
テレビ朝日系「報道ステーション」(月~金曜午後9時54分)の大越健介キャスターは9日夜の放送で、同日朝に自民党本部で行われた会合に出席した簗和生農相が冒頭であいさつした際、予算大幅カット発言に一切触れず、ベテラン鈴木宗男参院議員に「公開叱責(しっせき)」されてようやく言及したシーンについて、「自民党は、鈴木宗男議員に感謝した方がいい」と感想を述べた。
宗男氏の説教が飛び出したのは、党の農業構造転換推進委員会。簗氏は、報道陣の頭撮り取材の際、冒頭で農相就任の決意を口にした。しかし、簗氏は今年2月の衆院選で首長が自身を支援しなかった地元2自治体に対する道路予算カット発言の渦中にいる人物。簗氏のあいさつが終わり、進行役を務めた上月良祐議員が会を進めようとしたところ、宗男氏は立ち上がって「上月さん、上月さん」と発言を求め、簗氏に対し「ちょっと、大臣。これ、親切で言うんだけどね」と切り出し、「あなたは、いま耳目を集めているわけだ。まず、冒頭にお騒がせしていますとか、しっかり説明責任を果たしてやってまいりますよと、あいさつがあってしかるべきじゃないかな。決意表明の前に、人としての矜持(きょうじ)が問われているんだよ!」と指摘した。
「みんな、あんたを応援しようと思っても、ただ決意表明だけでは応援できない」「決意表明はいい。あんた、ずっとやってきているんですから。(でも)人としての心構えというものをしっかり持って対応した方がいいと思う」と諭し、「異論があるならだれか言ってください」と周囲に述べたが、会議室は静まりかえり異論も出なかった。簗氏は宗男氏の指摘を受け、「こうした形でご迷惑、ご心配をかけている。心からおわびする。申し訳ありません」と頭を下げた。
この日の放送では、宗男氏の簗氏への公開説教の様子を伝えた。VTRの後、大越氏は「自民党は、鈴木宗男議員に感謝したほうがいいと思います」と述べ、「あの場で簗大臣が何もなかったかのように当たり前のあいさつをして、その場にいただれも発言せずに立ち去ったとしたら、自民党自体が、国民感情から乖離(かいり)した政党だと批判されても仕方なかったと思う」と、厳しく指摘した。
簗氏の発言問題をめぐり、任命権者の高市早苗首相は依然更迭を否定し、簗氏も辞任を否定しているが、少数与党の参議院では野党6党による問責決議案提出検討の動きも出始め、高市首相が最重要視する消費税減税法案審議への影響も懸念されつつある。大越氏はこうした流れも念頭に置いてか、「さて高市内閣ですが、肝いりの消費税減税の法案審議を急ぎたいところですが、エンジントラブルはかなり深刻なようです」と、政権の現状を評した。
