長野・松本市教育委員会は、中学校の不適切対応によって、女子生徒が自殺未遂をしたと発表。
今回、その調査報告書を公表した。
必要な情報を共有せず
中学1年の女子生徒は、持病があり配慮が必要だった。
この件は、中学進学前から、在籍していた小学校と進学先の教頭を交えた会議が開催されていた。

しかし、教頭は女子生徒の担任や養護教諭に、その情報を共有していなかった。
高圧的な態度などで心を痛める
また、女子生徒は担任の荒々しい言動や差別的発言、高圧的な態度に心を痛め、学校を休みがちに。

頑張って登校した日には、担任から「なんだお前、来たのか。で、今日はどうするんだ、帰るのか」。
「明日はどうするんだ。休むのか。帰るのか」といった趣旨の言葉を浴びせられた。
帰宅した姿を目撃した保護者には、生徒の『心が折れた』ように見えた。
男女同じ教室で着替え
以前、給食の時間に生徒は「(ご飯の量を)減らしていただけませんか」と、担任に尋ねた。

すると担任は「それぐらいは食べろ」と発言。
給食後には「掃除があるので、自分の席で着替えてください」と、男女が同じ教室で着替えるように、担任が指示した。
多くの生徒が「えー」と驚いたこともあった。
遺書を作成し自殺未遂
2023年6月7日、女子生徒はカッターナイフで、手首を切ろうとした。
遺書には「パパ、ママ ごめんなさい。やくたたずの弱いむすめでごめんなさい。今までありがとう」。
「私をこんなめにあわせたやつをゆるさない」。
「教頭、担任、きょういくいいんかいの人をぜったいゆるさない ずっとうらみつづける」などと書かれていた。
生徒はその後も、何度かカッターを腕に当てたり、無意識に包丁を腹に当てたりした。
「死を選ばざるを得ない子どもがいる」
調査委員会は「全国的に、教職員の強い指導によって、死を選ばざるを得ない子どもがいることが大きな社会問題となっている」と指摘。

また、女子生徒の保護者は「校長、教頭、担任が自分自身の発言に責任を持っていない」。
「覚えていない、言い訳ばかりであり、自分が正しいと思いすぎており、一番大切にしなければならない子どもの気持ちを無視」。
「二度と教員が原因で悲しい思いをし、『死』を考えるということが繰り返されないことを強く望みます」などとコメントしている。