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尾木直樹氏が登壇!東京都公立学校教員採用セミナー2024「TOKYO教育 Festa!」開催!転換期にある教職のリアルを知る


10月20日、東京都教育委員会は「TOKYO教育Festa!」を開催。教員志望者や教育関心者向けに、教育現場のリアルを伝える場として企画され、1194名が参加。著名な教育評論家尾木直樹氏が講演し、教育の未来を語った。参加者は未来を拓く教師になるための、聴く力、やさしさと厳しさ、目標設定の重要性を学んだ。また、イベントではミニ授業制作体験も実施され、実際の教員体験を通じて教育の魅力を実感した。講演では子ども基本法の施行に伴う新たな教育の在り方も討論された。

10月20日(日)都内にて、東京都教育委員会による東京都公立学校教員採用セミナー2024「TOKYO教育 Festa!」が行われた。

教育現場の最前線を知る

本イベントは、教員志望者や教職に関心を持つ参加者に対し、リアルな教員の姿を発信することを目的としている。参加者は、学生や教員免許を取得したものの教員経験がない者、子育てや介護等でしばらく教職を離れていた者、教員免許は未取得だが教職に興味を持つ者など、多岐にわたる層で構成されていた。今年度は事前予約制であり、1194名が参加した。参加者は東京のみならず、地方からも多数集まった。


本イベントのメインステージ「未来を拓く教師〜子どもに寄り添って〜」では、教育評論家・法政大学名誉教授の「尾木ママ」こと尾木直樹氏が登壇。尾木氏は早稲田大学を卒業後、高校や中学校の国語教師として22年間、その後大学教員として22年間、合計44年間教壇に立った経歴を持つ。現在は臨床教育研究所理事の所長として現場に密着した調査研究に取り組む一方、教育評論家、法政大学名誉教授、東京都立図書館名誉館長、東京都教育長など幅広く活動している。

未来を切り拓く力は教育にあり

尾木氏は「世界中、本当にこれまでの常識が通用しないような社会情勢がやってきました。そういうときに一番求められてるのが、実は教育なんですよ。教育の役割は未来を拓く役割を担っているし、日本全体で言えば日本の国の方向性、未来を築くっていうことで非常に重要です。そういう中で子供に寄り添う視点があれば、まず間違いありません」と教育の重要性について語った。



尾木氏は大切な3つの教師力として、聴く力、やさしさと厳しさ、そしてアドバルーンを​揚げて前進することが重要だと話す。聴く力とは「悪いことをしている子にどうしたの?と理由を聴く。聴いた上で大変ねと寄り添うと、自分の気持ちをわかってくれた、共感してくれたなっていう安心感から飛躍するんですよ」。やさしさと厳しさとは「厳しさは大きな声で怒鳴るとかではなく、人権侵害、人間の尊厳を傷つけるようなことは絶対に許さないということですね」と説いた。

また、アドバルーンを​揚げて前進するとは「表現的には目標とか目的とか、そういうものを掲げましょうと。アドバルーンが低くなると、学校全体の文化とかそういうものが下がってきます。するともう大変です。もう何でもありの学校になったり、先生まで巻き込まれて一緒に何か悪さをするとかね。狙いとか目的目標というのは高く掲げて、それをみんなで共有していくことが重要です」とコメント。

続けて、こども基本法が施行された新時代に教師として働く喜びについて語った。「これからは子どもを先頭に置くのではなく、子どもを真ん中に置く社会が必要です。子どもに頼っていくのではなく寄り添っていくこと。気を楽にして子供と楽しい実践、学校づくりや学級づくりをやっていってほしいと思います」と締めくくった。

「はじめての授業づくり体験〜ミニ授業をつくってみよう〜」のコーナーでは、教師の職業体験を受けることができた。本コーナーでは、4つの中からテーマを1つ選び初対面の参加者同士で5分間のミニ授業を発表できる。テーマは国語・ひらがなの「と」、外国語・行きたい国、算数・足し算「5+8」など小学校の授業をイメージしており自由に作成することも可能となっている。

まずグループ内で自己紹介等のアイスブレイクを行い、その後参加者は自分が受けたい授業について共有し合った。その後授業をする教師グループと授業を受ける子どもグループに分かれて授業を行う。参加者は20分間グループ内で話し合い、既存の授業に囚われすぎない自由な発想で思い思いの授業をつくり上げていた。

「TOKYO教育 Festa!」では、働き方改革後の勤務条件や教師としてのやりがいなど、現役教職者の意見を直接聞くことができる。教職志望者や現在興味を持っている方、また将来の選択肢として教職を視野に入れたい学生にも、ぜひ次回のイベントで教職の現実に触れてもらいたい。

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