(写真提供:鶴岡市立加茂水族館)
1月10日、午前10時、入館者は0人。よって「クラゲのおはなし」は開催できなかった。鶴岡市立加茂水族館といえば、クラゲの展示種類数世界一だ。それなのになぜ、入館者が0人だったのか。
トレンドニュースキャスターは、鶴岡市立加茂水族館(@JELLYFISHAQ)のクラゲ担当である池田さんに話を聞いた。
2回目も
(写真提供:鶴岡市立加茂水族館)
「クラゲのおはなし」は、1日2回、午前10時と午後2時半に開催されている。
1月10日は、1回目に続き、2回目も「クラゲのおはなし」を聞きに来る入館者はいなかった。
Twitterにこの状況が投稿されると、2万件以上リツイートされ、「行きたいけど遠い…」、「雪がなければ行くのに」などの声が相次いだ。
「冬は、雪の影響などでお客様が少ないです。午前10時からのクラゲのおはなしを開催するときに、入館者が0人のときは、冬の間に1回あるかないかです。一日を通して、入館者が0人という日はありません」と、池田さんは言う。
館内にはクラゲ研究所も
(動画提供:鶴岡市立加茂水族館)
加茂水族館では、現在、約80種類のクラゲを展示している。
「クラゲは寿命が短く、日によって種類数は変動します。最近は、80種類前後を維持できています」と話した。
館内にはクラゲ研究所があり、クラゲの繁殖などの飼育研究や、生態系の解明などを行っている。
一時は倒産の危機に陥ったことも
(写真提供:鶴岡市立加茂水族館)
1997年、加茂水族館は倒産の危機を迎えた。
「倒産の危機に陥ったとき、サンゴの水槽に、たまたま発生したクラゲの赤ちゃんを、育てて展示しました。それがお客様から好評で、そこからクラゲの展示に力を入れ、今では世界一の展示種類数になりました」と話す。
クラゲが、加茂水族館を救った。
入館者数は徐々に増え、倒産の危機を脱した加茂水族館。今では、全国に名を知られる水族館となっている。
最後に、「クラゲは、ふわふわとした独特の動きや、おもしろい形、生態系などが魅力的です。脳も心臓もないのに、餌を食べ、排泄をして、繁殖もできます。そして癒されます」と、クラゲの魅力を語った。
(取材・文 松浦悠汰)