華麗なライブシーンから始まった8話。もはや歌もダンスもメンバー全員のルックスも、ドラマ発の架空ボーイズグループにしておくには、惜しい。個人の仕事も増え、順風満帆な8LOOMだったが……。やはり、恐れていたことが起きてしまった。
あす花と弾は“花マル”な関係
あす花(本田翼)に情熱的な告白をした弾(高橋文哉)。しかし、もちろん付き合う関係には至らない。「いまは8LOOMに集中したい」と宣言した弾は、お互いに励まし合う“花マル”な関係を提案する。週に1回は、頑張ったことや良いところを伝え合うのだ。なんと清い関係性だろう。
弾なりに、8LOOMにも、あす花にも誠実であろうとした結果でもある。しかし、あす花と弾の間柄を察していたメンバーの一人、成瀬(宮世琉弥)は微妙な反応だ。当初、なるくんも、あす花のことが気になっているのかと思ったが……どうやら、彼の心の動きはそこまでシンプルではないようである。
いつ、二人のスキャンダルが撮られても、おかしくはない。ほとんどの視聴者がこの展開を予想していたはずだが……。ついに、恐れていたことが起きてしまう。
裏切り者は、なるくん?
8LOOMのPV監督を務めることになった、なるくん。個人の仕事も増えてきたなか、突出した個性や特技がないと密かに悩んでいた彼。幅広くさまざまなことを勉強し、強みをつくろうとする努力を買い、弾がなるくんを抜擢した。
初めての挑戦は、いつだってヒリヒリするものである。ちょっと大人な8LOOMを表現するにあたり、メンバーそれぞれの表情やロケ場所にも気を配る、なるくん。まだ学生の立場で、大人に対し「撮り直させてほしい」と頭を下げるのは、誰にでもできることではないだろう。彼の勇気に拍手を送りたい。
新たな才能を見出された、なるくん。彼の悩みも晴れたように思えたが……。何やら、挙動がおかしい。
人気が上り調子の8LOOMに、恐れていたスキャンダルが。あす花と弾のツーショットが撮られ、ネット上に拡散されてしまったのだ。恋人同士である事実はないにしても、世間は、とくにファンは理解し難いだろう。
何よりも解せないのは、写真を撮り流出させたのが、8LOOMのなるくんである可能性が高いことだ。
あす花に対し「寮母をやめて、出ていってください」と言った、なるくん。8LOOMのことを第一に考え、ある意味“危険因子”である、あす花を強制的に退去させようとした。そう考えれば辻褄は合いそうに思えるが……。
どう考えても、メンバー同士で協力し合い、このまま世間にバレないように動くほうが懸命に思えてならない。遅かれ早かれバレるくらいなら、早めに自分の手で……と考えたのだろうか。
なかなかに、荒療治である。最終回が近づくなか、あす花と8LOOMの関係性は、どうなってしまうのか。
(文:北村有)