
興行収入(興収)166億5000万円と歴史的ヒットを続ける「国宝」の李相日監督(51)が3日、都内で開催中の東京国際映画祭で黒澤明賞を受賞し、3日に都内で開かれた授賞式に登壇した。席上に「国宝」に主演した吉沢亮(31)がサプライズで登壇し、花束を贈った。
吉沢は「このたび受賞、おめでとうございます。僕ごときがコメントするのも、あれなんですけど」と、照れながら李監督への祝福のコメントを口にした。その上で「『国宝』で初めてご一緒し、映画への覚悟、終演を感じ、ものすごく愛を持って映画に関わっていると感じた。その思いがキャスト引き上げてくれ、僕より、僕のことを信じてくれていると感じ、答えることに苦しさとそれ以上の喜びを感じる3カ月でした。ありがとうございました」と感謝した。
「国宝」は作家・吉田修一氏の同名小説の映画化作品。吉沢は任侠(にんきょう)の一門に生まれながらも歌舞伎役者の家に引き取られ、芸の道に人生をささげた主人公・立花喜久雄の50年を、少年期を演じた黒川想矢(15)と演じ上げた。抗争で父を亡くした喜久雄を引き取る上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎を渡辺謙(66)半二郎の実の息子で、生まれながらに将来を約束された御曹司・大垣俊介を横浜流星(29)、少年期を越山敬達(16)が演じた。吉沢は横浜と、歌舞伎俳優の中村鴈治郎(66)から1年半にわたって歌舞伎の指導を受けたことも話題を呼んだ。
6月6日の初日からロングラン上映が続き、興行収入(興収)166億5000万円(26日現在、興行通信社調べ)を記録し。03年に興収173億5000万円を挙げ、日本映画歴代11位、実写では最高興収記録を22年、守り続ける「踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」(本広克行監督)に、あと7億円に迫っている。第98回米アカデミー賞国際長編映画賞の日本代表作品に決定している。
