事実をもとに映像化し、知られざるアナウンサーたちの苦悩と葛藤を描いた映画『劇場版 アナウンサーたちの戦争』が、16日(金)に全国公開された。
公開を記念して、主演の森田剛、演出の一木正恵が初日舞台挨拶に登壇。
「すごく似ている」
映画上映後、大勢の観客の前に立った森田は「このようなすてきな作品に参加できたことをうれしく思います。監督はずっと映画にしたいとおっしゃっていたので、この日を迎えることができてうれしく思います」とあいさつ。
森田が演じるのは、戦況が激しくなる中で、アナウンサーとしての職務に葛藤し、苦悩する和田信賢だ。
森田と和田アナとの共通点として、「才能の生かし方を計算しているのではなく、瞬間的に一番高いところに、発火しているところに飛び込んでいくところがすごく似ているなと思った」という一木。
「未来ある若者に…」
また、本作について森田は「戦争を描いたドラマはほかにもありますが、アナウンサーという視点は、なかなかないなと思いました」。
「僕自身も知らなかったですし、まわりに聞いても初めて聞いたという声が多かった。だからこそ伝えるべきだと思ったし、和田信賢さんを演じる上で、彼の純粋な部分と、戦争に巻き込まれていく過程と、どうしようもない現実というところの表現に興味が沸きました」。
「そしてこういう作品を、未来ある若者に観てもらいたいなという思いがありました」と熱く語った。
「自分を守る、大切な人を守りたい」
くしくも前日の8月15日は終戦記念日。
そして翌年は、終戦から80年という節目の年となる。
森田は「これは本当にあった、事実の話なので。昔話でもなく、今の話だと思います。この映画を観て、自分を守る、大切な人を守りたいと思う」。
「皆さんが、そういうことを考える時間になればいいなと思います。本日はありがとうございます」と話し、イベントは幕を閉じた。
『劇場版 アナウンサーたちの戦争』
©2023 NHK
全国公開中
配給:NAKACHIKA PICTURES