にあります。」
天雲「ビジュアルアーツはゲーム会社というわけではなくコンテンツ制作会社なので、今後もゲームにこだわらず多角的な展開を勧めていくつもりです。アニメーションの製作委員会に原作を提供することも継続していきます。」
天雲「自社で作ったコンテンツを自社でこだわりを持って売っていく。それが、これからも成長を持続する強みになると思っています。」
――現在アニメイト様で行われている『ビジュアルアーツ 夏フェス2023』のように、過去作品のコンテンツ展開を継続的に行い続ける姿勢は印象的ですね。
創造力と想像力
株式会社ビジュアルアーツHP引用
――ビジュアルアーツの強みである物語を作る力について必要なことは何でしょうか。
天雲「クリエイティブな意味での創造力と、ユーザーの立場に立って考えることのできる想像力や共感性が必要だと考えています。」
天雲「ビジュアルアーツに応募される方はクリエイティブに関しては高い能力をお持ちの方が多いのですが、そうしたクリエイティビティをユーザーにどう伝えていくのか? という点で差が生まれることが多いです。」
天雲「クリエイターとしての能力を持ちつつ、同時にユーザーに適した形でコンテンツを作っていく感性のある方にご応募いただけると大変嬉しいですね。
――どちらも簡単に比較できない、非常に重要な能力・感性だと思います。
天雲「他にはアンテナが高かったり、好奇心が強いことが重要です。トレンドが変化しやすい時代だからこそ、新しいものをポジティブに受け入れ続けることが何より重要なのかなと考えています。」
ビジュアルアーツの採用方針について
株式会社ビジュアルアーツHP引用
――ビジュアルアーツ様は現在人材採用にも力を入れられているとのことで、こちらはどのような方針で行われているのでしょうか。
天雲「全体的に開発チームの規模を大きくする形で考えています。」
天雲「ビジュアルアーツでは自社開発のモバイルゲーム領域にも力を入れており、加えて従来のゲーム開発の方も質・量共に強化していきたいと考えています。」
天雲「なので特定の領域に特化した採用ではなく、現在の開発チームをそのまま拡張していくようなイメージです。」
天雲「現状では世界観を作るライター、企画立案を行うプランナー、モバイルゲーム・ノベルゲームのディレクター、イラスト関連業務を行うアートディレクターの方を募集しています。これらの仕事は特に需要が高いです。」
――近年ではゲーム開発の規模が拡大しているので、人材確保は特に重要な課題だと思います。
天雲「そうですね、スマホゲーム市場はここ数年で大きく変化しています。」
天雲「以前はコンシューマーゲームの一部要素を切り取った小規模な作品が多かったですが、近年ではマルチプラットフォームで幅広い端末に対応した作品が増えています。」
天雲「スマートフォンの精度向上や、開発の規模拡大に伴う形でよりリッチな体験をユーザーが求めるようになったと感じています。その中でスマホゲームにおけるシナリオの重要性も上がっていると考えています。シナリオもゲーム性も重視され、以前より一歩進んだゲーム性が求められるようになっています。」
天雲「また、スマホは世界中ほぼ全ての地域で使われているという利点もあり、ソーシャルゲーム部門の成長が著しいです。そうした部分でクリエイティブを発揮できる方はぜひ一緒に働きたいですね。」
天雲「テンセントグループに入り、コンテンツを世界に広げていくチャンスだと思っていますので積極的に採用を進めて行く予定です。」
ビジュアルアーツでのキャリアパス
株式会社ビジュアルアーツHP引用
――ビジュアルアーツで働く場合、どのようなキャリアパスが想定されるでしょうか。
天雲「クリエイターとしてのキャリアパスは、スペシャリストコースとマネージャーコースの二種類があります。」
天雲「スペシャリストコースはその名の通り、自分の職能を極めていく、追及していくことを目指してもらうということになります。」
天雲「マネージャーコースでは自分の経験値を後進に伝え、指導していく形になっています。」
天雲「向き不向きの問題もあるので両方のコースを想定していますが、マネージャーコースが比較的一般的なキャリアパスとなっています。」
――天雲様の場合は、どのようなキャリアを歩まれたのでしょうか。
