
いきものがかりが20日、横浜アリーナで、2人体制初となるアリーナツアー「いきものがかりの みなさん、こんにつあー!! 2025 ~ASOBI~」の最終公演を開催した。
「シウマイ弁当食べた?」と和やかに話しながら、ごく自然体な2人が登場。花道をゆっくりと歩きながら「ありがとう!」と客席に手を振り、センターステージへ。暗転して「コイスルオトメ」が始まると雰囲気は一変。温かいメロディーと透明感ある歌声、1万人のペンライトの光がステージを包み込み、ロマンチックな空間が広がった。
続く「気まぐれロマンティック」で吉岡聖恵(41)は「横浜の皆さん、思いっきり楽しんで遊んでいきましょう!」と呼びかけ、曲中には会場全員でジャンプ。配信も行われ、水野良樹(42)は「会場の皆さんの盛り上がりにかかってます! お客さんだけど、お客さんだとは思ってなくて、メンバーだと思ってます!」と笑顔。「1万人のメンバーとともにお送りしています!」と宣言し、大歓声を浴びた。
21年に元メンバー山下穂尊さんがバンドを離れ、2人体制でのアリーナツアーは今回が初めて。全4都市8公演を回り、横浜アリーナでは19日からの2日間で2万人が集結。ツアー全体で計6万人を動員した。
「彩り」など最新アルバム収録曲のほか「ありがとう」「YELL」など代表曲も盛り込んだ豪華な内容。「みんなを近くに感じたい」と、会場にはステージが四つ設置された。
笑いを誘うMCや2人の和やかな掛け合いも魅力。地元神奈川公演とあって、水野は「海老名、厚木でいきものがかりと育ちました。海老名、厚木からしたら横浜は憧れの土地、全然違うわけ。でもだんだん全国でライブをやるようになって、思わず口に出ちゃう。横浜が地元だって」と苦笑い。吉岡は「自称厚木代表40代!」と胸を張った。
観客による、新曲のコーラスパートの公開レコーディングにも挑戦。中盤の「ブルーバード」では照明も客席のペンライトも青に染まり、「じょいふる」では会場一体となってタオルを回して大盛り上がり。吉岡は「最高! 横浜ありがとうー!」と叫んだ。
昨年で結成25周年。路上ライブをしていた時期を振り返り「制服着て、日曜なんて誰も止まらないもあったのに。こんな大きい横浜アリーナにいろんなとこから集まってくれて…。本当に最高。本当にありがとう」と万感の表情。水野は「うちの吉岡がうるうるきています。ありがとう」とほほ笑んだ。
アンコールでは名曲「YELL」をしっとりと力強く披露。水野は「もうすぐこのツアーがゴールラインを迎えます。今回のツアーは短く思えるけど、1歩1歩がとても重くて。各地の久しぶりに会う皆さんにパワーをもらいながらなんとか乗り越えてきました」と回想。「皆さんに楽しんでもらって、よければ幸せな気持ちになって帰ってもらいたいのに、僕らの方が幸せな気持ちになった」。
さらに2人おそろいのアンコール衣装にも触れ「結成25周年。ペアルックを始めてしまいました」とにやり。吉岡は「いいじゃないの~たまには」とほほ笑んだ。
紆余(うよ)曲折もありながら、来年にはメジャーデビュー20周年を迎える。水野は「最近は必ず前に進むという気持ちをこめて、必ず最後に新曲をやっています」とし、NHKで今年10月から放送のテレビアニメ「キングダム」オープニングテーマの新曲「生きて、燦々」で締めくくった。
水野は「体に気をつけてまた会いましょう。本当に今日は一緒に時間を過ごしてくれてありがとうございます」と感謝。「歌いきった吉岡にも拍手を!」と叫び、吉岡も「いつも支えてくれるリーダーに大拍手を!」とたたえ合った。ファンとまたの再会を約束し、メモリアルイヤーに向けて精力的に走り続ける。【玉利朱音】