2022年――
1年が終わりを告げようとしている年の瀬。振り返ると今年も多くの著名人が天国へと旅立ちました。偉大な功績を築いた方、語り継がれる記録を遺した方、彼らは記憶のなかでは今でも生き続け、足跡は心の中に刻まれています。
今回は前回に引き続き、2022年下半期に亡くなった方々のエピソードを振り返り、偲びたいと思います。
7月
政治家:安倍晋三さん……8日、亡くなりました。67歳でした。父は安倍晋太郎元外務大臣、祖父は岸信介元総理大臣と政治家家系で、自身も1993年に初当選し政界入り。06年には戦後最年少の52歳で初の総理大臣就任。第2次政権とあわせ、3188日の在任期間は史上最長となりました。
声優:小林清志さん……30日、肺炎のため亡くなりました。89歳でした。1971年、初のアニメ化となった『ルパン三世』の次元大介役を担当。他の主要キャストの声優が代替わりするなか、小林さんだけは代わらず50年担当し続けました。降板する際には「命をかけてきた」と次元役に対し並々ならぬ決意があったことを明かしていました。また、小林さんは、「妖怪人間ベム」のベム役、「機動戦士ガンダム 0083 STARDUST MEMORY」のエギーユ・デラーズ役としても有名でした。
8月
俳優:古谷一行さん……23日に亡くなりました。78歳でした。死因は非公表ですが、晩年は闘病していたそうです。古谷さんといえば、テレビや映画で活躍。なかでも金田一耕助ははまり役で、シリーズ化。また、ドラマ『金曜日の妻たちへ』で演じた二枚目役は注目を集めました。父の他界に息子で「Dragon Ash」の降谷建志さんはSNSで「親父お疲れ様 最後まで本当に勇敢に闘い抜いたね バチくそ格好良かったよ」などと労いました。
9月
落語家:三遊亭円楽さん……30日、肺がんのため亡くなりました。72歳でした。五代目円楽さんに入門すると楽太郎の名で落語の道へ。早くから実力を認められ、還暦を迎えた2010年に六代目円楽を襲名しました。全日本プロレスの後楽園ホールの年間シートを購入するなど大のプロレスファンとしても知られ、ジャイアント馬場さんや天龍源一郎さんらとも交流。若手レスラーの面倒も見るなど、恩を感じる者も多いそうです。
三遊亭円楽を偲ぶ会 in 東京会館
—三遊亭竜楽 (@sanyuteiryuraku) December 2, 2022
大勢様ありがとうございました#三遊亭円楽pic.twitter.com/7qT41u2iny
10月
プロレスラー:アントニオ猪木さん……1日、心不全のため亡くなりました。79歳でした。1960年、力道山のスカウトでジャイアント馬場さんとともにデビュー。72年には新日本プロレスを旗揚げし、多くの名勝負を繰り広げました。政治家としても活躍する一方、ビジネスにも手を広げタバスコを日本に持ち込んだのは猪木さん。ところがタバスコの人気が出る前に権利を手放してしまったため、大儲けとはいかなかったそうです。
【訃報】
—新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) October 1, 2022
新日本プロレスの創設者・アントニオ猪木さんが逝去https://t.co/6YbMc1oNi4#njpwpic.twitter.com/9bgML6pdJr
11月
俳優:渡辺徹さん……28日、敗血症のため亡くなりました。61歳でした。ドラマ『太陽にほえろ!』で刑事ラガー役を演じ注目を浴び、歌手としても『約束』がヒット。タレントとしてもバラエティー番組の司会を務めるなど人気者になりました。プライベートでは、女優の榊原郁恵さんと結婚し、おしどり夫婦としてテレビやイベントに引っ張りだこでした。2人のエピソードはバラエティー番組でも語られることが多く、「ウインナー事件」が有名。結婚したばかりの頃、高級ウインナーばかり出す郁恵さんに徹さんは「いつになったら赤いウインナーを出すんだ!」と激怒し家出したそうで、これが夫婦として初めてのケンカだったそうです。
61歳で死去・渡辺徹さんは将棋愛にあふれた人だった 「天国で好敵手の志村けんさんと…」かつて取材した田丸昇九段が悼む(田丸昇)#将棋#shogi#渡辺徹#志村けんhttps://t.co/2Evpezy31d
—Number編集部 (@numberweb) December 20, 2022
12月
歌手:水木一郎さん……6日、亡くなりました。74歳でした。水木さんは今年の夏、ステージ4の肺がんであることを公表していました。1968年にデビューした水木さん。持ち歌は1200曲といい、『マジンガーZ』『バビル2世』『キャプテンハーロック』など、誰もが口ずさめるアニソンを歌い「アニソンの帝王」と呼ばれていました。亡くなる約10日前にもステージにあがり、歌唱するなど生涯現役を貫きました。
今回紹介しきれなかった方々に対しても敬意を払うとともに慎んでお悔やみ申し上げます。合掌。