天雲「私は20代までは現場で働いておりまして、30歳からマネジメントの仕事が増え、40代のほとんどはプロデューサーとして現場全体を統括していました。」
――ビジュアルアーツ様でキャリアを歩む上でどのような点が重要だと考えていますか。
天雲「自分の手で、自分の作りたいゲーム・コンテンツを作りたいという気持ちを大事にしています。」
天雲「そのために資金、人員、企画、進行管理などの全体を管理する能力は非常に重要です。また特化した能力を発揮する人材も必要ですから、そうした意味では、スペシャリストコースも非常に重要なキャリアパスだと考えています。」
働き方とやりがい
――世の中の働き方が多様化しておりますが制度など含めて取り組まれていることなど教えて下さい。
天雲「まず、労働時間が短いです。10:00~18:00、1時間休憩除くと実働7時間です。」
天雲「ホームページにも記載していますが、有休消化も100%を目指していまして、消化率は高いです。」
天雲「離職率も一桁であり、長く働ける環境は整えていると自負しております。」
――数値的には非常に働きやすい環境ということですね。
天雲「そうですね。管理職手当や技能手当、家族手当などよく聞く手当の他に、コミケ手当や発売手当など珍しい手当もあります。」
――コミケ手当、発売手当とはどのような手当でしょうか。
天雲「コミケ手当とは、会社がコミックマーケットに出展し、かつ現地出展業務に従事した場合支給されます。アニメ・ゲームコンテンツにとって非常に重要なイベントですので、そこに参加する社員にはしっかりと補填するようにしていますね。」
天雲「発売手当は、リリースしたタイトルの売上に応じてインセンティブを支給する手当です。利益の5%を貢献度に応じて還元しているので、売れれば売れるだけ報われる形になっています。」
――企画に直接関わるスタッフは、特に気合が入りそうな制度ですね。
天雲「そうですね。開発のポジションや貢献度に応じて配分しているので、立場によっては野球選手並みに報酬を得ている方もいますね。そうした部分で『やりがい』というモチベーションには直結すると考えています。」
――働きやすい職場環境とやりがいを感じる制度がうまく両立している印象を受けました。
天雲「ゲーム開発者は、仕事にのめり込む傾向がありますので、健康も仕事も両立して、継続していけることが大切ですね。」
一緒に働きたい人物像
株式会社ビジュアルアーツHP引用
――採用に当たって、一緒に働きたい人物像を教えて下さい。
天雲「先ほど申し上げた能力面での人物像はもちろん重要ですが、最終的に気持ちの問題が一番重要だと考えています。」
天雲「弊社はまだまだ小規模な企業ですが、今後チャンスをどんどん切り開いていける会社だと思います。クリエイティブの世界で名を上げたい、一旗揚げたいという野心を持っている方に来てもらいたいと考えています。我々としても、そうした若いクリエイターを全力でバックアップしていきたいです。」
天雲「長く働ける環境は整備されています。結果に報いる制度もあります。鼻っ柱が強く芯があり、野望を抱いた方をお待ちしています。クリエイティブの世界で勇名を轟かせるには、ちょうどいい環境ですよ!」
想像力と遊び心を大事にするビジュアルアーツの採用メッセージ
株式会社ビジュアルアーHP採用メッセージより
VISUAL ARTSはゲームを中心としたIPコンテンツを制作する会社です。
かつては「オタク」は日陰者とされていた時代がありました。いまやすべての日本人が、なんらかのオタクコンテンツに触れて生活しているといっても過言ではありません。そしてこの潮流は世界へと広がっています。私たちは世界へ広がるコンテンツ制作に、共に手を取り合える仲間を募集しています。
株式会社ビジュアルアーツ代表取締役 天雲 玄樹
株式会社ビジュアルアーツは平成3年の創業以来、ノベルゲームを通して物語をお届けしてきました。 たくさんのご応援をいただいた結果、数多の作品がノベルゲームの枠組みを飛び越え、コミック、アニメーション、劇場作品としてメディアミックス化され、全世界のファンの皆さまへとお届けすることができました。 これからも既存の枠にとらわれないオリジナリティを追求し、より多くのステージで、ワールドワイドに魅力を広げていきます。