
宝塚歌劇団の村上浩爾社長が4日、兵庫・宝塚市の宝塚大劇場で報道陣との懇親の場に出席し、昨年9月の宙組公演「BAYSIDE STAR」で使用する楽曲「海ゆかば」の歌唱を取りやめた件を総括した。
同曲が太平洋戦争中に戦意高揚のために歌われたことなどから批判的な意見が上がり、歌劇団は「当該楽曲を歌唱すること、あるいは使用することに対し、さまざまなご意見を頂戴していることを受け、当社において熟考を重ねた結果、本日9月24日の公演より歌唱は行わないこととし、11月22日に初日を迎える同演目の東京宝塚劇場公演においては、楽曲そのものを差し替えて上演いたします」という対応をとった。
村上氏は「演出の意図としては、戦争を肯定する意図はまったくなかった。演出家との話でも、神戸の街を舞台に、戦前から戦後の復興、大震災、そういった歴史を振り返りつつ未来への希望をというテーマで演出をした」と改めて作品に込められた思いを説明し、「初日を迎える前には私も見たが気付かなかった。これはもう私ども歌劇団の責任」と反省した。
一方で、歌唱をしないという判断については、楽曲そのものを中止すれば演者にも負担をかけるとの判断もあり、「対応としてはそれで正しかったのかなと思っている。バランスの中で歌詞を取りやめてああいう形にさせていただいた。今でも適切だったと思っている」との考えを示した。
この一件を受けて、制作サイドから作品づくりに関する困惑の声などは上がっていないといい、「これからも宝塚歌劇団のスタッフがいろいろな発想で作品を作っていくことは大事なこと。我々も事前により広い視野で見ていかないといけない」と気を引き締めた。
