アニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」(外崎春雄監督)公開記念舞台あいさつが19日、東京・TOHOシネマズ日比谷で行われた。主人公竈門炭治郎(かまど・たんじろう)役の声優・花江夏樹は「昨日の夜、IMAXで見てきました。最高でした。あと10回は、行こうと思います」と語った。
また、作品に関わるのが6曲目となるダブル主題歌「残酷な夜に響け」を担当するLiSA(38)も「私も、昨日、初日を拝見し3回、見ました」と語った。そして「ここでこの音が、この技が、このセリフが、こんなに響くんだと毎回、違う感動を得られる素晴らしい作品」と熱く語った。
この日は、公開中の全国452館のうち、357館にライブ・ビューイングされた。花江は「早く劇場で見たいなと思っていた。まだかな、まだかなと思っていたんですけど、直前になって心の準備が、と家の廊下を歩いたり、ムビチケを見て落ち着かなかった」と公開までの心中を明かした。
実際に劇場で鑑賞し「素晴らしかったですし、ここにいて幸せですし、一緒に登壇できて…そっちで見たかった。よく、当たりましたね。すごくラッキーだと思う。仕事で、必ずそっちに行けない」と客席に呼びかけた。その上で「ファンの方と一緒にいられて、うれしい…止まらないですね」と笑みを浮かべた。
鑑賞した感想を聞かれると「まず映像のクオリティーが本当に素晴らしい。人の手で作ったのか? まばたきできないとは、こういうこと。涙が止まらなくて…最高でした」と振り返った。今回、炭治郎を演じるにあたって、どう役作りしたかを聞かれると、櫻井孝宏が演じた鬼殺隊最高位の剣士である柱の1人、水柱の冨岡義勇と戦った、上弦の参の鬼・猗窩座(あかぁ)役の石田彰の演技に引き出された面が多々、あったと振り返った。「石田さんの猗窩座のお芝居が素晴らしすぎて、自然とあふれてくる…最初(炭治郎の気持ちを)考えていたんですけど、自然と流れで気持ちが出てくるなと素晴らしい空間。すごかったですよ」と石田に感謝した。
猗窩座は、20年10月16日に封切られ、403億3000万円の日本歴代最高興収を記録した「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」で、炎の呼吸を使う、炎柱の煉獄(れんごく)杏寿郎(声=日野聡)と激闘を展開し、打倒する。花江は「煉獄(れんごく)さんに関し、ひどいことを言う。そこで『はぁ?』と不意を突いて言う声が出て…台本を読んでいたのと、全然、違うのが出た」と石田の芝居から引き出された芝居を、具体的に説明した。
◆「鬼滅の刃」 吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)氏原作の人気漫画。大正時代を舞台に、炭治郎が家族を殺した鬼と戦うために修業して「鬼殺隊」に入隊し、鬼と化した妹禰豆子(ねずこ、同=鬼頭明里)を人間に戻す方法を探し、仲間の我妻善逸(あがつま・ぜんいつ、同=下野紘)、嘴平伊之助(はしびら・いのすけ、同=松岡禎丞)とともにさまざまな鬼と戦い、成長しながら友情や絆を深めていく物語。16年2月15日発売の「週刊少年ジャンプ」で連載がスタートし、20年5月18日発売の同誌まで4年3カ月の間、休載なしで205話掲載。単行本1~23巻の累計発行部数は1億5000万部を突破した。
◆「テレビアニメ 鬼滅の刃」 19年4月から9月まで「竈門炭治郎 立志編」が各局で放送され、人気が爆発的に高まった。原作漫画の7、8巻をアニメ映画化した「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」は20年10月16日に公開。40人以上の行方不明者を出しているという無限列車を舞台に、炭治郎たちと史上最強の敵・魘夢(えんむ、声=平川大輔)との激闘が描かれた。テレビシリーズにも出た鬼殺隊の最高位“柱”の1人で、炎の呼吸を使う煉獄(れんごく)杏寿郎(声=日野聡)が任務に挑む姿が初めて描かれ、猗窩座との激闘と煉獄のおとこ気も話題に。公開から11週、73日目の20年12月27日に興収324億7889万5850円を記録。01年の宮崎駿監督のスタジオジブリ作品「千と千尋の神隠し」の興収316億8000万円を超え、日本映画の歴代興収記録を更新。最終的には403億3000万円の日本歴代最高興収を記録した全世界で累計動員約4135人、総興収は約517億円を記録した。同作をテレビアニメ化して、21年10月10日からフジテレビ系で全7話が放送。同12月5日から22年2月13日まで「鬼滅の刃 遊郭編」が放送された。232月からワールドツアー上映「『鬼滅の刃』上弦集結、そして刀鍛冶の里へ」が開催され、同4月から同系で「-刀鍛冶の里編」、24年5月には「-柱稽古編」が放送。同編最終話の放送後に「劇場版 鬼滅の刃 無限城編」を3部作として製作すると発表。
◆「劇場版 鬼滅の刃 無限城編」 炭治郎は鬼殺隊最高位の剣士である柱とともに戦い「無限列車」では炎柱・煉獄杏寿郎、「遊郭」では音柱・宇髄天元(うずいてんげん、声=小西克幸)、「刀鍛冶の里」では、霞柱・時透無一郎(ときとう・むいちろう、同=河西健吾)と恋柱・甘露寺蜜璃(かんろじ・みつり、同=花澤香菜)とともに激闘を繰り広げていった。その後、来たる鬼との決戦に備え、隊士たちと共に柱による合同強化訓練「柱稽古」に挑んでいる最中、鬼殺隊の本部で・産屋敷邸に鬼舞辻無惨(きぶつじ・むざん、声=関俊彦)が現れた。お館様の危機に駆けつけた柱と炭治郎であったが、無惨の手によって謎の空間へと落とされてしまう。炭治郎たちが落下した先は鬼の根城・無限城。鬼殺隊と鬼の最終決戦の火ぶたが切って落とされる。