高市内閣が発足して1年が経った。私の評価は80点。かなり高い。それはなぜかというと、選挙で掲げた政策をきちんと法律に落とし込んできているからだ。
例えば皇室典範を改正し安定的な皇族数の確保への道筋をつけた。皇室典範の抜本的な改正が行われたのは実に79年ぶりだ。また、憲法改正の前提となる国民投票法の改正、さらに「年収の壁」を現状の103万円から178万円へ引き上げる所得税法の改正で、働けば働くほど損をするという馬鹿らしくも不思議な制度に一石を投じた。有能な人にどんどん働いてもらわないで日本の働き手不足は解消され得ない。いずれの問題も長年議論されながら、全く進展が見られなかった難課題であり、これらに手を付けた高市内閣は「決められる政治」を実践したと評価したい。
10月5日に第222回臨時国会が召集され、所信表明演説で高市早苗首相は、最優先課題は「経済の力で国民の暮らしを守ること」と明言した。同時に強調したのが「強い経済」と「財政の持続性の両立」。世界各国が産業政策を競い、国家間競争が激化している中、日本もしっかりと足元を固めなければならないのは当然だ。
さて、今国会。ここからが難しい。簗和生農相が自治体の道路予算をカットしたという発言を巡り与野党から大きな批判が噴出している。人間として実に品が無い。簗氏は小選挙区で落選し、比例復活。この度は首相の特別枠で入閣した。この問題が国会の重要法案の審議に影響を与えるのは避けられないが、このつまずきは痛い。
来年の4月から2年間に限って実施する、食料品の消費税減税法案という大きな難題が待ち構えている。総理は「家計にゆとりを生み出す」と訴えるが、減税すればその分はどこからか補填(ほてん)しなければならない。ならばその財源はどこにあるのか。経済成長による税収増で全て賄えるというほど日本の財政は甘くない。具体性に乏しいこの点が今国会での一番の焦点になるであろう。補助金を減らす、租税特別措置を見直す、税外収入を増やす、などなど手法は様々考え得るが、いずれも軽々に削れるものではなく、財政の持続可能性を実現すべく議論を尽くすことが必要だ。
1年目で動かした政策によって、本当に賃金が上がり、景気、生活が良くなったと国民が実感できるのか、そして財政が維持できるのかが問われる2年目となる。
「決断、挑戦、実行」力強く掲げたこれらの言葉に大いに期待を寄せている。
