帝国データバンクは、2024年10月以降における食品の値上げ動向と、展望・見通しについて、分析を実施。
その結果を、公表した。
年内最大の値上げラッシュ
主要な食品メーカー195社における、家庭用を中心とした10月の飲食料品値上げは2,911品目を数えた。
前年10月と同様に、ハム・ソーセージ製品など加工食品やPET飲料などで大規模な値上げが発生し、4月(2897品目)を14品目・0.5%上回って、年内最大の値上げラッシュとなる。
また、2024年通年の値上げ品目数(予定含む)は、12月までの累計で1万2401品目となり、年間の平均値上げ率は17%。
コメ価格の高騰を要因としたパック米飯製品でまとまった値上げが予定され、11月は11カ月ぶりに前年同月を上回るものの、年末にかけて値上げは沈静化するとみられる。
物流費上昇が影響
2024年の値上げ要因では、最も多いのが「原材料高」(92.7%)。
年前半では割合が小さかったものの、チョコレートやコーヒーなど、猛暑や干ばつによる不作を理由に一部原料で価格上昇の影響がみられた。
このほか、「物流費」(68.6%)由来の値上げ割合が上昇傾向にあり、24年10月における「物流費」値上げは7割を占めた。
「円安」由来の値上げは24年通年で28.4%、「人件費」由来の値上げは26.7%を占め、それぞれ前年を大幅に上回る水準で推移。
粘着的な値上げ圧力
2024年における飲食料品の値上げは、当初沈静化が予想された「原材料高」の影響が長期化したほか、食品トレーやびんなど包装資材、物流費。
さらには一時1ドル=160円を突破する記録的な円安も加わり、粘着的な値上げ圧力が続いた。
足元では、コメ不足に伴う原料米の価格高騰を背景に、パック米飯で一斉値上げといった動きもあるものの、11月以降は総じて落ち着いた推移が見込まれる。
また、2024年通年の値上げは前年(3万2396品目)に比べて、4割程度の水準となる1万3千品目以下での着地を想定。