東京都は、5日に日野市の小学校で、20人が食中毒の症状を訴えたと公表。
同日の1,2限目と3,4限目に、5年生の調理実習を行っていたという。
トレンドニュースキャスター取材班は、東京都福祉保健局から、詳しい話を聞いた。
ジャガイモが原因
都福祉保健局食品監視課によると、5日午後3時35分ごろ、日野市内の小学校から南多摩保健所に「家庭科の授業で、ジャガイモを塩ゆでして食べたところ、複数名が腹痛、頭痛、発熱、倦怠感の症状を呈した」。
「調理実習では、ジャガイモ以外は食べていない」との連絡が入ったという。
調理実習に参加していたのは、1,2限目38人、3,4限目37人の計75人の児童。
うち20人が、ゆでたジャガイモを食べて約50分~6時間後に、頭痛、吐き気、腹痛、発熱などの症状を訴えた。
教員がガレージで保管
この日の調理実習に使用したジャガイモは、120個。
すべて家庭科の専任教員が、5月31日に農家から直接購入した。
教員は購入した日から調理実習の当日まで、ジャガイモを自宅ガレージで保管。
このガレージには、時間帯によっては日光があたっていたという。
この状況が、食中毒の要因になったとみられる。
有毒物質のソラニン類
ジャガイモには、発芽部分や皮に、有毒物質であるソラニン類(主にソラニンとチャコニン)が含まれている。
なお、ソラニン類は、日光があたると増加する。
このソラニン類を、大量に含んだ部分を除去せずに摂取すると、食中毒を引き起こすことがあるのだ。
食中毒発症の数値を検出
今回残ったジャガイモを、東京都健康安全研究センターが検査したところ、ゆでたジャガイモの皮から830mg/kg、ゆでたジャガイモの中身から163mg/kgのソラニン類を検出。
なお、子どもは15.6~40mgのソラニン類を摂取すると、食中毒を発症すると考えられている。
今回の調理実習で、児童が食べたジャガイモの平均は100g。
中身だけを食べた児童でも、食中毒を発症する数値に達していたと、保健所はみている。
なお、皮ごと食べた児童もいたという。
今回、食中毒を発症した20人は、いずれも軽症で全員回復している。
冷暗所に保管
ソラニン類の食中毒を防ぐには、まず芽が出ていたり、皮が緑色に変色したジャガイモを買わないこと。
食品監視課は、トレンドニュースキャスターの取材に「ジャガイモは暗くて通気性がよい場所に保管。また、芽や皮はあらかじめ取り除き調理すること」。
「特に緑化した部分は、厚くむき取ることが大事」と述べた。