2/13は「NISAの日」です。2014年に開始した小額投資非課税制度「NISA(ニーサ)」を記念し、「ニ(2)-サ(13)」と読む語呂合わせから、特定非営利活動法人・確定拠出年金教育協会によって制定されました。
今年から新NISA制度が始まってから、約1ヶ月が経過しました。まだ新NISAを始めていない方や、始めてみたものの、どのように運用したら良いのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、新NISAで失敗しないための「ファンドの選び方」を解説したいと思います。それではまず制度を改めて確認していきましょう。
新NISA制度は、少額投資非課税制度のことでNISA口座内で、株式や投資信託などの金融商品を購入すると、売却益や配当金にかかる税金が原則として非課税になります。
金融庁「新しいNISA」よりGFS作成
新NISAには運用する上で5つのポイントがあります。
- 非課税保有期間が無期限化
つみたて投資枠と成長投資枠のそれぞれの投資枠があり、投資限度額内であれば、無期限で非課税で運用をすることが可能です。
- 口座開設期間の恒久化
利用可能期間が恒久化されており、18歳以上の人であればいつでも口座を開設することができます。
- つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能
1つのNISA口座でつみたて投資枠と成長投資枠の両方を併用することが可能です。
- 年間投資枠が大きい
つみたて投資枠は120万円、成長投資枠は240万円に設定されています。
- 非課税保有限度額が拡大
生涯にわたる非課税限度額が設けられています。これを生涯投資枠と言いますが、その上限は1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円)です。
NISAだけなく、投資において重要なことの1つに利回りというものがあります。「利回り」とは、投資した元本から一定期間に、どのくらいの利益が得られたかを表すものさしです。「投資金額」に対して得られる収益の割合」を指す用語で、「リターン」もしくは「トータルリターン」と呼ばれることもあり、投資全般に使われています。
投資信託の場合、収益には売却(換金)した際に得られる①「譲渡損益(売却損益)」と、運用次第で投資家へ分配・還元される②「分配金」の両方が含まれます。
一般的に、1年間に得られる収益の割合=「年利回り(年利とも呼ぶ)」を利回りと呼び、金融商品を購入する際には、この利回りが重要な指標です。
つまりこの利回りが低いと、当然リターンは低く、利回りが高いとリターンも高くなります。それでは利回りが変わると、将来的に受け取れる金額が変わるのでしょうか。
ここでは月々の投資金額30,000円で20年間、新NISAで積立投資を行う場合、運用利回り3%、5%、10%でパフォーマンスがどのくらい変わるのかをシュミレーションしてみたいと思います。
新NISAで月々30,000円の積立投資を平均利回り3%、20年間行う場合、最終積立金額は約984万円という結果になりました。積み立てる金額は720万円ですので、約260万円の利益が出ています。しかし、これではあまりパフォーマンスが良いと感じない方もいるかもしれません。それでは運用利回りが5%の場合はどのようなシュミレーション結果になるのでしょうか。
平均利回り5%で運用をすると、最終積立金額は約1,200万円という結果になりました。平均利回り3%で運用する時よりも250万円程、パフォーマンスは上がるということです。新NISAを運用する目的の1つに「老後資金」を意識する人も多いと思いますが、例えば40代の人が「老後2,000万円問題」を意識して、2,000万円の資産形成を目的に積立投資を行う場合、投資期間が足りない、もしくは月々の積立金額を上げる必要性が出てきます。
それでは平均利回りが10%で運用する場合はパフォーマンスがどの程度、上がるのでしょうか。
平均利回り10%で運用すると、約2,200万円というシュミレーション結果になります。ここでようやく2,000万円を越えてくる計算になります。
つまり新NISAを運用するには利回りを意識して、ファンドを選ぶということがとても重要になります。
それでは新NISAではどのようなファンドを選ぶのが良いのでしょうか。NISA対象の主要ファンドの過去30年間の平均利回りを見ていきたいと思います。
こちらがNISAに認可されている主要ファンドの平均利回りです。過去30年で見ると、アメリカのS&P500や、ナスダック、インドのSENSEXのパフォーマンスが高いのが分かります。ただあくまでも過去のデータです。未来を予測することはできません。この先、このような平均利回りになるかどうかは現段階では分かりません。
新型コロナウィルスが世界中で流行した2020年はどのファンドも下落をしました。この感染症が流行することは誰も予測することはできなかったと思います。そのためにリスクを分散させて複数のファンドで積立投資を行う分散投資を行うというのも選択肢と考えても良いかもしれません。
お金の知識はなくても、きっと生活することは可能です。しかし、知識があればみなさんの生活がより豊かになると思います。是非、これからお金や資産形成の知識を体系的に身につけていただき、新NISA制度を活用して、資産形成を行っていただければと思います。
記事提供
グローバルファイナンシャルスクール(GFS)について
資産形成教育の浸透を目指す、オンライン金融スクールです。講義数、講師数、講義時間数、生徒数は業界最多となり、2024年1月末現在の生徒数は33445人。