
タレント武井壮(53)が登場した、22日放送のNHK「ファミリーヒストリー」が話題となっている。生き別れとなっていた母の京子さんが、穏やかな再婚生活の後、昨年12月に76歳で亡くなっていたことが番組の取材で判明し、感謝の涙を流した。放送後、NHKは公式サイトを通じ、担当ディレクターによる取材後記を公開した。
さまざまな著名人のルーツなどをたどる、不定期放送の人気番組。武井は9歳の時に両親が離婚し、母と生き別れとなった。当時を振り返り「小学校の真ん中ぐらいまでしか一緒に暮らしてない。(ルーツは)全く分からないですね」と語った。その後、京子さんは都内で生活しながら警察官の男性と再婚していたことが判明。さらに京子さんは25年12月1日にがんの闘病の末、亡くなっていた。
妻に先立たれた再婚相手の夫は当初、番組の取材を断るが、1週間後に翻意。京子さんは再婚だと明かしていたが、子供が2人いたことは夫に伏せていたという。夫は、武井が実母に対して熱い思いをSNSでつづっていたことを把握し「母を慕っているという、そのような文面があったので。名前も写真も何も隠す必要はない」と語り、取材を受けた理由を明かした。そして武井は母のその後を知り、号泣。母の遺品には、武井が登場した雑誌の切り抜き写真が2枚あった。その後、月命日の1日に母の再婚相手の夫とともに墓参りに行く姿がVTRで公開された。
「ファミリーヒストリー」を11年担当する男性ディレクターは「『ファミリーヒストリー武井壮』母の行方にたどり着くまで」と題した文章で、武井の母を巡る取材の過程を明かした。京子さんの足取りをつかむ取材は難航したという。さらに取材で判明した母の死を武井にどう伝えるかで悩んだと明かした。「いつ、どういうタイミングで武井さんにお伝えするかは、スタッフ内でも何度も議論しました。何年も前に亡くなっている、というなら話は別ですが、京子さんは、我々が武井さんと最初にお会いした日の2日前に亡くなられていました」と書き出した。
「亡くなった事実を告げずに取材を続けることが倫理的に正しいことなのかどうか、悩み続けました。なかなか答えは出ませんでしたが、それでも、武井さんにお母さまが亡くなられたという事実だけを、何の背景もないまま投げ出すようにお伝えすることだけはしたくないと思っていました」と記述。
「お母さまが抱えていた思いをたどりながら真実に迫り、武井さんが前を向いて生きていけるような事実と一緒に、母の死をお伝えできないかと取材を重ねていきました」とつづった。
そして再婚男性の夫が取材に応じることが決まったタイミングで「VTRにまとめて、番組の収録で武井さんに初めてお伝えするのが最も良い方法だと確信しました。とはいえ、お母さまが亡くなったことを知ったとき、武井さんがどのようにその事実を受け止めるのか、とても案じていました」と当時を回想。
「番組の最後で雑誌切り抜き写真のエピソードを知ったとき、武井さんは話もできないほど号泣されていましたが、そのあとで『心の中の大きなトゲが取れた。これからも強く、すがすがしい気持ちで生きていける』と言ってくださり、私たちスタッフも心の底から安どしました」と明かした。
