
1977年(昭52)から続く自主映画の祭典「ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」は25日、都内の国立映画アーカイブで会見を開き、邦画実写最高の興行収入208億円を記録した「国宝」の李相日監督(52)の名を冠した「李相日スカラシップ」の設立を発表した。
PFFは設立以来「映画の新しい才能の発見と育成」を掲げ、84年から入選者から募ったオリジナル長編企画を実現するPFFスカラシップ(現PFFプロデュース)をスタート。立ち上げ当初の製作予算は総額3000万円が上限だったが、近年は約5000万円で運営しており、李監督も00年に「青~chong~」でPFFアワードグランプリを含む4冠を受賞したことを受け、製作した「BORDER LINE」を03年に公開し、映画監督デビューを果たした。
李相日スカラシップは、PFFアワード入選者でPFFプロデュース作品を撮る監督に、PFFが拠出する製作予算に上乗せする形で製作費の助成金を拠出。設立時は、ぴあが2億円、趣旨に賛同した東宝が1億円を拠出し設立時の基金は3億円を設定。目標額は10億円で今後、追加で複数社に呼びかける。
李監督は「20数年前、PFFに乗っかって世に出られた1人。お役に立てれば光栄に思うと同時に少々、荷が勝ちすぎるのが実感。まだ生きていますし、監督としては道半ばで精進が足りない身。名を冠するのは恐れ多い」と恐縮した。その上で「若手、日本映画底上げの一助になれば。強烈な熱意に、ウンと言ってしまった」と、打診を受け、賛同した理由を説明。「才能は、泥の中でも花咲かすものですが、やはり機会は必要。(以前と比較し)予算は倍かかるし、撮影期間も2週間が3、4週間かかる。発想を広げるための、予算がプールされるのは重要。少しでも予算が上がることが、しんどさからプラスになることに僕は意義を感じる」と意義を強調した。
対象となるPFFアワード、入選者を選ぶ選考に、李監督は一切、関わらない。一般社団法人PFF理事長で、ぴあ株式会社の矢内廣社長は「李監督の手法、クリエーティビティーに沿った作品か、ということも問われない」と強調。同監督も「僕自身の作家性がかかわることは一切、ありません。PFFの判断の下に選んでいただくということ」と、うなずいた。
