日頃から、食品安全対策を中心に情報提供を行っている、厚生労働省食品安全情報アカウント(@Shokuhin_ANZEN)。
今回アニサキスに関する投稿が、大きくバズった。
トレンドニュースキャスター取材班は、その意図などについて、担当者から話を聞いた。
257万表示突破
今回、Twitter上に「アニサキスは魚介類の寄生虫です。食酢、塩漬け、醤油、わさびでは死滅しないので、刺身やしめ鯖などの調理の際も目視確認が重要。さらに、冷凍・加熱が有効です」などと投稿。
3万以上のいいねを獲得し、257万表示を突破している。では、なぜここまで大きな反響となっているのか。
職員間でアイデアを出し合った
厚労省生活衛生・食品安全企画課は、トレンドニュースキャスターの取材に対して「普段から食品安全に特化した情報を掲載しているが、インプレッション数が伸び悩んでいた」と話す。
そこで、職員間で話し合い、アイデアを出し合ったという。今回、アニサキスに関する情報提供ということで、魚から猫という発想にたどり着いた。
「猫パンチや猫キックではアニサキスは倒せません」というユニークな名言も誕生。
写真に登場している猫は、職員が実際に飼っている猫だ。
SNS上には「猫を出せばバズると思ったでしょ?その通り」、「厚労省担当者、なかなかやるなあ」など称賛の声があがっている。
食中毒を引き起こす
アニサキスは、寄生虫(線虫)の1種で、その幼虫の長さは、2~3cm。幅は0.5~1mmほどで、白色の少し太い糸のように見える。
サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどの魚介類に寄生している。
アニサキス幼虫が寄生している生鮮魚介類を生で食べることで、アニサキス幼虫が胃壁や腸壁に刺入して食中毒(アニサキス症)を引き起こす。
猛烈な腹痛
実際にアニサキス症を発症した、福島県在住の60代男性は取材に「夕方に回転寿司店で、サンマの握りを食べた。すると、夜中に猛烈な腹痛に襲われた」と話す。
この男性は、翌日の朝、総合病院を受診。胃カメラ検査の結果、胃にアニサキスが刺さっていることが確認された。
内視鏡でアニサキスを摘出したところ、痛みは治まったそうだ。
鮮度・目視・冷凍・加熱
厚労省によると、アニサキスの食中毒の50%以上が飲食店又は販売店で発生しているという。
まずは、鮮度を徹底し、目視で確認。さらに、冷凍、加熱が有効だと呼びかけている。