カンヌ国際映画祭の常連にしてその出品作品が賛否両論を巻き起こしがちなフランスが誇る奇才、ギャスパー・ノエ監督。

雪山の廃墟の中で誤ってLSDを摂取したダンサーたちが、地獄絵巻さながらに壊れていく様を描いた衝撃的な前作『CLIMAX クライマックス』も記憶に新しいが、今回は51分と尺の短い本作も、なかなかに観る者の不安を煽り不穏な世界に引き込んでいく怪作に仕上がっている。

物語の舞台は、魔女狩りに関する映画の撮影現場。

監督役に「ベティ・ブルー」のベアトリス・ダル、女優役にシャルロット・ゲンズブール。

彼女ら監督、女優に加えプロデューサー、撮影監督らのそれぞれの思惑が対立しあるいはすれ違い、現場は次第に混沌を極めていく。

この「次第に壊れていく」過程こそギャスパー・ノエのお手の物、前作と異なり派手で挑発的なダンスや音楽こそないものの、数種類の色が高速点滅するストロボ効果や画面を大胆に分割して見せる手法が取られ、観る者の不安を(人によってはぐったりさせるほどに)掻き立てる。

この映画、ファッションブランド、サンローランのクリエイティブディレクターが発足させたアートプロジェクトの一環として製作された。

当然と言っては何だがカンヌではまたもや絶賛と酷評の真っ二つに反応が分かれたとのこと。

理屈ではない異様な映画「体験」を観客に味合わせたくてたまらないギャスパー・ノエ。

そんな彼のいたずらっぽい笑みがストロボの合間に一瞬垣間見えたような気がした。

Ⓒ2020 SAINT LAURENT-VIXENS-LES CINEMAS DE LA ZONE

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記事名:「【レビュー】薄暗く閉ざされた世界でフラッシュ点滅しながら加速する狂気一『ルクス・エテルナ 永遠の光』