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『カレー店』倒産・過去最多 「コメ高騰」も影響 原材料高で店の経営を圧迫…


2024年度、「カレー店」の倒産件数が13件と過去最多を更新しました。これは前年の12件から増加した数値であり、市場から撤退するカレー店が多いことを示しています。かつてはテイクアウトやデリバリーの需要が多くのカレー店を支えていましたが、現在はランチ需要を巡る競争が再び激化し、加えて、米や野菜などの原材料価格が高騰し経営に大きな影響を及ぼしています。カレーライス1食あたりの価格指数は365円と過去10年で最高値を記録しています。今後の課題としては、コスト高をどう乗り切るかが挙げられ、特に個人経営のカレー店は厳しい状況に直面しています。ただし、一部ではインバウンド客の増加や新規店舗展開により客数増加を狙う動きも見られます。

帝国データバンクは、「カレー店」の倒産動向について調査・分析を実施。

今回、その結果を公表した。

多くのカレー店が市場から撤退

2024年度(2024年4月~2025年3月)に発生した、インド料理店などを含めた「カレー店」の倒産(負債1,000万円以上、法的整理)は13件。

前年度(12件)に引き続き高水準で推移し、年度で過去最多を更新した。

2025年度も既に2件の倒産が発生したほか、個人営業など小規模店の廃業や閉店を含めると、実際にはさらに多くのカレー店が市場から撤退したとみられる。

経営上のメリット

テイクアウトやデリバリー業態との相性の良さに加えて、多くのスパイスを使った本格的なカレーを味わうニーズの広がりも追い風に、外食需要が急減したコロナ禍でも生き残った店舗は多かった。

また、単身者や昼間のランチといった「1人外食」から、ファミリー層まで老若男女を問わず人気の高いメニューであること、オーダーから提供までの時間が短いこと。

さらに、仕込みに必要な食材も安価に調達できるといった、他の外食業態にはない経営上のメリットも大きい。

そのため、個人での起業から外食チェーン店による参入、レトルト専門の通販企業、キッチンカーなど、大小さまざまなカレー店が進出してきた。

特需が一服&コメ高騰

ただ、コロナ禍のデリバリー・テイクアウト特需が一服。

ランチ需要などで他業態との競争が再び激化したこともあり、経営が悪化するカレー店が増加した。

加えて、近時は野菜類に加え、これまで安定的に安値で入手できたコメ価格が急上昇するなど、原材料高が中小カレー店の経営に大きな影響を及ぼしている。

過去10年で最高

食卓に与える物価高の影響を可視化した「カレーライス物価」をみると、2024年度は1食365円となり、過去10年で最高を更新した。

なかでも、「ごはん(ライス)」はコメ価格の高騰を背景に、5年前から1.4倍に上昇。

また、カレー具材の「肉・野菜」でも、円安による輸入牛肉の高騰や天候不順の影響による野菜の高騰で、5年前比1.3倍に上昇した。

食材費以外にも、光熱費や人件費といった店舗運営コストも上昇している。

先行きが見通しにくい状況

足元では、「日本のカレー」を目当てに来店するインバウンド客が増加。

さらに、チェーン店ではフードコート内店舗やロードサイド店の新規出店により、客数と客単価の向上を目指す動きもある。

コメ価格や野菜価格も先行きが見通しにくい状況のなかで、カレー店の今後の動向が注目される。

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