
劇団新派の女優、水谷八重子さんが8月28日に都内で肺炎のため亡くなったことを同31日、松竹が発表した。87歳だった。
今年3月19日に新派・松竹新喜劇の合同喜劇公演の記者会見を都内で行い、舞台への意欲を熱く語っていたが体調不良のために休演。帰らぬ人となった。
多くの取材陣の前で元気な姿を見せた最後の会見を記者は取材した。
水谷さんの所属する新派が創始138年で松竹新喜劇が創設78年。両者の共演は7年ぶりで新派から「明日の幸福」、松竹新喜劇から「お種と仙太郎」の2本立ての上演だった。
新派の名作「明日-」は、今年9月に100歳になる“ホームドラマの名手”石井ふく子さんが演出。水谷さんと松竹新喜劇の渋谷天外が夫婦役だ。
水谷さんは松竹新喜劇について「何のてらいもなくワッと笑わせて、そのくせ役の性根はしっかりとつかんでいる。何年もかかって劇団の味やにおいを継いでいて舞台に合わせている。新派は新喜劇のマネはできない。新派もそうありたい。一生涯、親戚付き合いをしていきたい」と熱く語っていた。
石井さんが「9月1日にならないと100歳にならない。その前にまだまだ、皆さんのお力をいただいて『心のある芝居』を見せていきたい。一生懸命にやりたい」と話すと、水谷さんは「石井先生に負けないように挑戦します。ご期待ください」と続いた。
芝居への情熱をヒシヒシと感じる会見だった。【松本久】
