
アニメ映画界の巨匠、「銀河鉄道999」「メトロポリス」などの代表作で知られるりんたろう監督(84)が4日、都内で第38回東京国際映画祭のイベントとして、「アジア学生コンファレンス:りんたろうマスタークラス」で講演した。日本を含め、中国、韓国などから若手のアニメ監督やクリエーターらが多数聴講に訪れた。
講義の題材にしたのが、2023年に公開された「鼠小僧次郎吉」。23分の短編サイレントアニメ映画で、日中戦争に従軍し28歳で亡くなった山中貞雄監督の作品をモチーフにした作品を流しながら、「着物を描くのは難しい」など、各シーンの細部について解説した。
りんたろう監督は製作の上で参考にするものとして「他のアニメーションは見ない」とし、「西洋絵画、日本絵画、そして写真」を挙げた。「(レオナルド)ダビンチがどういう気持ちで描いたのか、そういうことが参考になる。今はピカソ」と説明。聴講生には「人より抜け出そうと思ったら、自分の引き出しをつくること」と、アジア各国の若者にアドバイスした。
